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謎解き、戦闘、そして合体。このダンジョンは飽きないな。

リエータの装備品を加筆しました。

「ん……」

目を開けるリエータ。そこは、地下1階にあるセーフティーエリアだった。

「よく寝てたな」

「おはようございます」

俺とツバキがその顔を見ながら言う。

「タイガ君……ツバキちゃん……!?あいつらは!?」

自分の心配より、まず周りの心配なんだな……

「あぁ、あいつらなら大丈夫だ。謎を解いた先にある仕掛けを作動させたら、動きを止めた」

「そ、そうだったんだ……」

まだ少しだるそうな体をむくりと起こす。

「ごめんね、二人とも。あたしのせいで負担をかけちゃって……」

「いいっていいって、俺もツバキも、お前には助けられてるからな」

「その通りです。恩を返しただけですから」

ステータスを確認すると、俺は34に、ツバキは25にレベルが上がっている。

リエータは……50のままだ。しかし、それにしても……


リエータ レベル50

得意武器:槍 得意属性:炎 サブ属性:風

職業:ドラゴンライダー(14/15)


HP:320

SP:270


腕力:85+30(+20) 知力:65+30 器用さ:30+20

素早さ:65+40 体力:61+20(+20) 精神:34+20(+20)


武器:竜槍スヴァローグ(超覚醒済)

【幻の銀竜を討伐した証の槍。腕力が15、知力が15上がる。

 超覚醒により、素早さが10あがり、覚醒スキル{竜神降臨}を発動可能】

サブ武器1:守人(もりびと)の斧

【か弱き者を守るため、強大な力を持った騎士が作ったとされる斧。

 体力が20上がるが、斧を使った攻撃の命中率が減少】

サブ武器2:魔導銃ホルス

【例外武器の一つの魔導銃。魔力を弾として放出する。

 ダメージは知力に依存する。超覚醒可能】

防具:ベロボーグメイル

【伝説の神の力が宿ると言われる、露出度の高い鎧。

 器用さが20、素早さが10上がる。超覚醒可能】

腕:(装備不可)

アクセサリ1:山紫水明の指輪

【覗き込むと美しい情景が浮かぶと言われる、神秘的な宝石を使った指輪。

 腕力が15、知力が15上がる代わりに、睡眠に弱くなる】

アクセサリ2:星屑のパレオ

【白い星を集めたパレオ。素早さ、精神が20上がる】


相変わらずすごいステータスだな……攻守ともに隙がない。

若干器用さが低いが、そこはプレイヤースキルで何とかするのだろう。

素早さも100を超えているから、命中率は何とでもなる。

「ん?」

こちらに向かってきょとんとした顔を向ける。

「あ、悪い、ステータス見てたんだ」

「まぁ自慢できるほどじゃないけどね。ただレベル上げてるだけだし……」

ちなみにパレオは、地面に落ちていたものをツバキが巻きなおした。

「それにしても、よくわかりましたよね、タイガさん」

「え?」

「さっきの扉の謎です。私はいきなり何をしだすかと思いました」


「{扉を開けば}いいってことだろ?」

「え?……はい」

「つまり……こうだ」

俺は正面にある扉に背を向け、元来た扉に手を伸ばす。

簡単にその扉は開いた。


ピンポーン!


「何も、目の前にある扉だけが扉じゃない」

「すごい……」

「え?」

ツバキが目を煌めかせている。

「……」

まぁ、俺には頭の回転の速さという武器がある。……一応。

こう言った謎解きでは役に立つはずだ。

すると扉の前にいたツバキの足元の床が、突然開き……

「わっ」

ツバキは突然の事に何が起きたかわからないまま、落下してしまった。

「ツバキ!」

俺は慌てて後を追って……

「……ツバキ?」

「タイガさん、大丈夫です。浅いですよ!」

その中は、非常に狭い道になっていた。

人1人通るのが、やっとなところだ。

俺は鎧を着ているため、通ることが出来ない。

「行けるか、ツバキ」

「はい。あ、でもこれ、預かっててください」

ツバキはウルフコートを脱ぎ、インナーの姿になった。

「頼むぞ」

「はい」

そのまま通路の奥へと、四つんばいで進んでいく。

「大丈夫か~?」

「結構きついですが、何とか通れま~す!」

やがてツバキの声が聞こえなくなった。

……1分ぐらいたった後、ツバキからメールが届いた。

「写真?」


TO:タイガ(Tiger)

Subject:


これ、わかりますか?


ツバキの目の前に、赤と青と黄色の台座。そして白色の台座。

ツバキの手には、黄色い鍵も握られている。

そして……


【翡翠 黄水晶 琥珀 この順で色を変えた鍵を 白き台座に差すべし

 さすれば巨人は動きを止める 失敗すらば 命はなし】


「……」

黄色い鍵、そして、赤と青と黄色の台座。

「……」

メールを撃ち込む。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あ、タイガさんからだ」

ツバキはメールを見る。


TO:ツバキ(Tsubaki0802)

Subject:


まず、その鍵を青い台座に差して、そうしたら画像を送ってくれ


「青い台座……これかな」

台座に鍵を差すと、勝手に鍵が回り……

緑色一色となった。

その鍵を写真を撮って送ると、タイガからまたメールが来る。


TO:ツバキ(Tsubaki0802)

Subject:


思ったとおりだ

次にその鍵を、赤い台座に差してくれ


「よいしょ」

そして再び鍵が回り、今度は黄色い鍵に戻ってしまった。

「……いいのかな」

それを撮って送る。


TO:ツバキ(Tsubaki0802)

Subject:


最後にもう一回、その鍵を赤い台座に差して

それで色が変わった鍵を、白い台座に差すんだ


「黄色い台座は使ってないけど……でも、タイガさんが言うから間違いないんだよね?」

もう一度赤い台座に差すと、今度は色鮮やかな琥珀色になった。

「翡翠、黄水晶、琥珀……その色の宝石なんだ」

ようやく理解したツバキは、鍵を白い台座に差し込む。

「……」

何も起きない……?いや、説明文によるならこれで巨人は動きを止めるはずだ。

ツバキは元来た道を戻ることにした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ツバキ!」

狭い地下道に響く荒い呼吸で、ツバキが戻ってたことに気付く。

「タイガさん、ありがとうございます。私だけじゃきっとわからなかったですし……」

「俺こそ悪いな、お前にこんな無茶させちまってよ」

「大丈夫ですよ。全然」

軽く屈伸したり肩甲骨を回した後、ウルフコートを羽織り直す。

「とりあえず、リエータさんのところへ戻りましょう」

「無事だといいんだが……」


「黄色と青を混ぜ合わせれば緑、緑と赤を混ぜ合わせれば黄色、

 それで黄色と赤を混ぜ合わせれば、琥珀色になる。

 まぁ、琥珀色って言うのは本来オレンジというより、焦げ茶色に近い色なんだがな」

「でも、あの台座を見ただけで色を混ぜ合わせるって、よく気付きましたね」

「ま、まぁな」


言えねぇ……クイズ番組でほとんど同じ問題やってたとか……


「でもそれ、確か前クイズ番組でほとんど同じ問題やってたよね」

「……」

でも、リエータは気にせず言う。あーあ。

「そうなんですか?」

「うん。お兄ちゃんと一緒に……」

……お兄ちゃん?

「リエータ、お前兄がいるのか」

「……」

何故か口ごもるリエータ。

「……うん。お兄ちゃんが、いるよ」

別に兄がいるなら、口ごもらなくても普通に話せばいいのに。

「どんなお兄さんなんですか?」

ツバキが踏み込んで聞くと……

「そ、そんなことより、そろそろ探索を再開しようよ」

何故か慌てだす。

もしかして、リエータも兄に対して何かあるのだろうか?

「そうですね。ごめんなさい。踏み入ってしまって」

「全然大丈夫だよ。さ、行こっか」

誰もが家族に対して苦労しているんだな……

そう考えたら俺は幸せかもしれない。

「あ、そうだ、タイガさん」

「ん?」

「さっき狭い通路で、こんなものを拾ったんです」

それは、黒く焦げたような、硬い物質だった。

「なんだ、これ……?」


????

【使用用途不明。何かにはめられそうな素材。売ったり捨てることは出来ない】


「何だか拾わないのももったいない気がしたんで……」

「わかった。一応持っておく」

俺はその物質を、静かに懐に直した。




……結論から言うと。

「さっきやられちゃったから今ちょっと手荒いよ!{インフェルノ}!」

地獄武者4体が、リエータを中心とした逆巻く炎に打ちあがる。

「では私も!」

撃ちあがった地獄武者に対して、連続して拳を突き出す。

「{ビートパンチ}!」

うん、あの女性二人……強い。

火力が非常に高い二人がセットとなることで、モンスターの恐怖は察するのもたやすい。

「{シャドウレーザー}!」

これは俺も負けていられない。

火力が低くても、倒し損ねてしまった奴にとどめをさすことくらいは出来る。

リエータの背後から斬りかかってくる地獄武者に、俺は槍を突き出す。

「おぉ~、槍もばっちりだねタイガ君!」

「ま、お前ほどじゃねぇさ!」


そう言った戦闘の連続によってツバキのレベルが27まであがり……

一度セーフティーゾーンに戻ってくる。

「さ、さすがに戦闘続きだと……結構疲れんなこれ……」

「そう、ですね……私は炎属性のモンスターに神経を使うので……きついです……」

「あたしはまだまだいけるけどね」

お前の元気は底なしか。

「ツバキ。そういやツムジニンジャのスキル何か覚えたか?」

「えっと……3になったので{疾風の極意}を覚えていますね」


疾風の極意 自動スキル

【風属性のスキルを使った場合、一定の確率で消費SPを減少させる。

 複合属性には効果がない。発動回数が一定以上でレベルアップ。発動確率が上がる】


「私は複合スキル、ヒールブリーズ、オーバードライブで使いますね。

 オーバードライブもレベル25の時に覚えられました」

「オーバードライブの消費SPをたまに減らせるのは大きいが……

 そのためにスキル枠か……いったん保留にしておいた方がいいかもな」

「わかりました」

しかしオーバードライブを覚えたとなると、ますますツバキは頼りになりそうだ。

「さて、休憩はここまでってことで……

 このまま一気にオーバーソウルのとこまで行きたいね」

……リエータの言うとおりだ。

あの3体の巨人の動きを止めただけで、クリアにはなっていない。

つまり、あの3体より強いオーバーソウルがいる……?

それとも、あの3体と改めて対決することになるのだろうか?


地下2階に降りると、目の前にいかにもな扉があった。


【この先に強力な敵の気配あり。先に進みますか?】


うなずき合い、扉を開いて中に入る。

背後の扉が閉じる。

目の前に、先ほど動きを止めたはずの3体の巨人が立っている……!?

すると、その3体の目に再び光が灯る。


『待っていたぞ』


「!?」

ブリアレオスの方から声が聞こえる。


『我らはずっと待っていた』

『我らの元へとたどり着ける、強く、そして聡き者を』

『我らの力を退けたり得る、比類なき力持つ者を』


コットス、ギュゲスの方からも声が聞こえた。

「要は、お前らが相手をするってことだな?」

「いいね!本気の勝負といこうじゃない!」

「ここまで来たんです。今更逃げません!」


『よい返事だ。久々に我が闘志に火を点ける者が現れるか』

『だが、力無き者の言葉はたわごとと同じ……』

『自らの力を持って、我らを屈服させてみせよ!』


そしてコットス、ギュゲス、ブリアレオスが集まると、

コットスが右腕、ギュゲスが左腕、ブリアレオスが両腕を高々と掲げ……


ビカッ!!


強烈な光に目を焼かれ、3体のいた方向を見ると……

「なっ……!?」

そこに立っていたのは、赤、青、黄、合計6本の腕、同じく6本に分かれた足。

そして、胴体にブリアレオスの顔、頭にコットスとギュゲスの顔が付いた、

強大な化け物だった。

「ウオオオォォォォ!!」


【ヘカトンケイル レベル60】

次回ヘカトンケイル戦。

合体は男のロマンです。

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