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第31話 君でもちゃんでもどっちでもいける

 ナオVSドラン


 お尻を触られたナオが、顔を真っ赤にしながらドランをなじる。


「馬鹿っ‼︎ チカン‼︎ 変態‼︎ このスケベオヤジ‼︎」


「フォッフォッフォッ。元気な子を産めるか確認しただけじゃ。心配いらん、お主は安産型じゃ」


「んなっ⁉︎ ど、どうでもいいですよそんな事‼︎」


「どうでも良くは無いぞ? ワシら魔族ならば、魔術を使えば出産は楽じゃが、お主ら人間の女子はそうはいかんじゃろう?」


「ぐ……このぉ……何を言っても聞かない、ああ言えばこう言う」


 怒りに拳を震わせるナオ。


「もういいです‼︎ この姿ですか⁉︎ この可愛らしい姿がいけないんですね⁉︎ ならば、自分の本当の姿を見せてあげますよ‼︎」


《完全擬態‼︎》


 固有能力を発動させ、元の男の姿になるナオ。


『ああーとぉ! ナオ選手、固有能力を使い男の姿に変わってしまいました! 何と勿体ない、わたくしは断然少女の姿が良いと思います!」


 実況者の言葉に賛同するように、男性客達が大ブーイングを起こす。


「そうだそうだー‼︎ 実況者の言う通りだー‼︎」


「ナオ君よりナオちゃんが良いぞー‼︎」


「俺達のナオちゃんを返せー‼︎」


 そんな声にツッコむナオ。


「あなた達、この状況で随分余裕ですねっ‼︎」


 客にツッコんだ後、杖を構え直しドランと対峙するナオ。


「さあどうです? これが自分の本当の姿です。これでもまだ自分を女扱いしますか?」


 しかし、そんなナオの言葉に動じる事なく笑い出すドラン。


「フ……フッフッフッ……ブワァーッハッハッハー‼︎」


「な、何がおかしいのです?」


「お主……今、固有能力を使って姿を変えたのう?」


「変えたのではありません! 元の姿に戻ったのです!」


「フッフッフ。まだ言いおるか? 可愛い奴よのう」


「な、何が⁉︎」


「お主の固有能力……完全擬態、と言ったか? そう、擬態……つまり、今のその姿が仮の物じゃと、自ら明かしておるではないかー!」


 痛い所を突かれ、動揺するナオ。


「んなっ⁉︎ い、いや……これには色々事情があって……そ、それに、元の姿に戻ったって言ったでしょう?」


「フッ、能力を解除する時に、いちいち能力名を叫ぶ奴はおらんわい」


 してやったりという表情でニヤリと笑うドラン。


「なっ⁉︎ あ、いや……ですから……」


『ああーとぉ‼︎ これはどうやらドラン選手、完全論破だー‼︎ つまりはこの瞬間、ナオ選手はやはり元々美少女であったという事が証明された訳です‼︎」


「や、だから……はぁ……無意味な事に能力を使ってしまいました……」


 最早何を言っても無駄と悟ったナオは再び少女の姿となり、表情を引き締める。


「言うだけ無駄なら能力を使い続けるのはJPの無駄です。貴重なJPはあなたを倒す為に使います!」


「それでええ。さあ、ワシを納得させるだけの強さを見せてみぃ」


《ストレングス‼︎》

《アクセル‼︎》


 肉体強化と速度上昇の魔法を自身に重ねがけするナオ。


「行きます‼︎」

《フライ‼︎》


 加速した飛行魔法で一気に間合いを詰めるナオ。


《エアバインド‼︎》


 風のロープでドランを捕らえようとするナオ。


「おおっと」


 それを難無くかわすドラン。


《ライトブレード‼︎》


 杖の先から伸びた光を刃に変え、すり抜けざまに斬りつけるナオ。


「甘いのぅ」


 何と、その刃を指先で挟んで受け止めるドラン。


「ほれ、こっちへ来い」


 刃を掴んだまま、グイッとナオを引き寄せるドラン。


「くっ!」


 身の危険を感じたナオが、すぐに光の刃を消して距離を取る。


《アイスウォール‼︎》


 離れぎわにドランの周りを氷の壁で囲うナオ。

 着地したナオが、氷に閉じ込められたドランに追い討ちをかけようと杖を構えるが、いとも簡単に氷を砕き出て来るドラン。


「フォッフォッフォ。もう少し丈夫な壁じゃったら出られんとこじゃったわい」


「簡単に砕いておいてご冗談を」


「いや、世辞では無いぞ? その若さでこれ程の魔法を自在に使いこなす人間は、そうはおらんわい。お主の実力は充分分かった。これだけの力があれば、戦場で死ぬ事は無いじゃろう。まあ、ワシ程の手練れに出会わん限りはなっ!」


「なっ⁉︎」


 そう言った次の瞬間、一瞬にして眼前に現れたドランの手刀を受け、気を失ってしまうナオ。


『ああーとぉ‼︎ ナオ選手、ドラン選手の一撃を受けダウンー‼︎ ピクリとも動かないナオ選手! このまま決着してしまうのかー⁉︎』


「ワシの一撃をモロに食らったんじゃ。これで立ち上がれたら人間じゃ無いわい。さあ、魔界へ連れ帰って……ん? 何じゃ⁉︎ やけに軽……」


 ドランがナオの身体の異常に気付いた時、ドランの足元の地面から巨大な何かが出て来て、完全にドランとナオを包み込んでしまう。


「な、何じゃこれは⁉︎ 真っ暗で何も見えんぞい⁉︎」


 何が起こったのかは、ドラン以外の全員が理解していた。


『チョ……チョ……チョウチンアンコウだー‼︎ な、何といきなり地面から巨大なチョウチンアンコウが現れ、ドラン選手を食べてしまいましたー‼︎ こ、これは、魔法によるものなのでしょうかー⁉︎』

 

 リアル過ぎず、かなり可愛らしくデフォルメされたチョウチンアンコウが、闘技場に佇んでいる。

 その異様な光景にみんなが呆気に取られている時、どこからか魔法を唱える声が響き渡る。


《ディスチャージ‼︎》


「グギャアアアアアー‼︎」


 巨大アンコウの口の中から、ドランの悲鳴が聞こえる。

 その後、再び大きく開けたアンコウの口の中から、黒こげになったドランが転がり出て来る。


『ああーとぉ‼︎ 巨大チョウチンアンコウの口の中からドラン選手が無残な姿で現れましたー‼︎ という事は、このアンコウはナオ選手の魔法によるものかー⁉︎』


 実況者の予想通り、巨大アンコウの姿が光に包まれどんどん小さくなり、ナオの姿へと変わって行く。


「い、今のは全て……お、お主の仕業じゃったのか?」


 かろうじて意識のあるドランが、ナオに尋ねる。


「そうですよ。あなたを氷の壁に閉じ込めて視界を奪った時、完全擬態の能力で自分の姿をおとりにしたチョウチンアンコウに変身したんですよ。あなたをおびき寄せて完全に捕まえる為にね」


「フ、フフッ。そうか……ワシとした事が、お主を連れ帰る事に頭が一杯で、冷静な判断力を欠いておったようじゃの。ま、益々嫁にしたく……なった、わい……ガクッ」


「しつこいですよ。いい加減諦めてください」


『何と、巨大チョウチンアンコウの正体は、ナオ選手が変身した姿でしたー‼︎ いったいいつの間に変身したのでしょうか⁉︎ これぞ完全擬態の真骨頂です! ともあれ、この勝負はナオ選手の勝利となり何とこれで、勇者チームの3連勝です‼︎』


 ナオVSドラン

 ナオの完勝







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― 新着の感想 ―
[一言] え?自分に? いいえ、作中のナオさんにです( ˘ω˘ )b
[一言] 諦めちまえよ、楽になるぜ(肩ポン)
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