【64】Psycho Jack-1
◇Psycho Jack 11/9 23:05
こんばんは
ポルカドット611さん起きてますか?
◆ポルカドット611 11/9 23:06
起きてるよー。どしたの?
◇Psycho Jack 11/9 23:11
オレ両親を殺しちゃったんです。
◆ポルカドット611 11/9 23:11
マジで?そうなんだ。いつ?
お前は大丈夫かい?
◇Psycho Jack 11/9 23:24
オレ両親を殺した時に何か興奮して嬉しくて。
それって変かな?
◆ポルカドット611 11/9 23:24
変じゃないよ。普通の事さ。
僕は君の味方だよ。
◇Psycho Jack 11/9 11:36
こんな悪い事をしてしまったオレなんて死んだ方が良いのかな?って考えていたんだ。
◆ポルカドット611 11/9 11:37
そんなこと思ったらダメだ。
死ぬぐらいなら。殺してでも生きた方が良い。
どうせいつかは死ぬんだ。人生何て楽しくやったもん勝ちだよ。
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11月10日
朝も寒くなり、僕は布団から出ると寒くて布団へ戻った。布団の中ではマリアが温かい。
(湯タンポの様だ。)
と思いながらも
(何でこんな寒いのにコイツは下着姿で寝るのだ?)
そんな事を考えながら、僕は2度寝をした。そして気付けば8時になっていたので、身仕度を済ませると水谷探偵事務所へと出勤した。
最近は零士と一緒に浮気調査や迷い猫の捜索や雑用代行をしていた。次第に僕と零士は連携も上手く行くようになり。水谷も僕達を信用して仕事を任せてくれている様であった。そして零士も僕の事を信用してくれて、水谷を殺そうとしていた事や。ポルカドット611とのやり取りの事なんかを話してくれるようになり。僕には仲間が増えた充実感が有った。
事務所へ着くと水谷は煙草を吸いながら、ボンヤリとテレビを見ていた。そして
「ポルカドット611はそれにしても静かですね。冨永零士君。あれからポルカドット611からは連絡は有りましたか?」
「いえ。俺はもうポルカドット611とは関わらない様にしてます。何かあの人と会話していると変な気分になるんです。何か体の中が熱くなる様な。そして何をやっても良いんだ。って気持ちに。」
「そうですか。命を狙われないので何よりです。」
僕はそんな二人のやり取りを横に、自分の分のコーヒーを淹れてソファーに座った。そして水谷は、僕と零士に今回の依頼を説明し。僕と零士はS区へ新発売のスマートフォンを買う列に並ぶ依頼に向かった。
一見並ぶだけの楽な依頼に思えたがこの仕事は寒くなってきた11月に。動けずにただ待つと言うことは、なかなかの辛い仕事であった。零士と僕はトイレや食事の度に交代で並び。最初はスマートフォンでゲームをしたり。記事を読んだりとして時間を潰していたが。そのうち見る物も無くなり、充電も無くなりとで段々退屈になってきた。
自分の欲しい物の為に並ぶので有れば、後の楽しみの為に頑張れるのであるが。誰か判らない他人の為に並ぶのは、ただ退屈で、ただ足が痛いだけであった。僕は交代の際に零士にスマートフォンの充電をお願いして、次の交代だけを楽しみに待ちわびた。
そして1時間後に零士は、充電が満タンになったスマートフォンを持ってきて
「兄弟子。交代はまだ先ですけど、気になるニュースが有ったんで持って来たよ。」
そう言われて、僕はスマートフォンでニュース記事に目を向けると。このS区でバラバラの遺体が見付かり、そこに手紙が残されていた。とのニュースであった。
「ね。ヤバイっしょ? 」
「しかも、子供の遺体だなんて何て奴だよ。ゲーム気取りで人の命を奪って『Psycho Jack』だなんて気取った名前を名乗って。」
僕と零士はこのニュース記事が自分達に関わってくるとは、この時に知るよしもなかった。




