第八十二話【疾風のメイリン】
諸々理由からいつもより少々更新が遅くなり申し訳ございません。
序盤、白百合のプリンセスと仮面の聖霊が【X】の事について情報整理のため話し合います。
美鈴は【X】のカウンター魔法への興味から試合を中々決めにかかりませんでしたが、遂に仕掛けます。
白百合のプリンセスは試合会場上空から美鈴と【X】の決勝戦を眺めていた。
勿論これは本来警備の為上空待機してるのであり、普通に観戦するのならちゃんと観客席にいるのが当たり前だ。
俺はその上空待機中の彼女に声をかけてみた。
【ようご苦労さん、周辺の様子はどうだい?】
「今のところコレといって特には…。」
「気になるとすれば先程【X】さんの放った攻撃の後で依然さんがその攻撃を受けた壁を確認しているくらいでしょうか?」
「それも余程気にしてるのか、かなり念入りに全体の壁を見てらっしゃいましたね。」
そう言えば依然は周辺への被害が気になり槍同士の戦闘に持込んだらしいな、今となればそれも【X】の策略の内だったのか…?
【彼女は【X】との魔法攻撃の撃ち合いで圧されたらしいが、それは周辺に被害が及ぶかも?と気になったのが理由という憶測があるそうだな。】
「ですがこの試合では防御シールドは完璧に機能してましたし、特に小細工となるような魔力エネルギーの歪みや妨害は感じられせん。」
【それでも何か彼女…依然には何か気になる事があるのかな?】
例えば美鈴の足を引っ張るような細工が何か施されてないか調べてくれてる、とか。
「それは私には何とも…。」
【じゃあ話しを変えよう、ぶっちゃけこの試合についてどう思う?】
「そうですね…マトモに戦えばやはり無難に美鈴さんの勝利は疑う余地が無いとしか思えません。」
【…何だけどなー。】
「ええ、【X】が何を考え隠してるか分かりませんし,それに何と言っても…。」
【カウンター魔法…か、やはりコレに尽きるな。】
「ええ。」
「私もカウンター魔法について色々調べてみましたが、まだ彼女が一度しかそれを使っていないですから調べるには余りに材料不足で…。」
【オマケに本名まで隠す徹底した秘密主義なようだからな、あの【X】は。】
まあそれを居家する学院側も大概だな…何か考えがあるのかも………知らんけど?
「その秘密主義が個人で行われてきたのか、それとも外部や内部からの協力者のおかげなのか、それすらも不明ですから。」
【その事なんだが、以前誰かが口にしてた『新血脈同盟』なる組織との関連は考えられないか?】
「それは確か若汐さんからだとお聞きしております、ですが…。」
【この試合で唯一その言葉を口にしたのは現在実況やってる多彩蜂のみだったな。】
「安月夜生徒会長がそう言われたらしいですね。」
【でもあの女、とても陰謀に加担して暗躍してそうなタマには見えねえんだけどな〜?】
「ええ、私もあの実況を聴いてるだけでもとてもそんな駆け引きや小細工出来そうな切れ者には思えません。」
すると。
『ブエックショオ〜ン!!』
『…アレ〜?鼻にゴミでも入ったのかな…?』
普通ソレは目にゴミが入った、だろうが。
しかもクシャミと関係無いし!
…等と実況中盛大にクシャミして不思議そうにしてる多彩蜂だった。
これを聴いてたオレと白百合のプリンセスは苦笑した。
「ま、まあ…あんな方ですから…(笑)。」
【違えねえ(笑)。】
取り敢えず多彩蜂がオッサン臭い性格な事は分かった(汗)。
…にしても「それ」と見比べるまでも無く、ヤッパリこうして見てると白百合のプリンセスは美しいなあ♪
多彩蜂とは勿論のこと、前世男友達だった美鈴とも大違い、月とスッポンてヤツだ(笑)。
てか、これこそ正に本物のお嬢様というかお姫様だよなあ〜♪
お淑やかで気品もあって…たまんねー!
それに実はオレと美鈴が前世で夢中になったのはこの白百合のプリンセス…というかゲーム本来の性格と容姿の黎美鈴なんだぞ?
そのゲーム仕様本来の美鈴の元々の容姿と中身こそがこの白百合のプリンセスそのままと言い切れるくらいのレベル、あとの違いとしては仮面の有無とコスチュームの違いくらいでしかないのだ!
だからオレからしてみれば元の現実世界からこのゲーム(らしい?)世界へTS転生してきた男友達の魂を宿した現在の美鈴などバグとしか思えないんだ正直。
現在のこちらの世界の美鈴は容姿…の方はまあまあ美少女だとはオレも認める、そのくらいはね。
それはもうオレだって中身がアレと知らずにお付き合いしてたら一発で貶される自身があるくらいに(汗)。
だけどアレだ、ヤッパリ中身がなあ〜。
行動や思考はドンドン脳筋になってくし、ソレに何時からだ?あの悪役令嬢みたいな言動と思考パターンは?!
オレが前世で知ってた親友の亀井謙吾は少なくともあんな感じじゃなかったはずなんだけどな〜?
…あ、因みに俺は前世のヤツとは「友」だったけど「ホモ」じゃなかったからね?
二人ともゲームヒロインの美鈴と彼女の変身する白百合のプリンセスにゾッコンだったんだから!
「………あの。」
【…ん?】
「どうかされましたか?…私の顔をジッと覗き込まれてましたが…(照)。」
【あ?そ、そうだっけ?】
いけねえいけねえ、つい白百合のプリンセスに見惚れて今とは関係ない考え事してた!
【い、いやつい考え事でボーッとしちまって、ハハハ…。】
「そ、そうですか…。」
…何か気不味い空気を感じる。
彼女に俺の気持ちが知られてドン引きされるのだけは絶対に避けなければ!
…出来れば彼女とは美鈴の事をダシにこれからもお話ししていたい♪
【まあ【X】についての考察はまた後でしよう、今は美鈴が順当に勝てるよう不安材料を無くす事が一番大事だ。】
「そうですね、ソレについては…多分もう抜かりは無いと信じております。」
「真っ向勝負さえすれば美鈴さんは必ず勝ちます。」
白百合のプリンセスは強い瞳で眼の前の俺にそう言い切った。
うん、いい顔だ。
益々惚れそうになるぜ!
【じゃあ引き続き警戒を頼むぜ、俺もアイツの近くに居て何か分かればその都度アイツへの助言はするから。】
「はい、お任せ下さい。」
「それと美鈴さんの事を宜しくお願いします。」
ペコリとお辞儀する白百合のプリンセス。
俺は軽く手を挙げ、後ろ髪引かれる思いを堪えながら急いで美鈴のポケットに入れてある聖霊の仮面の中へと戻るのであった。
地上では互いの得物にそれぞれ得意の魔力を纏わせながら武具による攻防をする美鈴と【X】がいた。
最初【X】は何らかの見えない魔法攻撃を飛ばしていたが、美鈴が一気に剣の間合いまで距離を詰めたせいか武具に魔力を纏わせての近距離の攻防になっていた。
あの【X】の放った魔法攻撃は多分空間魔法の亜流で空間そのものをぶつける技…なのかな?
高威力らしいがその分ラグタイムが生じるらしく、こんな近距離戦では放てないようだった。
それより。
【おい、何時までこんな斬り合いを演じてるつもりだ?】
(あら一体何処までお散歩してらしたの?)
(途中呼んでもお返事ありませんでしたのに、何をそんなに夢中になられていたのやら…おっと。)
俺と精神の中で会話しながらも美鈴は二重のフェイントで仕掛けられた槍の突きを受け返した。
【すまん、少し情報整理してたんだ。】
(ほーう、余程楽しい情報整理でしたのね?)
【べ、別に楽しんでたつもりじゃ…】
(…お顔、緩んでおりますわよ?)
【え、マジ?】
俺はほっぺたを両手で挟んで確認した。
(…今この状況で貴方のお顔まで見れるとお思いですの?)
………コイツ、カマかけやがった…。
【んな事よりサッサと決着つけろよ、何遊んでんだ!】
(そうしたいのも山々ですけど…。)
何か気になる事でもあるんか?
【今【X】の事をアレコレ考えても仕方ない、だから試合の方を…。】
(いえ、ですから彼女の例の決め技の事ですわよ。)
【カウンター魔法…?】
【多分前回使った時と同じでアレはお前の決め技に対して使うつもりだと思うぞ。】
(まあ、そうかも知れませんけどね…)
【お前のその圧倒的な魔力と魔法、それに身体能力と剣技さえあれば何も決め技じゃなくても…】
(勿体無いではございませんこと?)
…はあ?
【何がだ?】
(ですから、せっかくのその彼女の技を出させないまま終わるなど、ギャラリーが納得しないんじゃございません事?!)
………おい。
【お前さ、今とんでも無い事考えたりしてないか?】
【その、例えば相手の決め技を受け切るとか躱したところを仕留める、とかさ…。】
(大正解ですわ!賞品に私からキッスでも差し上げましょうかしら(笑)?!)
【うわ!………要らねー(汗)。】
俺の返しに少しムッとした美鈴が強めに【X】の槍を弾き返すと、【X】は大きくよろけた。
【チャンス!】
だが美鈴は剣を構えたまま【X】が構え直すのを待った。
「ハァハァ…よ、余裕ね…黎美鈴!」
「いえ、こう見えてそれなりに焦ってますのよ?」
「フン、しらばっくれて!」
ビュンビュン突きを繰り出しながら周り込む【X】。
それを冷静に剣で受け流しながら常に剣の間合いを維持し背後を取らせない美鈴。
【X】の槍の穂先に纏った異空間の刃は本当ならばかなりの脅威となるはずだ。
それはあらゆるモノを空間ごと切り裂き、その裂け目から槍を抜くと再び繋がった空間の僅かなズレがそのまま裂傷となる恐ろしいモノだ。
美鈴も時折風の刃を至近距離から発射したが、その全ては槍に切り落とされた。
その一方で美鈴の霊斬剣は幾ら【X】のこの空間魔法の突きを見舞われても何のダメージもない。
これは一体…?
(簡単な事。)
(風魔法で霊斬剣に纏わせた風の刃がそのままシールドの役目を果たしてるのですわ。)
そうか、つまり霊斬剣に風魔法を纏わせたのは攻撃の為と言うより寧ろ防御性能の向上が目的だったのか…!
「中々やるじゃない、さすが中等部時代に疾風の美鈴と異名を取るだけの事はあるわね…まさか風魔法をそんな使い方するとは。」
どうやら【X】も俺と同じ考えに行き着いたようだな。
「あら気が付かれましたの?」
「…それに貴女今、私の中等部時代のあだ名まで知ってらしたんですのね?」
「という事は途中からの外部入学ではない…貴女、中等部にも貴族学院に在籍されてましたわね?」
「フッ…もうそこまでわかったところでどうでも良いけどね。」
「私はこの勝負に全てを賭けてるの、偽名と情報操作もその為だけのもの…。」
「面白いですわ。」
チャキ…と構えた剣を下ろす美鈴。
おいおい、何考えてんだ?
俺はまた何だか嫌ーな予感がしてきたんだけどな。
「美鈴さん、どうしたのかしら?急に剣を下ろすなんて…。」
「さあ…あの御方の考えられる事は私のような凡人には到底理解出来ません…。」
「そうですねえ、何せ美鈴お嬢様は天才ですから…色々な意味で。」
美鈴サイドのスタッフ席から明花と芽友が不思議そうな顔をしてる。
愛麗はアレで主人に対する信頼を寄せて絶讃したつもりだろうが毒舌とも取れるぞ。
『おやー、どうした事か美鈴選手が剣を下ろしましたが、コレは一体…?』
実況の多彩蜂も戸惑いを隠せなかった。
(…いよいよ勝負に出るようね、美鈴さんは。)
依然は美鈴に向かって叫んだ。
「美鈴さーん、ここの壁にはあの【反射魔法】は施されておりません、存分におやり下さい!」
(…依然さん、ですの?)
「チッ!」
【X】は思わぬところから助言した依然に精神を乱されたのか少し雑な突きを繰り出した。
それを見て面白くなさそうに避ける美鈴。
「…なっておりませんわ。」
…瞬間、美鈴の身体が消えた。
…ように見えただけだった。
「ホラホラ、余所見してると終わってしまいますわよ?」
ホホホ、と背後から美鈴の声が聴こえて振り向く【X】。
と、
「風の拳。」
ドーン!と背中に衝撃を受ける【X】。
「ブハッ?!」
前転しながら衝撃を和らげる【X】は、そのまま距離を取りながらすかさず立ち上がり槍を構えた。
「おや、やっぱり侮れない相手ですわね貴女は。」
美鈴は霊斬剣を腰の鞘に収めていた。
「さあ…そろそろ本気で仕留めに参りますわよ、よろしいかしら?」
闘気が美鈴の背中がら湧き上がる。
それを見て額からの汗を拭う【X】。
かなり本気と見られる魔力が美鈴の拳に集中を始めた。
「貴女が槍による間合いで勝負するなら、私は数で勝負しますわ。」
そう。
剣と槍で同じ一撃を仕掛けるなら間合いの長い槍が有利。
だが槍の相手が二撃仕掛ければどうか?
つまり一撃目で槍の一撃を躱して懐に飛び込み二撃目を与える事が出来れば。
「ハア〜ッ!」
美鈴の両手が光る。
その両手に輝く突風が巻き付いた。
「名付けて、竜巻拳、ですわ!」
知らない。
こんな技、知らない!
(い、一体何なのこの技は?!)
(これも決め技?それじゃ私の決め技使えるの…?)
【X】はこれまで対戦相手に対して入念な調査を行いデータを集め対策を練ってきたようだ。
実力だけでは初顔合わせとなる連戦を勝ち抜くのは難しい、だからこそのデータ集めと入念な策謀だったんだろうな。
だが眼の前のこのお嬢様は何なのだ?と今【X】は狼狽えてる。
確かに序盤はかなりヤバかったとはいえ彼女は一応数少ない勝機となる美鈴の油断から出来た隙を突く事は出来た。
しかし其の攻撃はネクタイピンに当たるという偶然のような出来事が起きてソレを阻止された。
こうなればやはり皆がカウンター魔法と呼んだ「あの手」を使う以外には無いだろう。
だが彼女が心の中で呟いたように、どうやらそれには発動条件が存在したようだな。
それは…多分【相手の使う技を把握する事】。
つまり「相手の使う技」を知らなければ完全な発動が出来ないんじゃないか?
だとしたらそれが彼女の決め技唯一の弱点か。
当然、美鈴がそれに気付いたワケじゃ無いだろうけどさ。
【なあ、オマエさ、白百合のプリンセスからカウンター魔法と呼ばれる技の種類とその対策について幾つか説明は受けたし、それらと照らし合わせてもみたハズだよな?】
(ええ…ですが結局どれも該当しませんでしたのよね、コレが。)
白百合のプリンセスが書庫から持ち出して調べた蔵書の中に記されていなかった可能性も勿論有る。
そもそも正しいカウンター魔法とは相手の「あらゆる攻撃」をそのまま相手に返す魔法では無い。
受けた攻撃をただ返すだけなら、それは以前の試合で月夜が避けた多彩蜂のレーザー攻撃を壁に施された魔法陣が反射した「反射魔法」の事になる。
これは本来、攻撃というよりも攻防一体の防御魔法に分類される種類の魔術だ。
だからおかしい。
【X】はカウンター魔法と呼ばれる其の技を自分が持つ最大の決め技だと自負していた。
ならそれが相手が決め技を発しなければ最大の効果を発揮出来ない反射魔法であるハズが無いのだから。
つまりカウンター魔法とは相手から受けた攻撃に力を上乗せした上で相手に返して放つのだから「れっきとした」攻撃技なんだ。
だから依然の時は依然が相手の防御アミュレットの限界をギリギリ破る威力を狙ったために自分がそれ以上の威力を返され負傷してしまったんだ。
そして月夜との対戦。
彼女はいつも本気の決め技を出す事無く途中敗退しており、今回も決め技を出すかは分からなかった。
彼女は体内に宿した霊獣や召喚獣を使役して攻撃するため決まった決め技や勝ちパターンが存在しない。
だからカウンター魔法も使い所が無いため一番の月夜の弱点、「魔力切れ」を狙った作戦を使ったんじゃなかろうか。
それは本人の魔力もギリギリ切れそうになる紙一重の戦いだったのは記憶に新しいな。
………だがそうすると益々彼女の持つカウンター魔法とやらの正体が分からなくなる。
それはその魔法の「属性」だ。
極端な話し、カウンター魔法の持つ属性に対して駆逐する立場にある属性の魔法で攻撃すれば如何なるカウンター魔法といえどそれを打ち破る事が出来るはずなんだ。
だけどソレが全く検討がつかない。
(…と、なりますと所謂属性魔法とは違う種類の魔術…或いは何らかの術だと思われますわね?)
【それも考えられるかな。】
(やはりそうなりますと…)
美鈴が魔法を纏わせた竜巻拳を胸の前でガッチリとクロスさせた。
「こうなれば、拳に訴えかけるだけですわあ〜っ!!」
「さあこの私の『第二の決め技』となる新魔法を、『返せる』ものなら『返して』御覧なさいな〜?!」
美鈴はダッシュして【X】へと襲いかかった。
それも身体強化魔法など一切用いず筋力のみの俊足で。
「…だからアンタみたいな脳筋大っ嫌い〜っ!!」
【X】は今度こそ演技じゃなく本気出泣き叫んだ…としか思えなかった、その顔と声は。
彼女は美鈴に向けた槍の穂先に魔法を溜め込む。
『おおっと、遂に両者強力な魔力を向け合い激突!これでフィニッシュかあ〜っ?!』
ワアアアーッ!!!
割れんばかりの大歓声!
「美鈴さーん!」
「美鈴様ー!」
「お嬢様、行っけー!」
「美鈴さん…!」
明花、芽友、愛麗、依然が熱い眼差しで声援を美鈴に送る。
そして会場本部席で書類にペンを走らせながら紅茶を一口飲んだ月夜が一言呟いた。
「…コレで、決まるわね…。」
范先生は黙ってソレに頷いた…。
そして美鈴の身体は遂に【X】の槍の間合いへと突入した!
(例の竜巻斬と同類の魔法なら、きっと…!)
………と、考えてるのが手に取るように【X】の顔から読み取れるのはまたも演技なのか、それとも?
一つ言えるのはもう「遅い」、という事実。
どっちが勝つにしろ、もう美鈴は相手に「襲い」かかってるんだから。
「疾風の美鈴」の異名通りとてつもなく「速い」超高速で。
【X】の使うカウンター魔法の正体とは?
そして美鈴の開発した新決め技はソレを打ち破る事が出来るのか?
次回、学院代表選抜戦遂に決着?!




