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京都旅行1

「「行ってきますー」」

 誰もいない家に私と茜の声が響く。


 両親は私と茜の京都旅行に合わせて二人で沖縄旅行に行っています。新婚旅行以来のデートらしく無茶苦茶浮き足だっていました。


 20年位経ってもイチャイチャできるなんて羨ましいです。男と付き合うのは未だに考えられませんので末永くイチャイチャ出来る可愛いお嫁さん希望です。


「楽しみだねー」

 茜も中学の卒業以来の旅行で凄く楽しみにしています。今日の朝だって茜が朝ごはんを作るようになって始めて卵焼きを焦がしていました。


「うん」

「おはよう!」

「おはよう」

「おはようございます」


 わかばちゃんも集まって全員がいる駅まで出発です。



 駅で全員が集まります。

 みんなしっかりと集合時刻の5分前に集合しています。


「新幹線のチケット取って有るんだけど、取るの遅かったから席が二人と三人に別れなくちゃいけないの」

 5人でわいわいしたかったのですが残念です。


「じゃあ、グッとパーで決めよう」

 私がそういうとみんな真剣な表情になります。


 やっぱり席決めは重要です。


「グッとパーで別れ」

 私と桃ちゃんがグー、茜とわかばちゃんとひかりちゃんはパーを出しました。


 何故かひかりちゃん以外が残念そうな顔をしています。桃ちゃん、流石に先輩と二人きりは嫌だよね。


「茜、桃ちゃんが私と長時間二人はきついと思うから私と変わろう」

「ゆか先輩、そんな事無いです。凄い楽しみです」

 楽しみにしてくれるんだ。なら、先輩として楽しませないと。


 何故か茜にじと目で見つめられます。


 コンビニでお菓子を買い込み、ホームに向かいます。冬休みということも合ってか、かなり混んでいます。


 新幹線がホームに入ってきます。指定席なので悠々と電車に乗り込みます。


 ここから京都までは2時間8分の電車旅です。ふかふかのシートに座りながらお喋りを楽しみましょう。


 桃ちゃんと二人きりで喋るのは始めてです。

 何を話しましょう?

 ひなこたんの素晴らしさでも語りましょうか?


「ゆか先輩と二人きりになったら聞きたかったのですが、ゆか先輩にとって茜はどんな存在なのですか?」

 最初から重い質問来ましたよ。


 桃ちゃんなんでそんな目が真剣なのですか!?


「えーと、ポテトチップスいる?」

 私は話題を反らすためにポテチの袋を開け差し出す。


 桃ちゃんはポテチを一枚だけ取り出し食べずにこちらを見てくる。


 蛇に睨まれた小動物みたいに私は逃走出来ません。


「え…」

「はい」


 もしかして。


 もしかして。


 桃ちゃんは茜の事が愛してるからこんなこと聞いてきているのかな。付き合いたいのかな。


 私は百合は歓迎だから応援してあげましょう。


 私も男と付き合うつもりは無いのでうちの家は断絶しますけどどうでも良いでしょう。


 ここは慎重にいきましょう。


 桃ちゃんと茜の将来のためです。


「茜は妹だよ」

 とりあえず無難に。


「茜さんに朝から晩までお世話してもらってもですか?」

 おふぅ。


 なんでそのことを知っているのですか!!


「いやいや、優しい茜が毎日私の手伝いをしてくれているだけだよ」

 そう、お世話じゃないのです。お手伝いなのです!!


「同じだと思いますけど…、まあ、良いでしょう」

 良かったこの話しは終わりですね。


「で、毎日甲斐甲斐しく日常のお手伝いをしてくれる妹になんの感情も抱かないのですか?」

 戻りましたよ。カムバックですよ。


「可愛い妹以上の感覚を抱いたことはないよ。そりゃあ、手伝ってもらってありがたいけど…」

 妹は妹なのです。守るべき存在です。


「わかりました」

 桃ちゃんが頷く。


 じゃあ、ここからは私の反撃です。

 桃ちゃんが茜の事が好きなのは今の言動でわかっています。


「桃ちゃんって茜のことどう思っているの?」

 これでチェックメイトです。多いに狼狽えるがいいです。


 …ちょっと酷かったかな?


「え…、愛してますけど」

 桃ちゃんが顔を赤らめながら言う。


「………」


 えーと。


 えーと。


 えーと。


「そうなんだ。応援するよ」

「大丈夫です。私、茜ちゃんに話しかけてもらえるだけで嬉しいですから」


「………」


 気まずい。ここまで清々しいと返答に困ります。


 恐るべき桃ちゃん。


 そうです。ここは二人の馴れ初めでも聞いて場を誤魔化しましょう。


「茜とはどんな出会いかたをしたの?」

「馴れ初めですか」


 桃ちゃんは思い出を凄く懐かしむように話し出します。

「あれは桜舞い散る春のことでした。私は小学校の時から理屈っぽく正論を並べ立て話したり、さらに知っていることをことさらひけらかしていました。そんな他の子から見たら嫌な子でした。お恥ずかしいことに今もその癖は治っていないですが」


「そうかな」


「ゆか先輩の想像通りそんな私には友達もいなくいつも一人ぼっちでした。話し方を変えて、なるべく喋らないように気をつけて中学こそは友達を作ろうと気合いをいれて行きましたが、今までの癖はそんな簡単には直らず。勿論、一人ぼっちになりました」


「そうなんだ」


「そんな時に文化委員で茜ちゃんと一緒になったのです。文化委員は何も喋らないことによって他の人から孤立することを防いでいました。ですが会議でみんなの押し付けあいになってしまって堪らなくなって私が喋ってしまいました」


「へえー」


「まあ、みんなポカンとしてしまって。だけど、茜ちゃんだけは黙々と話を聞いてくれていました。半分以上は私の持論もはいっていましたがそれでもしっかり聞いていてくれたのです」


「流石茜」


「その時、私は嬉しくって、嬉しくっていつもの何倍も舌がまわっていつもの倍以上喋っていました。それでも、茜ちゃんだけはしっかり聞いていてくれたのです。親でも話し半分にしか聞いていないのに茜ちゃんは私の話しを聞いてくれてたのです…」


 ………飽きた。


 ポテチ美味しい。


 良くこんなにも延々と喋れるんだね。


 茜が桃ちゃんを助けて仲良くなったということで良いでしょう。


 茜は本当に自慢の妹ですから当然ですね。



「まもなく京都です。東海道線、山陰線…」

 流石新幹線早いです。


 放送が流れても桃ちゃんは気にせずに喋り続けています。因みに話しはまだ馴れ初めの時についてです。


 多分30分位でおきた内容を2時間位に大幅増量して喋っています。


「桃ちゃんそろそろ準備するよ」


「その時、茜ちゃんが天使みたいで一瞬私は天国に来てしまったのかと…」


「桃ちゃん~」

 少し大きな声で肩を揺さぶりながらいう。


「そう私は全身に衝撃が走りました。私がどんなけちっぽけな存在なのかということを気づかされたのです…」

 桃ちゃんは私の行動に頓着せず、頬を赤く染め目をうっとりさせながら喋っている。


 駄目だこりゃ。


 完全にいっちゃってる。


 茜にパスですね。


 私は仕舞えるものだけしまいます。


 新幹線は滑らかに京都駅に停車します。


 まだ、桃ちゃんは喋っています。


「お姉ちゃん」

 茜がこちらに来ます。


「茜どうにかして」

 私は桃ちゃんを示します。


「私も無理かな」


 茜は諦めるように言います。


 桃ちゃんが愛している茜にも止められないなんてどうしようもないじゃないですか!


「じゃあ、桃ちゃんを運びますか」

 私は茜に荷物を手渡します。


「ごめんね、桃ちゃん」

 私は桃ちゃんをお姫様抱っこします。


 凄く軽いです。


 桃ちゃんは私にお姫様抱っこされたことも気にせず喋り続けます。


 これ大丈夫なのかな?


 私が駅のホームのベンチにおろしてほどなくするとやっと桃ちゃんは喋り終わりました。


「本当にごめんなさい。楽しくて喋り続けてしまいました」

 桃ちゃんは土下座をしようとしますが私達は全力で止めます。


「桃、今度から気をつけようね」

 茜が頭を撫でながら言います。


 桃ちゃんは悲しそうな雰囲気を醸し出しながら凄い縮こまります。


 好きな人から言われちゃそうなりますよね。


「…切り替えて行きましょう!…」

 わかばちゃんが笑いながら言います。


「ですね。せっかくの京都観光ですし」


「じゃあ、まずは甘いもの食べに行きましょう」

 さあ、京都のスウィート達よ、待っていてください!


 今行きます!!


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