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オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


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24/25

第24話 発進できる…かな…たぶん…きっと

前日・放課後。

旧準備室に、技術科の佐藤先生が顔を出す。


佐藤

「ロボ研。ちょっといいか」


蒼

「えっ、先生……!?」


理人

「なんかやらかしました?」


真

「……怒られる?」


佐藤

「怒らない。

 廊下での長距離走行テスト、見てたぞ」


蒼

「見てたんですか!?」


理人

「いや、見られてたのかよ……!」


真

「……恥ずかしい」


佐藤

「悪くなかった。

 で、だ」


三人が息を呑む。


佐藤

「明日の全校朝礼で“サークル活動報告”の時間がある。

 ロボ研、お前らも出てみないか」


蒼

「えっ……ロボ研が……朝礼で!?」


理人

「いや、急にハードル高くないですか……」


真

「……無理かも」


佐藤

「もちろん強制じゃない。

 ただ、ロボ研は“新設扱い”だからな。

 活動継続の判断材料として、

 “全校生徒の前で動く姿”を見せられれば強い」


蒼

「……活動継続……」


理人

「つまり、ここで結果出せば正式に認められるってことか」


佐藤

「そういうことだ。

 時間は30秒。

 “前進 → 障害物回避 → 停止”

 これだけでいい」


蒼

「……やります」


理人

「おい久保田!?」


真

「……やる」


理人

「毒島まで!?」


蒼

「理人、逃げたらロボ研じゃないよ」


理人

「……わかったよ。

 やる。やってやるよ」


佐藤

「よし。

 明日、体育館の壇上に集合だ」


──そして当日。


体育館。

全校生徒約800人。

冬の光が床に反射し、

ざわざわとした空気が広がる。


蒼

「……人、多すぎない?」


理人

「いや、全校生徒だからな……」


真

「……無理かも」


蒼

「毒島くん!?」


理人

「いや、俺も無理かも……」


蒼

「ちょっと! 二人とも弱気すぎ!」


壇上の横には、

昨日磨いたばかりの“ココ”が置かれている。


蒼

「ココ……頼むよ……

 今日だけは、絶対に……」


理人

「いや、今日だけじゃなくていつも頼む」


真

「……ココ、できる」


蒼

「毒島くんの“できる”は信じる!」


校長

「それでは最後に、ロボット研究会からの活動報告です」


ざわ……

ざわざわ……


蒼

「うわああああああ来たあああああ!!」


理人

「落ち着け!!」


真

「……深呼吸」


三人は壇上に上がる。

800人の視線が、静かに集まる。


理人(心の声)

(やばい……足震えてる……

 なんで俺が喋ることになったんだ……)


蒼(心の声)

(理人、がんばれ……!

 俺も震えてるけど……!)


真(心の声)

(……ココ、守る)


理人

「ロボット研究会です。

 本日は活動報告として、簡単なデモを行います」


声が少し震えている。

でも、しっかり届く。


理人はココの前にしゃがみ、

最後の配線チェックをする。


理人

「……よし。

 久保田、スイッチ頼む」


蒼

「任せろ……!」


カチッ。


体育館の空気が一瞬だけ静まる。


ウィィィィィン……!


ココが前に進む。


ざわ……

ざわざわ……


生徒たちの小さなざわめきが広がる。


蒼(心の声)

(動いた……! 動いてる……!)


理人(心の声)

(速度安定……センサー反応……いける……!)


真(心の声)

(……かわいい)


ココは壇上の端に置かれたペットボトルに近づき――


ピッ、ピッ。


くるり、と右に避ける。


ざわっ……!


蒼(心の声)

(避けた……! 避けたよ……!)


理人(心の声)

(あとは……止まる……!)


ココは避けたあと、

まっすぐ進み――


ピタッ。


体育館が静まり返る。


蒼

「止まったぁぁぁぁ!!」


理人

「久保田、声!!」


真

「……でも、成功」


蒼

「そう! 成功!!」


生徒たちから小さな拍手が起きる。

大きくはない。

でも、確かに“届いた”拍手。


校長

「……素晴らしいですね。

 ロボット研究会の活動、今後も期待しています」


蒼

「やったぁぁぁぁぁ!!」


理人

「よし……!

 これで正式に“継続”だ……!」


真

「……ココ、すごい」


蒼はココを抱き上げ、

小さく笑う。


蒼

「ココ……ありがとう。

 ほんとに、ありがとう」


理人

「いや、泣くなよ」


真

「……泣いてる?」


蒼

「泣いてない! 目が汗かいてるだけ!」


理人

「それ泣いてるんだよ!」


三人の笑い声が、

体育館のざわめきの中に溶けていった。


その音は、

“ロボ研の未来”が始まる音だった。


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