雪町ケン(ゆきまち けん) ‐挿絵あり‐
[性別]男
[年齢]二三歳
[身長]一七八センチメートル
[人種]ヘレティック(先天発現型)
[出生]組織マリアナ本部基地
[所属]組織(仮名ネイムレス)、作戦部第一実行部隊(チーム〈LUSH〉)
[コードネーム]LUSH-2(サブリーダー)
[初登場]第一章【記憶の放浪者 -Memories Wanderer-】
[概要]誠の上司
コーカソイド系の白い肌、銀髪のウルフカット、つり上がった三白眼、高い鼻とやや大きな耳が特徴の青年。
組織の亡き英雄――雪町セイギの息子で、同じくヘレティックだった母との間に産まれた純粋なヘレティックのサラブレッド。ヘレティック同士からでさえヘレティックが産まれてくる可能性は限りなく低いとされており、極めて希少な存在。
覚醒因子の先天的発現により、産まれつき聴力と嗅覚が鋭敏なため、極めて神経質な性格にならざるを得なかった。常に眉間にシワを寄せ、不機嫌な態度で、また口調と態度の悪さから周囲からの好感度は高いとは言えない。ただその容姿から女性人気は思いのほか高い。しかし彼自身は女性の甲高い声が苦手であり、嫌煙している節がある。
センスとは関係なく、あらゆる身体能力が非凡であり、組織の戦闘員としては名実ともにトップクラス。酒顛ドウジをして、「天才」、「「新たなる人類の先駆者」と評されるほど、ヘレティックとして、ひいては生物としての完成度が高い。
誠が《韋駄天》を発現した際には、自身にその才覚が目覚めなかったことへの嫉妬から、彼へ異常なまでに高圧的な態度を向ける。しかし誠が組織の存在に理解を示し、ヘレティックとしての自覚を持つようになると、父セイギの遺品〈エッジレス〉を彼に託す。
産まれて間もなく死亡したセイギに代わり、当時まだ一四歳だった酒顛に育てられた。彼のことは非番時には「オッサン」、戦闘時には「リーダー」と呼び、公私混同を避けながらも親しみをもって接している。
エリ・シーグル・アタミとはよく痴話喧嘩を繰り広げる。その様子は時折、夫婦漫才と冷やかされる。彼女への感情は明確ではないが、好意がある様子は見受けられる。
一人称は「俺」、二人称は主に「テメー」
[センス]超聴覚、超嗅覚
読んで字の如し、人間の耳では到底聞き取れない音を聞き、嗅ぎ取れないニオイを嗅ぐことができるセンス。いずれもヘレティックとしては凡庸で、多くのヘレティックが発現している。主に作戦遂行中のサポートに利用される。
発現者の個人差によるが、多くが猫並みの聴覚、犬並みの嗅覚を獲得しており、ケンは中でも上位にあり、聴力は五〇〇ヘルツ以下の低周波から一〇万ヘルツまで。
これらを制御するために、多くの発現者が音やニオイの調節器を耳や鼻にインプラントされている。ケンは清芽ミノルに施術を受けている。
ケンの場合、《超聴覚》においては近接格闘中に発動することで、敵の筋肉から発する微量な音を聞き取り、行動を予測するような使い方をしている。
また第三章では、ヘレティックの覚醒因子から発されていると思しき特有のニオイを判別することができるようになっている。
ケンのように二つのセンスが発現するヘレティックは珍しい。
[武器]なし
近接格闘術を十八番と称している。様々な格闘技を習得しており、オリジナルの技能を考案している。足技が得意で、連続して回し蹴りを繰り出す大技〈飆風〉などがある。
筋肉トレーニングが趣味のようで、暇があれば何かしらの筋トレ器具に触れている。誠曰く、「筋トレ馬鹿」