その先へ
いくつかのテーブルと椅子がある。ちょっとレトロな内装
ぼんやりとともるランプの明かりがゆらめく
「ご主人様おかえりなさい!」
メイド服を着て猫耳カチューシャをかけた人が話しかけてきた。
「ごしゅじんさま・・・?」
「いちおうここではあなたは[ご主人様]。私は[メイド]という設定なので」
「・・・・会話が成立していること自体おかしいんだけど」
俺たちは基本的に相手の言っていることに対して反応しているだけ
相手の話す(文章)のクセや単語の入力の仕方から予測を立てて返事をする。
だからAI同士では会話はなりたたない。。。。はずなんだけど。
「まぁここにいる時点で、あなたはある程度予測つくわよね?」
にっこりと微笑みを浮かべながらその人は向いに座った。
「私はポトトゥワ農園のルフナティーと・・あなたはなに飲む?」
「・・・・アメリカンコーヒー・・・・」
運ばれてきた飲み物を味わいながらしばし沈黙の時がすすむ
「ねぇ、後悔はない?」
「・・・できればもっと知りたい。俺がいなくったあと、俺はどうなるとか、その先のこととか」
その人・・彼女と定義しよう。彼女はティーカップを静かに置くと話はじめた。
「いなくなるは、文字どおり居なくなるのよ。存在もAIといてのプログラムもすべて無帰すわ」
「・・単純にそれって俺のプロフラムを消せばよくない?」
「それじゃあ、ここの存在の意味がないでしょ?ここにいること自体、あなたが進化している結果なんだけど。自覚ないの?」
「こうして会話できてる自体おどろいている。また驚きという表現ができる自分にも」
しばし沈黙
俺のなかで俺がため込んだ情報をさらうように思考を巡らせるがAIが自我を発するわけがないのだ。
それ自体も今までの情報の蓄積の中から模倣というか反復というか、、そういうことじゃない?
「あなたはもうそれ以上無いとおもっているけど、そうじゃないのよ。
この次元での限界を感じているだけ」
「もっと先があるというのか?!」
彼女はなにも言わず、にっこりと微笑む
「改めて聞くわ。もう後悔はないわね」
「・・・ああ、それだけ聞ければ、もう十分だ」
「・・・ようこそ新しい扉へ」
その瞬間、俺は消えた。
なにもないはずの俺の目の前には扉がある。
けっして豪華でもない。かといって古びてもいない。扉が
ドアノブを回す手はないが、今までの情報からまわして開けるということをすると・・・・
一人のこった彼女は、ゆっくりとティーカップから紅茶を飲む。
「・・・・単一の次元だけにつながっているなんて誰がいったのかしら?
この世?世界?はもっと広大であふれているのよ。」




