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ハジマリノヒ  作者: うぐいす
女王学園の冒険
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397/428

女王学園の冒険127

 あっさりとした挨拶を交わすと、メゾーレの両親は学園都市に帰って行った。

街のお偉いさん+友達の親、しかも急な邂逅とあって、メゾーレ以外の四人は大人しく成り行きを見守るだけだった。

平時ならもう少し話も出来たかもしれないが、今は状況が状況だし仕方ない。

一行は部屋の奥の扉から更に先へ進む事にした。

扉を開けるとまた直線の通路になっていて、しばらくの間、五人は黙って歩き続けた。


「…………」


 先程の部屋にジュラルバーム夫妻が閉じ込められていた事もそうだが、皆直感的にこの冒険の終わり、終着点が間近に迫っている事をなんとなく悟っていた。

緊張を紛らわそうとして恋が口を開いた。


「この通路の奥に居んのかね、グラーフ博士?最終兵器ゲヘナを造り上げて旧文明を滅ぼした天才科学者……ホントかよって思わねえ?」


恋の軽口にニレが反応する。


「そうだねえ……あのスゥさんが実際に動いていたんだし、信頼出来る情報だとは思うんだけど。結局何が目的なのか未だにサッパリ見当も付いてないし、そう言われればなんか現実味が無いかも…………倒せるかな私達で?」


呆れた様子でルビーが口を挟んで来る。


「なぁに腑抜けてんのよ今更、どうせ向こうの出方なんて分からないんだから敵が居るなら倒す、罠があるなら突破する。それだけ考えてりゃいいのよ」


くっくっく、とマイが含み笑いを漏らした。


「まるでイノシシじゃない、それで一網打尽にされちゃったらどうするのよ?まぁ、貴方達が罠に引っ掛かる姿を見るのは愉しそうだけど♪」

「そうなっちまったら…………ダメだ、気合と根性でどうにかするしか思いつかねえ」

「でも結局、分からない事が多すぎるし、そうなっちゃうかもねぇ~」


 先頭を歩いていたメゾーレが不意に足を止めた。

気が付くと、一行は再びドアの前に立っていた。

特に装飾も手の込んだセキュリティも無さそうな、そこらへんの公共施設にでもありそうな面白味のないドア。

だがこのドアの先に待ち受けるものは、計り知れない。


「……着いたわ」


 それまで雑談していた四人が、ピタリと話すのを止めた。

メゾーレが静かにドアの取っ手に手を掛けた。


「じゃあ皆、気合と根性でなんとかするわよ?」


この冒険の終わりが、遂にその姿を現わそうとしていた。

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