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第14話 豆乳と言ったら紀文

 メルクが尚も泥遊びをしていた頃、敵の能力を当てずっぽうで見破ったメリアが、槍を構えながらジリジリとシードに近付いて行く。

 メリアの気迫に後ずさりするシード。


「ま、待つだ! オ、オメェ達人間は戦う意志の無い者を攻撃するだか⁉︎」


 シードの言葉に呆れた表情のメリア。


「さっきまで攻撃を仕掛けておいて、何を今更」


「た、確かにそれは済まなかっただが、今はほれこの通り無抵抗だべ⁉︎」


 だが、手を後ろに回し何やらゴソゴソしているのを、メリアは見逃さなかった。


「ならば、その背後に回した両腕を上に上げなさい!」


「り、両腕をだか?」


「ええ」


「上に上げるだか?」


 明らかに時間稼ぎをしているシードを更に警戒するメリア。


「今すぐ上げなければ、このままあなたを貫きます!」


 槍を構え、突撃の態勢をとるメリア。


「わ、分かっただ! 今上げるからやめてくんろ!」


 メリアの殺気に慌てて両腕を上げるシード。

 だがシードの上げた手にはメロンが掴まれていた。


「あーん」


 上を向いて大きく口を開けたシードが、へたの部分が切り取られたメロンを傾けると、中から大量の果汁がこぼれ落ちた。


「なっ⁉︎」


 それを一滴残さず飲み干したシードがニヤリと笑う。


(後ろ手に何かをやっていたのは、果肉を液状に握りつぶしていたのか? 確かに食べるよりも飲んだ方が早いだろうが)


 防御姿勢をとるメリア。


「食らうダス!」


 口いっぱいに含んだ大量の種を飛ばすシード。


(確かメロンの種はマスカットの種より小さい筈。先程のマスカットよりも威力が弱いなら恐る事は……)


 だがメロンの種は凄まじい威力でメリアに襲いかかる。


(何だと⁉︎ こ、この威力は先程のマスカットどころか、最初のリンゴすらも遥かに上回っている⁉︎)


 予想外の威力に全ての種を弾く事が出来ず、何発か被弾してしまったメリア。


「ハッハァー! どうダスか? オラのメロンの威力は?」


「なるほど……どうやら私は思い違いをしていたようだ。てっきり種の大きさがそのまま破壊力の差になると思っていたが、種の大きさでは無く果物の大きさによって威力が変わる訳か……」


「ギクッ!」


「しかも果物の個体ひとつを全て食べ切らないと種を飛ばす事が出来ないようだな?」


「な、なななな、何の事ダス⁉︎」


 精一杯とぼけるシード。


「でなければわざわざ全て食べなくとも、ひと口食べるごとに種を飛ばした方が、隙も生まれなくて遥かに効率が良いからな」


 シードの能力の秘密を全て言い当てたメリア。


「ぐぬぬぬぬぬー。だ、だがしかし! 次の果物は例え来るのが分かっていても、そのあまりの破壊力に防御する事は不可能ダス!」


 自信満々のシードに対し、何故か余裕の表情のメリア。


「そうか……ならば待っていてやるから、早くスイカを食べ切ってしまうがいい」


「既にバレてるダスー‼︎」



 メリアがタネ飛ばし大会をしている頃、まだボーっとしているクラフトとハーディ。


「オイ! 何だこりゃ⁉︎ ずっと頭がボーっとしやがる!」


「こ、これは自分の固有能力……え〜っと、何だっけ?」


「いや、自分の能力忘れてんじゃねぇよ!」


「わ、忘れる訳無いだろう! え〜、や……ゆ……よ……よ……よう……ようかん? いや違う。妖精! でも無い。よう……よう……よう……よう、とう……」


「妖刀村雨か?」


「そう! 妖刀村雨! ……いや違うわっ!」


 クラフトの横槍に思わずノリツッコミをしてしまうハーディ。


「ようとう……ようとう……溶頭利(ようとうり)だ!」


「やっと出やがったか。んで、どういう能力なんだ?」


「聞いて驚け! 何とこの能力、効果……中……自分の近くに居るやつの座高……いや尾行……あ〜、思考をその〜、バカにしてしまうあれだ!」


「何だよそりゃ⁉︎ だからさっきからずっと考えがまとまらねぇのか? てか、もしかして仕掛けたテメェまでバカになってんじゃねぇか⁉︎」


「お前! 何故自分の能力の秘密を知ってるんだ⁉︎」


「いや、全部自分で喋っただろうが!」


「何⁉︎ 自分てのはどの自分だ? あの〜、豆乳とかのあれか?」


「いやそれは……あの〜、あれだ! あのメーカーの……いや名前が出て来ねぇわ! もう、めんどくせぇ能力だな!」


「とにかく! 自分の仕事は儀式が終わるまで、お前達を足止めする事だ!」


「儀式? 何の儀式だ?」


「それは言えん! ジア様が大魔王様の後を継ぎ、ノアール様が正式に王女として魔界に復帰されるなんて事はな!」


「何だと⁉︎ ジアちゃんが大魔王でノアちゃんが王女? はぁ? 王女って何だよ?」


「王女も知らんのか? あの、タイガー……スーニャニャって言う投げるやつだ!」


「誤魔化すな! それは王女じゃなくて猛虎……何とかって技だろうが!」


 ハーディの能力によりおバカになっている為、中々正解が出ない2人であった。


「ジアちゃんが大魔王を継ぐのはまだ分かるけど、ノアちゃんはだって元魔王で男なんだろ⁉︎ それが何で王女って……?」


「お前! 何故その事を知っている⁉︎ ハッ! まさかお前の能力は相手の〜、考えてる事とかが分かるのか⁉︎」


「いやだから、全部自分で喋ってんだろうが!」


「自分が⁉︎ 自分てのは、豆乳とかが有名なあれか?」


「いやもういいわっ!」






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[一言] 種飛ばし大会……
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