表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未定  作者: 悠木サキ
44/66

第44話 錯乱

 『アマネ』右舷──セーグネルら第二分隊は襲来する敵の攻撃隊に備えていた。

「小隊長より、第二第三分隊。破砕線を距離二百に設定し、敵を撃破せよ」

 通信機から艦上守備隊を統率する小隊長の指示が下った。

 破砕線とは、敵がその距離まで到達したら攻撃を仕掛ける距離のことである。

 距離二百──敵が二百メートルまで近づいてきたら、機銃及び小銃で一斉射撃を仕掛け敵を迎撃するのだ。

 セーグネルは分隊員たちにその旨を伝達する。

「破砕線を二百メートルに設定する!私の合図で撃て!」

「了解!」

 分隊員らの返事には緊張の色が帯びている。

(この戦力で戦えるか……?)

 セーグネルは内心焦っていた。現時点での第二分隊の人数は七人──先の戦闘の負傷で脱落したジオと、左舷の支援に向かったシーナとカウル両名が不在で、今は自分と通信士、ノベルとアビィ、他三名の隊員しかいない。もちろん、シーナとカウルの二人がここに戻ってきたとしても、二人は専ら対空要員なので数には入れられないが……

「敵は味方の対空迎撃要員を狙ってくる!とにかく敵を近づけるな!」

 敵の攻撃隊──艦上攻撃隊の役割は敵艦の戦闘機能を奪うことである。その最たるものが敵の対空迎撃要員の排除であり、これによって艦の防空能力を喪失させ、艦砲による攻撃を有効にするのが艦上攻撃隊の目的である。 

 問題は、兵士一人一人が強大な戦闘力を持つ敵の攻撃隊を、他の分隊を含め、この戦力で退けることができるかどうかである。

 


「攻撃隊さらに接近!距離六百!」

 隊員が報告をあげる。

 敵の攻撃隊までの距離が六百メートルをきった。

 敵の姿は肉眼ではまだ点のようにしか見えないが、時間と共にその距離は狭まっている。

「撃ち方用意!」セーグネルが号令する。

 分隊員が小銃を構え、弾倉に『心』を注入する。機銃手のノベルも機銃の銃把を両手で握り、照準を敵の攻撃隊に合わせる。

 しかし、まだ発砲はしない。六百メートルの距離は機銃、小銃ともにその有効射程だが、敵もこちらも動いているため、命中率は著しく低くなるからだ。

──敵が破砕線に到達するまでは、堪えなくてはならない。

 分隊が緊張の面持ちで、各々の火器を構える。

 ズウウン!!

 その間も、右舷側に現れた敵駆逐艦からの攻撃は続き、迎撃し損ねた砲弾が右舷の海面に着弾する。

 水柱が上がり、海水の飛沫がセーグネルたちに降りかかる。またもや至近弾だった。

 艦が揺れ、分隊員たちの不安を煽る。

 その時だった──

「いやーっ!!」

 突如として、分隊の中から悲鳴があがった。


ブックマークしていただき、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ