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オタク合体ロボ発進…きっとできる…かな…たぶん…  作者: 双鶴


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第14話 曲がる

旧準備室。

机の上には、昨日“止まる”ことを覚えたロボットが置かれている。


「よし! 今日は“曲がるロボット”を作る日だね!」


理人

「いや、曲がるとは言ってない。

 “曲がるかもしれないロボット”だよ」


「……曲がる。たぶん」


「毒島くんの“たぶん”は希望」


理人

「いや、希望じゃなくて不安だよ」


蒼はロボットの車輪を触りながら言う。


「でもさ、昨日“止まった”のはすごかったよね。

 なんか、ロボットが“考えてる”みたいで」


理人

「いや、考えてないだろ。

 ただのデューティ比だよ」


「……デューティ比、好き」


「毒島くん、今日も安定してるね」


理人

「毒島は“好き”の種類が多すぎるだけだよ」


「そういえば今日の理科の先生さ、

 “人生は曲がり角の連続だ”って言ってたよね」


理人

「言ってたな。

 “曲がれないやつは成長しない”って」


「……ロボット、曲がる」


「毒島くん、それは正しい」


理人はノートを開き、

左右のモータ制御の図を描き始める。


理人

「で、曲がる方法は簡単。

 “片方の車輪を遅くする”か、

 “片方を逆回転させる”か」


「逆回転ってロボットにもあるんだ」


理人

「まあ、簡易的なやつだけどな。

 片方を逆にすると、その場で回転できる」


「……回転、好き」


「毒島くん、回転好きなの意外」


理人

「いや、意外じゃないだろ」


蒼はArduinoを手に取り、

プログラム画面を開く。


「じゃあ、右に曲がるときは……

 右の車輪を遅くして、左を速くする?」


理人

「そう。

 `analogWrite(left, 200);`

 `analogWrite(right, 80);`

 みたいな感じ」


「……呪文、好き」


「毒島くん、呪文じゃないよ」


理人

「いや、呪文みたいなもんだろ」


蒼はふと、今日の授業を思い出す。


「そういえば今日の英語の授業でさ、

 “Turn right”って習ったよね」


理人

「習ったな。

 先生が“人生もTurn rightだ”とか言ってた」


「……Turn right、好き」


「毒島くん、英語も好きなの?」


「……発音、かっこいい」


理人

「毒島の感性は独特だな……」


「じゃあ、いよいよテストするよ?」


理人

「待て! 配線確認!」


「……昨日、止まった」


「毒島くんの“昨日止まった”は重い」


理人は慎重に配線を確認し、

深呼吸して言う。


理人

「……よし。

 久保田、スイッチ頼む」


「任せろ!」


カチッ。


ウィィィィィン……!


ロボットが前に進む。


「おおおお! 今日もまっすぐ!」


理人

「じゃあ、曲がるぞ。

 “右旋回コマンド”送る!」


カタッ。


ロボットは――

くるり、と右に曲がった。


「曲がったぁぁぁぁぁ!!」


理人

「曲がった……!

 ちゃんと……曲がった……!」


「……かわいい」


「毒島くん!?」


理人

「いや、でも気持ちはわかる。

 なんか“しっぽ振ってる犬”みたいだよな」


「ロボットの赤ちゃんだよ!」


「……赤ちゃん、賢くなった」


「うん、賢くなったね!」


ロボットは右に曲がり、

そのまま机の脚に向かっていく。


「やばい! 止まれ止まれ止まれ!」


理人

「止まれって言って止まるわけないだろ!」


「……止まらないね」


ガンッ!


ロボットは机の脚にぶつかり、

横に倒れた。


「倒れたぁぁぁぁ!!」


理人

「いや、でも……

 “曲がった”んだよ。

 これは大進歩だろ」


「……曲がった。すごい」


「毒島くんの“すごい”は本当にすごい」


理人は倒れたロボットを起こしながら言う。


理人

「じゃあ、次は“曲がって止まる”だな。

 制御を組み合わせる必要がある」


「組み合わせって……なんかRPGみたいだね」


「……コンボ」


「そう! コンボ!」


理人

「いや、コンボって言うなよ……

 でもまあ、間違ってない」


「じゃあ次は“曲がって止まるロボット”を作ろう!」


理人

「やるか……!」


「……やる」


三人の声が、

倒れたロボットの横で響いた。


その音は、

“次の進化”の始まりだった。


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