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22話 殲滅戦

 翌日、ギルドに集まり作戦会議。


「ビーストバードが廃村を占拠して巣を作った。冒険者や町の住民、旅人を襲っているという報告が入ってな」

「またかよ。あの村更地にするしかないな」


 ビーストバード、2足歩行の鳥の見た目に、頭と足が獣という変わった魔物。嘴ではなく牙が生えている。我々でも1対1なら勝てるくらいの強さ。ちょっと早いかなと思ったが、それよりも強い魔物と戦っているしやらせようとの話になったようだ。


 群れで生活し、人里の近くに住んでいる場合は家畜や人間を襲う。今回はビーストバード達が廃村に住み着き、知らずに訪れた旅人や冒険者を襲っている。またかよ、というのは前にも占拠されたことがあったから。その時はもしかしたら村を使うかもということで廃村を残したままにしたが、もう更地にするから思いっきり暴れてもいいとのこと。そう来なくっちゃなとアンリ。


 今回の仕事はそのビーストバードの殲滅戦。繁殖力が高く爆発的に増え、成長速度も早い。村にいる個体は残さず倒しておきたい。狩り人気がないのも爆発的に増えてしまう要因なんだとか。肉は臭くて食用に向かず、皮も羽も使えない。しかも群れだから危険。


 村は大雑把に北側に山、西は崖、東と南に入り口という地形。作戦内容は、南の入り口をキャロン、シア、レミー、東をルフラと俺で逃げられないようにかため、飛べるアンリがディーナを連れて村の南東側に降り立ち、戦闘開始。戦闘の縛りは特になく、むしろ村を破壊しながらやってもらえると後が楽だと言われている。いつもより強い弾丸を大量に買込、決戦の日に備える。


 前日からビーストバードの巣の付近に移動。キャンプを張って一夜を過ごし翌日。巣になっている村へ向かう。予定通り3手に別れ行動する。東側入口付近まで移動。合図があるまで待つ。村の上空に2人の姿が。急降下し村の南東に落下。隕石が落ちたような衝撃、音。合図だ。2人とも頑丈だからってよくやるよ。


 走って村の東入り口まで移動。かなりの数のビーストバードがいる。アンリは早速暴れている。魔物と建物を破壊しながら徐々に北西に歩を進める。背中をディーナが固める。


 こちらにも魔物が襲ってくる。飛びかかってきた魔物に銃を撃つ。魔物の体は弾け飛び、足の先だけ残った。ルフラも次々と魔物を片付けていく。不意に、家の中から魔物が飛び出し襲いかかってきた。問題なく対応し銃で撃退。しかし後ろにも魔物がおり、飛び上がり俺を襲う。弾の再装填が間に合わない。こんなときは無理せず逃げの一手を。スライディングをしてかわそうとする。


 瞬間、如意銃の銃身が伸びが俺の頭上を通り、銃口が魔物の口の中にねじ込まれた。そのまま家の壁まで伸び、壁をも貫通、魔物は頭部を破壊され絶命。


「冷静で良い動きだ。助ける必要はなかったな」


 俺を褒めるルフラ。まあこの前助言をもらったばかりだしね。敵も怖い相手だから緊張感がある。話をしながら右手に持った銃で魔物を蹴散らす。前方に走りながら、如意銃で家の壁を斜めに破壊。家の上部が流れ落ちる。中に居た驚いている魔物を構わず倒す。俺のときもこんな感じで裏側から伸ばして戦ってたのかな。俺が入って以降、銃使い志望が2人来たがどちらも冒険者は諦めて一般人になったとか。


「そろそろ魔法自動装填の銃でも良いんじゃないか?」


 この世界にも弾を自動で装填してくれる銃はある。見た目と作りは似ている。こちらの自動装弾は魔法によって制御されている。今回みたいに敵の数が多いときは再装填が手動では間に合わない。今まで問題なく狩れていたのと、高いということもあり単発式の銃を使っていた。お金もあるし買い替えどきかな。


 ルフラは2丁拳銃をおすすめしてくる。再装填には少々時間がかかる。2丁拳銃なら右、左、右と連射するように撃てる。お金に余裕があれば2つ買おう。


 南側も順調に魔物を倒している。建物も豪快に破壊している。巨人族すげー。中央ではアンリが斧を振り回し大暴れ。後方から魔物が一気に現れディーナが苦戦をする。


「そっちにいっぱいいるな。どれ、入れ替えようか」


 尻尾をディーナの体に巻き付け、回転しながら飛び上がり位置を入れ替え多数の魔物を粉砕。あのディーナを軽々と持ち上げるのはすごいな。持ち上げたまま空まで飛べるとは。


 何度か入れ替えているうちに、奥から他の個体の2倍はあるビーストバードが現れる。希少種が群れの頭を張っていたんだな。奇声を上げながらアンリに突っ込む魔物。突進を余裕で受け止め、後方へ弾き飛ばす。噛みつき攻撃をカウンター気味に斧を振り、頭の半分をぶった切った。力の差がかなりあった。まあ、通常のビーストバードは低レベルでも余裕なくらいだからちょっと強いくらいでは勝てるわけないな。


 そのまま戦闘を続け、見事殲滅完了。しばらく待つと片付け役の人たちが廃村へ。キャロンが手続きをして、俺たちは帰ることに。


 銃ギルドで戦勝会を。皆美味しそうに酒を飲む。ギルド職員と一緒に戦ったのは初めてか。お酒が進む。そこへ優しそうな雰囲気を持った大男がギルドへ。斧を背負っている。斧使いかな。


「失礼する。俺は斧ギルド職員ジュオ。アンリ、ちょっといいかな」

「ちっ、しつけーな」


 アンリを連れて少し離れたところで話を始めた。メジュによると、たまにアンリを斧ギルドへ入れようと勧誘しにここへ来るのだとか。他ギルドまで来て勧誘とは、優しそうな顔とは裏腹に大胆なことをする。なにやらシアとキャロンが反応している。


(もしかしてあの人)

(可能性はあるね)

(やっぱり)


 あれだけの力を持っているからな、そりゃ欲しいよね。ジュオは冒険者としても有名だとか。2人の話が終わりこちらへ。


「お前の力を見せてやってくれ」

「構わないが」


 背中の斧を手に持つジュオ。どこからともなく耳をつんざく音が聞こえ始める。りんごを投げると、構えたジュオは切る行動はぜずそのままりんごを受ける。タイミングが悪かったのかな。その林檎をルフラに返す。挨拶をするとジュオは帰っていった。あれ? 試し切りをするのかと思っていたけど。


 ルフラはりんごの上部を掴む。持ち上げるとりんごは2つに分かれた。んー? マジック?


「速すぎて見えなかっただろう。強さは分からないが速さなら間違いなく斧使いとしては最速だ」


 あの一瞬で斬ったの!? まるで動きが見えなかった。斧が魔法の斧で速さにはその斧が関与しているとか。酒が不味くなるとアンリは不機嫌気味に酒を飲みだす。今回はPTの誘い、アンリは断ったようだ。


「悪い誘いではなかったのでは?」

「フン、背中を任せる相手なら自分で見つけるさ」


 自由にやりたいタイプなんだろうな。まあ何にせよ彼女の考えを尊重するべきだ。無理矢理は良くない。その後また賑やかに飲み食いし、宴を終える。翌日は休暇にしてその次の日、武器防具をそろそろ新調しようということで皆と買い物へ。


 武器を売っている店へ。魔法自動装填の銃が多数置いてある。やはり高いな。一番安い6発入れ替え可能の銃をとりあえず1つ購入。全員の武器と防具も見ないといけないからな。弾は今使ってるやつでいいな。剣を置いてあるところへ。現在銅の剣、これを鉄の剣に。レミーはそのまま。ディーナの銅の槍を鉄の槍に。


 防具屋へ行き品物を見る。防具もそれぞれ1ランク上の物を購入。お金に余裕があるな、武器屋へ戻って銃を買う。これで2丁拳銃だ。シアが剣を見ている。魔剣か。どれどれ、いちじゅうひゃく……、高いな。まだ無理です。シアに目配せをして武器屋を後にした。


 戦闘で試してみる。楽でいい。弾の入れ替えは正直面倒だった。単発式にはもう戻れないな。しばらく使ったが装填失敗はなかった。そこも評価できるところ。いざという時に弾が装填されてないのでは使えない。ゲームや映画程度の知識しかないけどいわゆるジャムりが心配だったが問題なさそうだな。薬莢がないからやりやすいのか。


 戦闘の方は基本は銃1つで良さそうだ。仲間も攻撃するしね。撃ちまくると弾代がかかる。一発一発は高くないが塵積だ。今まで通りの戦い方でいざという時に2丁だな。


 硬く感じたニードルシードだったが、武器を新調してとても楽に倒せるように。

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