第43話 ガキの使い
シーナに指示されたカウルは、後ろの掩体にいる第四分隊の兵士のところに走っていった。
「すみませんっ!」カウルは一番近くにいた隊員に声をかける。
「なんだっ!?」戦闘中に何事かと、その兵士は反応した。
「あのっ、あっちの右舷のほうで何か起きてませんか!?」カウルは大声を出して、右舷を指差す。「あっちから砲弾が飛んで来たって、彼が……」
「なに?!」その兵士は、怪訝そうな顔をして、隣にいた同僚の兵士に顔を向ける。
「右舷に敵がいるのか?!」「そんなの聞いていないぞっ」
彼らも気がついていないのか、あるいは知らされていないのか、兵士たちは二三、言葉を交わしたのち一人が奥に走って行った。彼らの上官である分隊長に訊きに行ったようだった。
そして、すぐにその兵士は戻ってきて、
「右舷に敵艦が現れた!だが一隻だから、右舷の隊が応戦している!わかったら早く行け!」
と、カウルに教えてくれた。
「ありがとうございますっ!」
情報を得たカウルはすぐさまシーナのところに戻った。
「スレヴィアス上等兵!」
シーナのところに戻ったカウルは、シーナの迎撃射撃を邪魔しないよう、射撃の合間を縫って報告を上げた。
「右舷に、敵の艦が一隻現れたそうですっ!」
「ぁあ!?」対装甲狙撃銃を構えたまま、シーナがぎろりとカウルに眼を剥いた。
「艦種はっ?!」シーナが鋭くカウルに問う。
「えっ──あっ……」『敵艦が一隻』としか聞いていなかったカウルは返答に詰まる。
「俺たちはどうするんだっ!戻るのか!?」シーナが矢継ぎ早にカウルに詰問する。
「えっ、いやでも、右舷の人達で対応してるって──」
「対応できてんのか!?砲弾撃ち漏らしてんじゃねえかっ!?」すぐにシーナに反論され、カウルは返答に詰まる。
確かに、右舷から支援にやって来た自分たちがどうするのか──ここで支援を続けるのか、それとも右舷に戻るのか、そこまでもっと訊いておけばよかった。
カウルがもう一度訊きに行くか戸惑っていると、
「チッ!」とシーナは舌打ちをして、突き放すようにカウルから目を逸らした。
──子ども(ガキ)の使いが!
シーナは内心毒づいて、前方──対装甲狙撃銃の照準に意識を集中する。
(もういい……今はこっちを──)
左舷だって切迫した状況にある今、余計に心配している余裕はない──シーナは右舷のことを頭から切り離す。
「っ!」
敵艦隊から放たれた砲弾が、またもこちらめがけて飛来するのを視認したシーナは、再び対装甲狙撃銃の引き金を引いた。
語彙や表現が乏しくすみません。
身も蓋もないですが、何を描写したいかを雰囲気で察していただけたら幸いですm(_ _)m




