3/4
蒲田の家2
あれは私が小学生高学年位の頃だったか。夏休みで祖母の蒲田の家へ滞在していたときのこと。夕暮れ時にパトカーや救急車がきて、ちょっとした人だかりが近所の商店街前の十字路に出来ていた。
祖母の話によると、そこで男子高校生が自動車に撥ねられ、即死したらしい。
数日間、しばらくご近所はその事故の話で持ちきりだった。というのも、事故のあと、救急車やパトカーが処理を終えて去ったあとの話が、ちょっとした話題になったのだ。
ご近所のAさんが、商店街へ行こうと、その事故現場を通り過ぎようとしたとき、男の子が遠くを見つめ、呆然としてつっ立っていたという。若い子にしてはどうにも生気を感じられない。あ、きっと人じゃない、事故にあった子だ!と気付いた瞬間、男子高校生と目が合った。すると男の子は、ハッとしたような驚いた顔をしてそのまま姿を消したという。
ちょうど同じ時くらいに、別のご近所のBさんは大きな人魂のような球体が、空をふわふわ飛んでいるのを見たという。
この人魂が男子高校生のものだったかは定かではないが、その後、お坊さんを呼んで供養してもらったという。それからはそこで何を見たという話は一切聞いたことはない。
もう随分と前のことだからとっくに成仏していて、魂は安寧な日々を送っているに違いない。




