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個性は人それぞれ

 今日はゆかたんのダンスコンテストで応募したダンスの使用権についての契約書を書くためにひなこたんの芸能事務所に来ています。


 少し寂れたビルの中に事務所が入ってます。

「ひなこたんの所属する事務所に入れるなんて感激です」

「そうですぅ。ここからひなこ様のアイドルの人生が始まったのですぅね」

「ひなこさんの歩いたところを頬擦りしたいです」

 りかさんの目の下にくまがあり、目の焦点が合って無いですけど大丈夫ですかね。徹夜はほどほどにした方がいいですね。


 中は外と比べて小綺麗になっていて、エレベーターで目的の部屋まで向かう。


 悲しいことにひなこたんとは会えず目的の部屋の前についてしまう。


 扉をあけるとそこにはなんと

「流石、KYRね」

 椅子の上で足を仁王立ちにして指を指してくるりりさんが立っていました。

 うん。


「りりさんお久しぶりですぅ、危ないから降りた方がいいですぅ」

 りりさんはかなさんの意見に素直に従い椅子から降りてまた同じ体勢をとる。


「りりさんお久しぶりです。りりさんもダンスコンテストで上位になったのですか?」

「そうよ!」

 りりさんは嬉しそうに言う。


 自分の事で手いっぱいで他人のダンス見ていなかったな。どんなダンスなんだろうか。


「りりさんのダンスってどんなダンス」

「見てないの…」

 りりさんは悲しそうに踞る。


 不味いかな。


「ごめん、りりさんの生のダンスで見たかったから見てないの」

「そうなの」

「じゃあ、見せてあげるね」

 りりさんは嬉しそうに立ち上がり後ろに座っていた三人の男性を呼ぶ。


「ちょっとその前に、私が集めたひなこ親衛隊のメンバーを紹介してあげるわ」

 そういうとりりさんは後ろにいた男性三名を前に出す。


「一番はせっしゃがもらおうデュフフ、ひなこへの赤きとおとき炎の光、ひなこレッド」

 いかにもなオタクである。ドルオタじゃなくてアニオタですけど。


「二番、筋肉もりもり、ひなこへの愛を力に変えて、ひなこブルー」

 筋トレ系オタク。


「三番、しーぜーんーにーもーどーろーう」

 え!


 どこをどうやってどう突っ込めばいいのだろうか?

 てか、最後、本当にひなこたんのファンなの!!りりさんが無理やり連れてきたとかじゃ無いの!?


「そして、この私、ひなこピンク!」


「「「四人合わせてひなこ親衛隊!」」」

「せーいーぶーつーみーなーきょーうーだーい」

 四人で決めポーズをとる。


「凄いでしょ。あなた達KYRよりも人数が一人多いの。だから、ひなこへの愛も一人分多いは!!」

 三番の人、ひなこたんへの愛あるの!?


 なんかやばそうな自然保護団体の方な気がする。


「じゃあ、この私達が考えたダンスをみなさい」

 りりさん達は一列になってダンスを踊る。


 普通に上手いダンスです。


「上手いね」

 申し訳ないですけど感想はこれ以上言えないです。


「でしょ。貴女達のダンスには再生数は負けているけど、ひなこからの評価は負けていないはずたわ」

「私達のダンスだってひなこたんからの評価は負けているわけが無いです」

 ここは譲れません。


 ドアが開いてスーツを来た女性が入ってくる。

「おこし頂きありがとうございます。どうぞお席にお座りください」


 私達は言われるままパイプ椅子に座る。


「ダンスの権利の買い取りなのですが、値段はこの位で良いでしょうか」

 私達に示されたのは一グループ10万円。高いか安いかよく分からないが、正直、ひなこたんに踊ってもらえると考えれば無償譲渡でも良いぐらいである。


 みんな考えれは一緒なようで契約は滞りなく進む。


 彼女は書類を満足そうに受け取り鞄にしまうともう一度真剣そうな雰囲気でこちらを向く。


「封筒でも伝えた通り、あなた達は次のライブにおいてひなこさんと話してもらいたいと思っています。宜しいでしょうか?」

 彼女は一人、一人意思を確認していく。


 これも勿論、Yes!!


「ありがとうございます。ひなこさんも皆さまと話せること楽しみしてます。今後ともひなこを宜しくお願いします」

 彼女は頭を下げると退出する。


「なんかあっけなかったですね」

「契約書かわすだけですぅからねぇ」

「ひなこさんに会いたかった」

 私達は事務所からでる。


 まだ、太陽は燦々と輝いている。


「これからどうします?」

「すいません。原稿がまだ終わってないです」

 りかさんは申し訳なさそうに言う。


 前よりもりかさんやつれている気がします。大丈夫でしょうか?


「私はライブのためにイメトレしないといけないから帰るわ」

 りりさんはいきなり私達の間に入ってそういうと颯爽とひなこ親衛隊をつれて去っていく。


「凄い子ですぅね、学校とかで浮いてなければいいのですぅが」

 かなさんがぼそっと言う。


「今日、私も暇なんでりかさんの原稿手伝いますよ!」

「ゆか氏大好きです」

 りかさんが抱きついてきます。

 おっぱいが………ない


「じゃあ、行きましょう!」

 りかさんの後ろを私とかなさんが歩く。


 りかさんは可愛いので通行人から勿論注目される。


「あれ」

 りかさんは自分の現状を認識したのかかなさんの後ろに隠れる。


「深夜テンションですぅね」

「深夜テンションですね」

 徹夜明けの行動はやっぱり注意した方が良いですね。


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