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回帰する狂妃に捧ぐ  作者: 嘉藤 静狗
3/3

蛇足:ループの原因

 これでラスト。

 本編に出てこなかった人たちが黒幕(?)です。


 うっかり感性に触れて続編を書きたくなった方がいれば、是非この設定をご利用ください。

 

 早くに没した王妃の母は神の愛し子であり、死の間際に娘の幸福を祈った。

 愛し子の真摯で純粋な願いは神に届き、母は全てにおいてお膳立てされた(想い人の妻になったりとか)人生を送っていた。


 無論、死ぬ前と言う最も思念が高まるタイミングでされた願い事は、しっかり神に届いており、当の本人(王妃)の意思を無視して履行されていた。(幸福の基準は、あくまで愛し子による)

 祝福の効果は、十八で嫁ぐまでは、単に死なない・病気しない・衣食住に困らないといった(ささ)やかなものだった。だが、隣国を滅ぼしたことで魔女殺しとして呪われた王家に嫁いでしまったことで、「王子さまとの結婚すること」と言う(王妃の母にとっての)最大幸福条件を満たしてしまい、弱まった神の祝福の影響が及ばず、むしろ反転してしまい、結果王妃は不幸となる。


 ループが起こるのは、母親による『娘の幸福』の願いが達成されていないから。そして、何度も同じ手を使うのは病弱で世間知らずな母の考える幸せが、おとぎ話的な「王子さまと結婚すること」だったから。この母はループしていないので、延々と同じ思考を繰り返す。

 夫である公爵は夢見がちな妻を嫌い(?)、他所に女(どこぞの下級貴族の未亡人)を囲っていた。だが、夫は妻を殺そうとはしなかった。


 なるべく病死に見えるように毒を持ったのは、妻に懸想していた夫の弟である某伯爵。(横暴な兄から解放しよう!的な思考)

 この男は早々に神に地獄へと送られた。(神は自分では死の運命を曲げることはできないので、王妃の母の死は人間によって阻止されなければ未来改変への道は開けない。ただ、人の幸・不幸を操ることは可能。その結果死ぬことはある)


 妻の死後に愛人が後妻(=正妻)にならなかったのは、爵位が釣り合わない上、関係を持ったのは妻への当て付けだったから。もちろん、避妊はしていた。隠し子もいない。


 不思議ちゃんな妻から生まれた子には期待していなかったので、元より跡継ぎは親戚からとると決めていた。思いの外に娘が有能で王妃に選ばれたのには吃驚。(王妃に選ばれたのは、もちろん母の祈り=神の祝福の効果も関係ある)

 しかし、関係が薄いので「王妃の父親」の地位を主張することはなかった。実質絶縁状態で後ろ楯は名前だけ。助けてとも言われなかったし、助けようとも思わなかった。

 最も協力を請われたところで、王家に逆らおうとするほど情も権力も人望もないので、何もできなかっただろう。


 この国では宗教組織の権力はさほど強くないので、王妃の母が神の愛し子であると知るものはいなかった。神の愛し子は、見る人が見れば価値が分かるけど、知らない人からすると単なるお花畑さんにしか見えない。

 本来、神の愛し子は普通の人に御しきれるものではないので、神殿などで引き取られ、俗世から隔離される。(高位貴族の子女は逃れることも多い)


 王妃は関係改善を試みたり、跡継ぎになりたいアピールをした時もあったが、父は他人への想いが稀薄なため、無理だった。

 唯一気にしていたのが死んだ妻。どうやら、良くも悪くも父の感情を揺さぶる相手だったらしい。


 母の死の回避=ループの解除なので、王妃が「幸せになった」と見なされる段階まで生きていて貰う必要がある。

 しかし、神の愛し子であるが故に、身体が弱く、疎まれがちなので長生きさせるのはめっちゃムズい。(神による幸運補正や傷病耐性があっても夭逝しやすい)


 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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