冒険者
ゆっくりと空中から降りた後、
「あれ?ルーは?」
?あぁ、一緒に付いてきていたあの男か。イベルのインパクトが強くて、忘れそうになっていた。
「ここだよ」
!?ルーと呼ばれる男は我の後ろにいた。
「イベル、ボスが逃げてたよ。ちゃんとやらなくちゃ。」
「えっ、ホントに!ありがとー」
「気をつけてね。」
すると、男はこっちを向いて話す。
「久しぶりだね。勇者くん。魔獣の大掃討の時だったかな?」
「あぁ、そうだったと思う。」
もちろん、そんなの知らない。
「話したいことも聞きたいこともいっぱいあるけど、一旦帰ろうか。」
「そうだな。」
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勇者の話によると、彼の名前はルートというらしい。関係性的には友達だそうだ。イベルとの関係性も友達らしく、たまに会ったときに一緒に冒険者ギルドの依頼をこなしたりしていたそうだ。正直、勇者に友達がいたのが一番の驚きだが。
「かんぱーい!」
もう夜も明け、早朝と言っていい頃に
我、ルート、イベルは一緒に冒険者ギルドで食事をしていた。
今、普通だったら、死んでいたであろう死地に送り込まれた冒険者は冒険者ギルドに抗議をしていて、我たち以外人っ子一人いない。
「いやー、本当に勇者ちゃん死んでなくてよかったよーーー」
ん?あのピリカという組織は勇者のことを待ち伏せしていて、死んでいるとは微塵も思ってないようだったような。
「俺は死んだと思われてたのか?」
イベルは、ジョッキに入った酒をゴクゴクと一気に飲み、話す。
「そうだよ。魔王と相打ちになったって言ってたかな?ねぇ、ルー」
「そうだよ。なかなかの大ニュースだったね。」
ルートは食事を止めて、答える。
ピリカに狙われたのもあって、あんまり勇者の名を広めたくはなかったが、こうなると広まるのは時間の問題か。
「よかったよ。死ぬのは怖いからね。」
「うん?あぁそうだな。そういえば、聞きたかったんだが、なんでお前たちはこっちに来たんだ?」
「どうしてあのタイミングで来たのかって意味で?」
ルートが答える。
「…?そうだ。」
「それなら簡単だ。僕たちは遠征に行って、帰ってくる途中だったんだけど、ギルドの持つ魔法で緊急の連絡が来たから、イベルの魔法でこっちに来たんだ。」
「へー、そんな事できるならもっと早くやればよかったのに」
「何しろ急だったからね。ギルドの持つ魔法もいろいろ制限があるらしいし、小規模だとも思われてたらしいからね。見たところシュウさんも何もしてなかったし。」
シュウサン?知らない名が耳に入る。
「シュウサン?」
「あれ、知らない?大掃討の時いなかったんだっけ?」
「シュウーさーん?」
いつの間にかベロベロに酔っていたイベルがヘロヘロな声で言う。
「大丈夫?またやったの。」
ルートはいつも通りのようにフォローをし始めるとイベルは寝てしまった。
「ごめんね。いつものことだから。でシュウさんはね、そこにいる人だよ。」
ルートはそう言って我の後ろを指す。
後ろを向くが、どこにも人らしいものは見えない。
「あれだよ。あれ」
ルートの指を指した先を見ると、そこには寝袋があった。
「え?」
寝袋?
「お金が安く済むからギルドに泊まってるらしいよ。……まぁ、おもしろい人だから起きたら話してみて……」
そこから少し経った頃、
「死体なしで生物を蘇生させる方法って知らないか?」
ルートは少し悩んだ顔をしてから
「ん…それ限定ってわけじゃないけど、この近くの超高難度の迷宮に願いを叶える迷宮の宝があるっていう噂を聞いたな。」
迷宮の宝か!盲点だった。迷宮にはいい思い出がないから記憶から消していた。
「そこって…」
少し考えていると、イベルが起きていた。
「ルー、もう来る頃じゃない?」
「え!?」
ルートは時計を見ると
「ごめん、もう行かなくちゃ。遠征に一緒に行ってた仲間たちが帰ってくる時間だ。僕たちはヘルメスにいるからまた会おうね。」
「あ…、」
そう言って、お金を払うとイベルを引きずってどっか行ってしまった。
「どうするかな」
残されて、ただ呆然と立っていると
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「おい」
脳内で話しかけられる。
「何もすることないなら冒険者の登録しろ。」
「あ?」
なんか言葉が強くないか?
「俺は勇者だったから冒険者の登録をしてないんだ。金がないんだから冒険者の登録をしろ。」
いや、ホントになんか言葉強くないか?
「まぁ、言い方は癪だが、やることもないしな。やってやろう。」
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笑顔ながらも何か影のある女がいる受付へ向かう。
前に立つと、「勇者さま。昨夜はお疲れさまでした。何かご用でしょうか?」
そう言いながらも、面倒事はやめてほしいという目で見てくる。
「冒険者登録をしたいんだけれど。」
すると、パァッと明るい顔になり
「あぁ、かしこまりました。勇者として活動していらっしゃいましたもんね。魔王を倒した今、冒険者になろうということですか。」
「そうだな。何か試験とかはあるのか?」
「一応、ありますけどそれは冒険者の危険性を見せたり、適性をみるだけなので勇者様ならパスできます。」
「じゃあ、それで」
「…?はい!」
すると、女はどこかへ下がってしまう。そして、少し経つと、また出てきて「では、こちらへと。」言われ、ついていくと[会議室]に案内された。
「では座ってください。」
そう言われ、近くの席に座る。
「では、私、エレルが冒険者についてお教えしましょう。」
目の前で白い紙を見ながら話を始める。カンペだな。
「冒険者、基本的には、依頼をこなす、または、迷宮に挑むことが仕事となります。依頼に関してはモンスターの退治、素材集めなどです。ここらへんは魔王を倒す時も勇者様はやっていたと思います。ですが、迷宮は違います。冒険者しか入れず、迷宮には様々なそこでしか手に入らないものもあり、それでしか作れないものもたくさんあります。」
エレルは、少しかいた汗を拭うと、何か金色の紙を渡してきた。
「これは?」
「……?あぁ、冒険者カードです。身分証や迷宮に入るための鍵としても使われます。再発行はできなくもないですが面倒くさいことになるのでやめてほしいです。あと申し訳ないのですが、白金からでなく、金からなのですが、大丈夫でしょうか?」
何言っているんだろうか?不安そうな顔で見てくるが、なんだろう。金とか白金とか常識なのか?まぁ、勇者に後で聞けばいいか。
「……あぁ、大丈夫だ。あと聞きたいんだが、願いを叶える迷宮の宝がある噂の迷宮を教えてほしいんだが。」
「あぁ、[名無しの部屋(仮)]ですか。」
「(仮)?」
「迷宮の名前は特徴で決まるんですけど、出てきた冒険者がおらず、特徴も何も分からないので(仮)です。一応言っておきますが、[名無しの部屋]は白金の冒険者しか入れませんよ。」
「ありがとう。わかった。」
「ではお疲れ様でした。」
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「なんだこれ?」
[会議室]を出て受付へ戻っているとザワザワとした声が聞こえ、何かあったのか気になり、駆け足で向かうと、ギルドに入りきらない程の人々がいた。
人々はこっちに気づくと、
「あっ、勇者様だ!」「サインして」「握手して」「技見せて」と言って駆け足で来た。
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一人の少女がいた。特徴がないという特徴がある少女。つまり、全裸であった。自分の部屋であるかのように、裸でいることに全くの羞恥もないように全裸であった。
そして、入口も出口もない、ただの四角くて白い部屋にいた。
すると、どこからともなくまた少女が現れる。こちらは魔法使い、いや、マジシャンのような格好をしている。
「お久しぶりですー」
陽気な感じでマジシャンの少女は話す。
「わざわざ呼び出して何の用?」
どこからともなく現れたことに驚きも自分が裸であることに羞恥も感じてない様子で裸の少女は言う。
「まだ全裸だったんですかw」
「ちっ、何?」
「いや~、大量のアンデッドで遊んでたんですけど、用事を思い出して、放置してたんですよね。そしたらなんと突然すっごい大きな大群になっちゃってー」
ドン!、マジシャンの少女の後ろの壁が崩れ落ちる。
「危な!え?[不可]使いました?やめてくださいよー死んじゃいますからー」
「さっさと要点を話せ!」
「久しぶりにあったのにー、えーと要点だけ話すと、勇者がいましたー」
「!!!ほんとに!」
「ホントにホントですよー」
「何処に?」
「ヘルメスですよー。」
全裸の少女は立ち上がると、マジシャンの少女も呼応したように立ち上がり、全裸の少女の方へ行く。
「ちょっ、[不離]使わないでくださいー」
「ヘルメスの方まで転移させろ。」
「はぁ~、わかりましたよー」
そして、2人は空間ごと消えた。




