第7話 日本刀が出て来る漫画はヒットするらしい
こちらは、相変わらず足にじゃれついた子猫に手こずっているブレン。
「チッ、すっかり子猫に懐かれちまったぜ」
「だから、子猫なんかいねーっての!」
「オイテメェ! 危ねぇから、いい加減この子猫を解放しやがれ!」
「はあ……さっき言っただろうがよ。そいつは俺の固有能力、重癆誓だってよ。しつこいから教えてやるが、俺が触れた相手の身体の一部を、鉛のように重くする能力だ」
「何……だと⁉︎ 子猫がじゃれついてるんじゃねぇのか?」
「だから、俺の能力だっつってんだろうが! もっとも、それだけじゃ無いがな」
(触れた身体の一部を重くすると同時に、そこから相手の魔力を放出させる能力なんだが……まあ、無限に魔力が取り込めるこの魔界じゃあ意味無いからな……)
「何⁉︎ まさか、子犬まで居るのか⁉︎」
「……」
しつこいブレンのボケに呆れて声が出ないプロン。
「これ以上アンタの寒いボケに付き合ってられねぇぜ」
「何? 寒いだって? なら、俺様の熱い炎で暖めてやるぜー!」
そう言って、全身から炎を発するブレン。
「アンタ、炎使いかよ⁉︎」
「そう。俺様は灼熱の炎使い! ブレン様だ!」
(チッ、まさかの炎使いとは……参ったな……)
明らかに動揺しているプロンと、自身の身体の異変に気付くブレン。
「ん? 何だか足が軽くなったような? し、しまった! まさか俺様の炎で子猫を焼き殺しちまったのか⁉︎」
自分の足下を見るブレン。
「元々猫なんて居ねーから安心しな!」
ブレンが懲りもせずボケている間に、いつの間にか目の前に接近していたプロンが、すり抜け様に手に持っていたナイフでブレンの全身を斬りつける。
「グウッ! お、重い!」
再びプロンの能力により全身が重くなるブレン。
「こんなものー‼︎」
「良いのか? 炎を使ったら、また子猫を焼き殺しちまうぜ?」
「ハッ! いかん!」
プロンの言葉に、慌てて炎魔法の発動を止めるブレン。
(いや、ガチで止めるのかよ。まあ、俺の能力は熱に弱いから、炎を使わないってんならありがてぇがよ)
「クッ、このままではジリ貧だぜ。ならば、子猫ごと包み込んでやるぜ!」
「何⁉︎」
刀を鞘に収めて地面に立てると、そこを中心にブレンの周りの地面に魔法陣が描かれる。
「魔法陣⁉︎ いったい何をしようってんだ?」
プロンが警戒している中、叫ぶブレン。
「魔装‼︎」
ブレンの全身が炎に包まれその炎が消えると、まるで戦国武将のような鎧をまとったブレンが現れる。
「この炎はあくまでイメージ映像だから、子猫に害は無いぜ!」
「いや、何の説明だよ!」
「みんなが子猫がどうなったか心配するだろうがー‼︎」
「みんなって誰だよ!」
プロンがツッコミを入れた瞬間、目の前に現れたブレンが居合斬りでプロンを斬りつける。
「グアッ‼︎」
致命傷では無いが、かなりの深傷を負ったプロン。
(な、何だ⁉︎ 急に動きが速くなった⁉︎ もしかして、あの防具のせいか?)
慌てて距離を取ろうとしたプロンだったが、すぐに間合いを詰めるブレン。
「クッ! 舐めるなー‼︎」
間合いに入った瞬間同時に相手を斬りつけ、お互い負傷するブレンとプロン。
双方間合いを取るが、再び急接近して居合い斬りを放つブレン。
「このぉ!」
またしても相打ちとなり、距離を取る2人。
ブレンの動きが全く変わらない事に疑問を感じるプロン。
(何でだ? 俺のナイフは確実に当たってる。ならば、あいつの身体はどんどん重くなってる筈なのに、何で普通に動ける?)
不思議そうな顔をしているプロンを見たブレンが、解説を始める。
「フッ、何故俺様がこんなにイケメンなのか疑問に思っているようだが……」
「1ミリも思ってねーよ!」
「俺様はこの刀を鞘に収める度に、速力と威力が上がるのだ! まあ、お前らで言うところの固有能力に近いのかもな」
「そうか……だから斬り合う度にいちいち刀を鞘に収めてたって訳か。見かけによらず几帳面な奴かと思ってたが」
「んな訳あるか! いや、自分で言うのも哀しいが……テメェがいくら子猫を放とうとも、俺様はどんどん強くなるから関係無ぇ! つまりテメェにとっちゃ、1番相性の悪い相手だったって事だな……だが!」
再び居合いの構えのまま急接近したブレンが、プロンが反応するよりも速く居合い斬りを放つ」
「グハァッ!」
「もう既に、俺様の速力の方がテメェを上回っていたようだな……」
遂に決定的な一撃を喰らい、倒れ込むプロン。
「ほ、炎使いのくせに、全然炎と関係無い能力じゃねぇ……か……ガクッ」
「知らねぇのか? 日本刀持ってると人気出るんだぜ?」
ブレンVSプロン
能力の相性が良くて、ブレンの圧勝。




