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ようねんじだい
墓民に捧げる。
この幼年時代の出来事を、高校生になった「僕」は、忘れている……。(作者より)
ぼくが公園でおはぎをたべてると、あくまがきて、言った。
「かけをしない?」
「かけ?」とぼくは言った。「いいよ」
「もし、おれがかったら、ぼうやのたましいはもらうよ」
「ぼくがかったら?」
「おはぎ好きかい?」
と、あくまはぼくのおはぎをチラとみて、言った。
「うん」
「おはぎをたくさんあげる」
「いいね。それで、どんなことをするの?」
「いいかい。よくきくんだよ」とあくまが言った。「こうするんだ……」
あくまのせつめいがはじまる……。