モコノミ焼き
先に断っておきます。
今回は、内容的にはそんなにすすみません。
グランが両手に銀色に輝くものを持ち狙いを定める。
そして、銀色の道具を使い、相手をひっくり返す。
相手は、ジューッと音を立てて灼熱の炎に焼かれる。
「グラン。上手ですね。」
「ほんと。初めてモコノミ焼きをひっくり返したとわ思えないくらいうまいよ。お兄ちゃん。」
「どうってことないぜ。」
ヘスとクララに褒められてグランが照れている。
そう、俺たちは晩御飯を食べにきていたのだ。
そして、たった今グランがひっくり返したのがお好み…いや『モコノミ焼き』だ。
どうやら、モコの実という木の実を使って作られているのでこのような名前になったようだが…。
俺には、お好み焼きにしか見えない。
俺たちは、クエストから帰還した後、ギルドに紅炎馬が暴れていた理由を示し、その原因を取り除いたこと、もう危険ではないことを伝えた。
流石に討伐報酬や、クエスト達成報酬はもらえなかったが、アイリーンさんに感謝されたのでいいだろう。
その後、赤兎馬の従魔証明証をギルドで発行した。
また、従魔は、首輪をつける必要があるそうなので、伸縮自在の首輪もギルドで購入した。
ギルドって本当に便利だよな。
まぁ、その間、アイリーンさんは赤兎馬の可愛さに夢中になってしまい、ずっと赤兎馬の毛並みを撫でていたのだが…。
俺には、触らせてくれなかったくせに…。
「ヒロさん。焼けましたよ。」
そんなことを思っている間にモコノミ焼きができたらしい。
今はヘスが、鰹節らしきものとソース、青海苔らしきものをかけている。
やっぱり、それはかけるんだな。
俺は、クララが切り分けてくれたモコノミ焼きを口に含む。
うん、口の中に熱々のモコノミ焼きの味が広がる。
どうやら、このモコノミ焼きの生地にはダシをきかせてあるらしい。
とてもうまい。
ていうか、やっぱりこれお好み焼きだよな。
ちなみに、赤兎馬は宿においてきた。
でも、赤兎馬にもお好み…モコノミ焼き食べさせてやりたかったな。
俺は、朝早く目を開ける。
そして、立ち上がる。
まだ、6時くらいだろう。
みんなは…。
まだ寝ているな。
おそらく、昨日のクエストで疲れたんだろう。
ゆっくり寝かせてやろう。
そういえば、昨日の夜から、クララとグランも一緒に宿に泊まることになった。
二人が、頼んできたから許可したけど…。
住み慣れた家の方が、俺は疲れなくていいと思うんだけどな。
まぁ二人の希望だから、いいや。
俺は、みんなを起こさないようにして宿を出て行く。




