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21話 斧使い

 転がりながらこちらに突っ込んでくる。攻撃方法は実にシンプル、体当たり。鋭いトゲが刺されば大怪我間違いなし。ディーナが盾で弾き、他3人が攻撃を仕掛ける。硬めではあるがいつも通りで行けるな。特に問題なく魔物を倒した。証拠品は1本だけある青いトゲ。このトゲを根本から折ると、中を割りやすくなる。中には丸い殻付きの実が。栗と同じように食すのだとか。不思議な生き物だな。


 今度は動く木の魔物と遭遇。フィアーツリー、恐ろしいものを見たような顔をしているからそう呼ばれている。特に危険な攻撃はなし。フィアーツリーの木材は、燻製のチップ用として売れる。好みはわかれるが独特の味わいがある。苦戦せずに撃破。


「ヴィー」


 一鳴きし、こちらに襲いかかってくる魔物。虫の魔物のウッドビー。蜂をそのまま大きくした魔物だ。森の中を自由に飛び回りながら攻撃をしてくる。ディーナがシールドアタック。魔物は羽ばたき足を使って飛び退きノーダメージ。器用なことをする。厄介な相手だな。おっと、地上にいて止まっている今がチャンス。銃を撃つと命中、たまらず飛ぶ魔物。飛んでいると狙いづらいな。ある意味練習になる。


 頭上高く飛び上がると、お尻をシアに向けて急下降、襲いかかる。トルネードパリィを針攻撃に合わせ、敵の攻撃を受け流し地上に落とす。ここを逃さずクロススリーパーを首に叩きつける。魔物は動かなくなった。入手できるものは経験値だけと強さの割にはおいしくない魔物。しかし他2匹は稼げるのでこのくらいなら美味しい狩り場ではある。ハチは滅多に出ないしね。


 数匹狩った後、色違いのニードルシードが転がってきた。通常は黒、こいつは銀色。非常に目立つ色だ。


「始めて見た、希少種ってやつ?」


 希少種は滅多に現れない魔物。どの魔物でも出現する可能性はある。魔物によっては形状、攻撃方法も大きく変わる場合がある。今回は勉強してすでにやつの動きはわかっている。突進以外に、棘飛ばしがある。皆すぐにディーナの後ろに隠れる。銀色のトゲを飛ばしてきた。盾で受ける。


 このままでは攻撃はし辛い。かと言って横にずれるとトゲが飛んでくる。思ったよりも面倒な相手だ。ふむ、跳弾の出番だな。ラインを確認する。おお、跳ね返りまくるな。障害物が多数ある場所なら強力だ。森の中は跳弾と相性がいいね。


 弾丸を発射。地面に当たって跳ね返り今度は木の幹、枝と跳ね返り、最終的にニードルシードの後ろ側に命中。何故攻撃が後ろからと驚き怯む魔物、すかさずシアが斬りかかり、レミーが戦棍を叩きつけ勝利。中身は銀色の栗、果肉も銀色。ただ味は同じ。売値までは本に書いてなかったな、後で売ってみよう。


 狩りを終え、街に帰る。銀色の栗の値段はなんと通常の10倍。見た目が派手だから貴族や金持ちの商人が好んで買うのだとか。良い臨時収入だった。


 栗を皆地一緒に食べたくて銃ギルドへ。途中屋台で食べ物を購入していく。どちらかというとデザートだからな。受付に前に腕相撲で見た赤髪の女性が居た。腕相撲の時、彼女を見たのは俺だけだっけ。あの人だよとレミーに言う。皆腕相撲の話は聞いていたからこの人かと驚く。ルフラと楽しそうに会話をしている。知り合いかな。こちらに気がつくと2人が受付から出てくる。


「丁度いい、皆いるな。紹介しよう。赤狼のアンリだ」

「アンリだ。よろしくな」


 赤竜人族の女性。赤竜人族はとてつもない力を持っているとか。しかも飛べる、尻尾も腕や足のように使える。いや、そんなことより、彼女は斧使いじゃないのか。主力として使ってそうな立派な斧を持っている。いや、レミーのように斧を使っているだけか。


 だが彼女は俺は斧使いだと言い放つ。ますます混乱する。困惑する我々を見て喜んでいる。


「レアスキルが銃使いなんだよ」


 へーそんな事があるのかと一同驚く。レアスキルで他クラスを持っているのは世界でも彼女だけらしい。ただ、レアスキルは隠す傾向があるから、他に持っている人はいるかもとのこと。


 当時レアスキルが銃使いと知ったときはがっかりしたそうだ。だけどステアップがあるから意外と使えることに気がついたとか。2つあるということでどちらに所属するか迷ったが、面白そうということでこちらに決めたそうだ。見た目と違わず破天荒な人だな。


「はっはっは、こんなかわいいお嬢ちゃんだったとは。まあ腕を見て薄々気がついていたけどさ。それにベヒモス人族とPTか。いやあ、ますます面白くなってきたな」


 豪快に笑うアンリ。


「これで四銃琅全員揃ったな」

「いや、五銃琅だ。それにまだ1人来ていない」

「ああ、そうだったな」


 急に俺が入ってきたからな、混乱するよね。ルフラが仕事を頼みたいと話を持ちかけてきた。皆大丈夫と返事、了承する。明日作戦会議をすると告げると街へ向かっていった。俺もとアンリも街へ。

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