011
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7時10分
斜崎家、ダイニング
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【俺】
「ども! おはようございます!」
下に降りると、すでに叔母さんが朝食の準備をしてくれていた。
【カホ叔母さん】
「あ、ナタローくん。起きたのね。ちょうど今、起こしにいこうかってウチのヒトと話してたとこだったの」
【ケイジ叔父さん】
「ちゃんと自分で起きれてえらいねぇ……」
【俺】
「そんな、よしてくださいよ。俺だってもう子どもじゃないんですから」
【ケイジ叔父さん】
「いやいやいや、ハツホなんてほっといたらいつまでも寝てるよ。あの年にもなって」
【カホ叔母さん】
「そうそう、この間なんて店を開けるギリギリまで寝てたものねぇ……」
と、物憂げに溜息をつくのは佳穂叔母さんだ。
俺の母親の妹にあたる。ちなみに二人は双子なので見た目はそっくりだが、性格はまるで月とスッポン。ガサツで楽天家だったウチの母さんとは大違いだ。
【ケイジ叔父さん】
「夜遅くまで起きてるのがいけないんだよ……。ケータイの料金だって馬鹿にならないだろうに」
で、こっちの黒ぶち眼鏡の奥で哀愁を漂わせてるのが契二叔父さん。
母さんたちと違い血の繋がりはなかったが、父さんとは大の映画好きという共通点があり、二人はヘタしたら実の兄弟以上に仲が良かった。
俺は今、この人たちの家に居候させてもらっている。
【カホ叔母さん】
「ささ、食べて食べて」
【俺】
「ども、いただきます!」
【ケイジ叔父さん】
「つかれは取れたかい? 戻ってきたばかりの昨日の今日で大変だねぇ」
【俺】
「いえいえ、なにせ若いですから。これくらい、へっちゃらですよ………………あ! この味噌汁めちゃめちゃうまいです!」
【カホ叔母さん】
「あらそう? ハツホもウチのヒトも、食べるだけで何も言ってくれないからうれしいわぁ……」
【ケイジ叔父さん】
「え、そうだったのかい⁉ 弱ったなぁ……うん、おいしい! おいしいよ! カホさんの料理は日本一だぁ!」
【俺】
「お、叔父さん。そんなとってつけたみたいに言っても……」
【カホ叔母さん】
「もう、まったくこのヒトったら。昔っからこうなんだから」
【ケイジ叔父さん】
「え⁉ ええ⁉ そんなぁ~」
その後も食卓は終始にぎやかな雰囲気に包まれる。
だが、食後に俺が手慣れた様子で錠剤を飲んでいるのを見ると、一瞬……ほんの一瞬だが、叔父さんたちの顔が曇る。
……本当に。
この人たちには迷惑ばかりかけてしまっている。
頭が上がらなかった。




