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ふぁでぃす・ばでんでぃん! ~バッドエンドからはじまるループもの~  作者: 作一生一
ミズコガエシ編

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11/29

011

*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*

 7時10分

 斜崎(ナナサキ)家、ダイニング

*━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━*

 

【俺】

「ども! おはようございます!」

 

 下に降りると、すでに叔母さんが朝食の準備をしてくれていた。

 

【カホ叔母さん】

「あ、ナタローくん。起きたのね。ちょうど今、起こしにいこうかってウチのヒトと話してたとこだったの」

 

【ケイジ叔父さん】

「ちゃんと自分で起きれてえらいねぇ……」

 

【俺】

「そんな、よしてくださいよ。俺だってもう子どもじゃないんですから」

 

【ケイジ叔父さん】

「いやいやいや、ハツホなんてほっといたらいつまでも寝てるよ。あの年にもなって」

 

【カホ叔母さん】

「そうそう、この間なんて店を開けるギリギリまで寝てたものねぇ……」

 

 と、物憂(ものう)げに溜息をつくのは佳穂(カホ)叔母さんだ。

 

 俺の母親の妹にあたる。ちなみに二人は双子なので見た目はそっくりだが、性格はまるで月とスッポン。ガサツで楽天家だったウチの母さんとは大違いだ。

 

【ケイジ叔父さん】

「夜遅くまで起きてるのがいけないんだよ……。ケータイの料金だって馬鹿にならないだろうに」

 

 で、こっちの黒ぶち眼鏡の奥で哀愁(あいしゅう)(ただよ)わせてるのが契二(ケイジ)叔父さん。

 

 母さんたちと違い血の繋がりはなかったが、父さんとは大の映画好きという共通点があり、二人はヘタしたら実の兄弟以上に仲が良かった。

 

 俺は今、この人たちの家に居候(いそうろう)させてもらっている。

 

【カホ叔母さん】

「ささ、食べて食べて」

 

【俺】

「ども、いただきます!」

 

【ケイジ叔父さん】

「つかれは取れたかい? 戻ってきたばかりの昨日の今日で大変だねぇ」

 

【俺】

「いえいえ、なにせ若いですから。これくらい、へっちゃらですよ………………あ! この味噌汁めちゃめちゃうまいです!」

 

【カホ叔母さん】

「あらそう? ハツホもウチのヒトも、食べるだけで何も言ってくれないからうれしいわぁ……」

 

【ケイジ叔父さん】

「え、そうだったのかい⁉ 弱ったなぁ……うん、おいしい! おいしいよ! カホさんの料理は日本一だぁ!」

 

【俺】

「お、叔父さん。そんなとってつけたみたいに言っても……」

 

【カホ叔母さん】

「もう、まったくこのヒトったら。昔っからこうなんだから」

 

【ケイジ叔父さん】

「え⁉ ええ⁉ そんなぁ~」

 

 その後も食卓は終始にぎやかな雰囲気に包まれる。

 

 だが、食後に俺が手慣れた様子で錠剤を飲んでいるのを見ると、一瞬……ほんの一瞬だが、叔父さんたちの顔が曇る。

 

 ……本当に。

 

 この人たちには迷惑ばかりかけてしまっている。

 

 頭が上がらなかった。

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