女王学園の冒険127
あっさりとした挨拶を交わすと、メゾーレの両親は学園都市に帰って行った。
街のお偉いさん+友達の親、しかも急な邂逅とあって、メゾーレ以外の四人は大人しく成り行きを見守るだけだった。
平時ならもう少し話も出来たかもしれないが、今は状況が状況だし仕方ない。
一行は部屋の奥の扉から更に先へ進む事にした。
扉を開けるとまた直線の通路になっていて、しばらくの間、五人は黙って歩き続けた。
「…………」
先程の部屋にジュラルバーム夫妻が閉じ込められていた事もそうだが、皆直感的にこの冒険の終わり、終着点が間近に迫っている事をなんとなく悟っていた。
緊張を紛らわそうとして恋が口を開いた。
「この通路の奥に居んのかね、グラーフ博士?最終兵器ゲヘナを造り上げて旧文明を滅ぼした天才科学者……ホントかよって思わねえ?」
恋の軽口にニレが反応する。
「そうだねえ……あのスゥさんが実際に動いていたんだし、信頼出来る情報だとは思うんだけど。結局何が目的なのか未だにサッパリ見当も付いてないし、そう言われればなんか現実味が無いかも…………倒せるかな私達で?」
呆れた様子でルビーが口を挟んで来る。
「なぁに腑抜けてんのよ今更、どうせ向こうの出方なんて分からないんだから敵が居るなら倒す、罠があるなら突破する。それだけ考えてりゃいいのよ」
くっくっく、とマイが含み笑いを漏らした。
「まるでイノシシじゃない、それで一網打尽にされちゃったらどうするのよ?まぁ、貴方達が罠に引っ掛かる姿を見るのは愉しそうだけど♪」
「そうなっちまったら…………ダメだ、気合と根性でどうにかするしか思いつかねえ」
「でも結局、分からない事が多すぎるし、そうなっちゃうかもねぇ~」
先頭を歩いていたメゾーレが不意に足を止めた。
気が付くと、一行は再びドアの前に立っていた。
特に装飾も手の込んだセキュリティも無さそうな、そこらへんの公共施設にでもありそうな面白味のないドア。
だがこのドアの先に待ち受けるものは、計り知れない。
「……着いたわ」
それまで雑談していた四人が、ピタリと話すのを止めた。
メゾーレが静かにドアの取っ手に手を掛けた。
「じゃあ皆、気合と根性でなんとかするわよ?」
この冒険の終わりが、遂にその姿を現わそうとしていた。




