炎帝
俺の前には紅炎馬改め赤兎馬がいる。
「もう、話ができるくらいまでかいふくしたか?」
「もちろんだ。なにか、話すことがあるのか?」
今更だが、赤兎馬はテレパスなしでも話せるようになっている。
「あぁ。お前に聞きたいことがあるんだ。」
そう、俺が聞きたいことはただ一つ、、、。
「お前、炎帝になったのか?」
そう、俺は、赤兎馬のステータスに『炎帝の蹄』と書かれていたのがずっと気になっていたのだ。
「おう。そのようだ。」
うおーーーーー!
やっぱそうなのか!
てことは、俺って炎帝の主人だから帝王なのかな?
いや、ガチャ神だった、、、。
「炎帝か、、、。それって、いきなりなるもんなんだな。」
「それは、我も驚いた。なんだかいきなり世界神と名乗る女の声が頭の中に響いてきたと思うと、〈お前は今日から炎帝だ。〉とだけ言って消えたからな、、、。」
へぇー。
なんか、無責任な奴だな、、、。
〈、、、。〉
まあ、仲間が強いのはいいことだね。
それよりも、ヘスたちが何か暇そうだし町に戻るか。
「今から町に戻ろうと思うけど赤兎馬は、、、。無理だな。体がでかすぎる。」
「なるほど。体が小さければよいのだな。」
赤兎馬はそう言うと、
ポンッ
小さくなった。
あれっ?
赤兎馬のステータスにそんなスキルなかったよな、、、?
「どうやってやったんだ?」
「炎帝の特殊能力です。」
ふーん。そうなのか。
特殊能力はステータスに表示されないんだ、、、。
てか。
「お前かわいいな。」
「当たり前だ。」
性格はかわいくないけど、見た目は本当にかわいい。
小さくなったことで、今まで少し黒かった毛が、真っ白になり、そこに燃えるような紅の鬣。
そして、つぶらな瞳。
毛が気持ちよさそうだ。
さわりたい、、、。
「触るな。我の純白の毛が穢れる。」
うん。
やっぱり性格はかわいくない。
そんなことより。
「うん。その姿なら入れるはず。後で、ギルドで従魔登録しとくよ。」
よし。帰るか。
「みんな、いくよ。」
「まだ、町に帰るのはやめようぜ。」
グランが言った。
「なぜだい?」
「なぜって、俺が活躍できてないからさ。」
うん。確かにそうだ。
今回は、ヘスしか戦ってないな。
そう考えたら、俺も戦いたくなってきた。
「じゃあ、弱い魔物がたくさんいるところに行くか。」
俺たちは、俺のマップを頼りに弱い魔物たちがいる方へとすすんでいった。
あっ。
もちろん赤兎馬は小さいままだよ。
大きいと魔物が怖がって逃げて行っちゃうからね。