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オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


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22/25

第22話 初めての“長距離走行”

放課後の廊下。

旧準備室の前から、まっすぐ伸びる長い廊下。

人通りは少ないが、完全に無人ではない。


「……ここでやるの、緊張するなあ」


理人

「いや、ここしか“長距離”を試せる場所がないんだよ。

 教室は狭いし、体育館は部活で埋まってるし」


「……廊下、好き」


「毒島くん、廊下好きなの?」


「……静か。まっすぐ。

 ロボットに似てる」


「それは……わかる」


理人はロボットを床に置き、

距離センサーの角度を微調整する。


理人

「今日の目的は“実績作り”。

 先生に“活動継続していい”って言わせるための証拠だ」


「なんか急に現実的だね」


「……現実、大事」


「毒島くん、今日なんか名言多くない?」


理人

「毒島はいつも名言っぽいこと言ってるだけだよ」


「それ褒めてる?」


理人

「褒めてる」


「……ありがとう」


「毒島くん、素直!」


理人は深呼吸して言う。


理人

「じゃあ、テスト開始するぞ。

 “まっすぐ進む → 障害物を避ける → 止まる”

 これを10メートルの廊下でやる」


「10メートルって……長いよね」


「……長い。でも、できる」


「毒島くんの“できる”は信じる」


理人

「じゃあ、久保田。スイッチ頼む」


「任せろ!」


カチッ。


ウィィィィィン……!


ロボットがゆっくり前に進み始める。


「おおおお……! 廊下で動くと迫力ある!」


理人

「速度安定してる……

 センサーも反応してる……

 いいぞ……!」


「……かわいい」


「毒島くん!?」


ロボットは廊下の途中に置いたペットボトルに近づき――


ピッ、ピッ。


くるり、と右に避ける。


「避けたぁぁぁ!!」


理人

「よし……!

 あとは止まるだけ……!」


ロボットは障害物を避けたあと、

まっすぐ進み――


ピタッ。


「止まったぁぁぁぁ!!」


理人

「成功……!

 10メートル……全部成功……!」


「……すごい」


「毒島くんの“すごい”は本当にすごい」


三人はロボットの前にしゃがみ込み、

まるで“走り切った子ども”を見るような目で見つめる。


「なんかさ……

 廊下を走るロボットって、

 ちょっと感動するね」


理人

「わかる。

 “学校”っていう日常の中で、

 非日常が動いてる感じ」


「……ロボット、頑張った」


「うん、頑張ったね」


理人はロボットをそっと持ち上げながら言う。


理人

「これで……

 先生に“活動継続”を言えるな」


「よし! ロボ研、続行決定だ!」


「……続く」


「毒島くんの“続く”は最高の言葉」


理人

「じゃあ次は――

 “名前”だな」


「ついに来た……!」


「……名前、好き」


「毒島くんの“好き”は世界を救う」


理人

「救わないだろ!」


三人の声が、

10メートル走り切ったロボットの横で響いた。


その音は、

“仲間になる儀式”の前触れだった。


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