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04悪役令嬢、作戦を立てる

「それで、そのパーティーはいつ頃開かれる予定かわかるのか?」


お母様が少し落ち着くのを待ってからお父様が話を戻した。できればお母様には休んでいただきたかったけれど共に聞くと言ってきかなかった。


「えっと、たしかイヴの16歳の誕生日の少し前のはずだから・・・。」


お兄様が記憶をたどる。


「イヴ・・・わたしはお前の誕生日はもうすぐだと思っていたのだが?」

「ええ、お父様。たしかにもうすぐね。お父様には新しいブローチを買っていただこうと思っているもの。」

「イヴ、お母様と一緒にお買い物に行きましょうね!」


しばしの沈黙のあと私たち3人はバッとお兄様を見た。


私の誕生日は30日後だ。


「お兄様!どういうこと?あと30日もしないうちに私は殿下との結婚が決まるって言いたいの!?」

「だから焦ってるんだよ!」

「むしろなぜ今までこのことを言わなかったんだ!お前は10年以上前からこうなることがわかっていたんだろう!」

「いや、だって信じてもらえると思わなかったし!それにゲームと違ってどう見てもイヴは殿下のこと好きじゃなさそうだったから、シナリオ通りにはならないって思ってたんだ!」


やいやいと揉め始めた私たちを止める声がした。


「まぁ、あなたたち落ち着いて。とりあえずお茶でもお飲みになって。」


先程までは誰よりも取り乱していたお母様が今は優雅にお茶を飲んでいた。いつの間にか立ち上がっていた私もお父様もソファーに腰を下ろす。


「エドの話を聞く限り、その物語の中でイヴは殿下のことを愛していたからこそ結婚することになったということね?」

「ああ。愛し過ぎていて、ヒロインに愛情を傾ける殿下が許せなくて、ヒロインが憎くて…ヒロインを虐めたり嫌がらせをしたり、ついには殺そうとしたりする。そしてそれを断罪されてイヴは・・・。」

「とりあえずそれについては心配いらないわ。私、殿下のこと別に好きじゃないし・・・。それに・・・誰かを殺すだなんてそんな恐ろしいこと絶対にしないわ。」


武術の心得も無いのに誰かを傷付けるなんてそんなこと考えただけで身震いしてしまう。


「だとすれば、心配すべきなのは先程話に上がっていた離縁についてのイヴの処遇ね。なら、やるべきことは一つしかないわ。さっさと婚約を破棄してもらうのよ!イヴの誕生日までに婚約解消されることが1番いいわ!」


お母様はあっさりとそう言うが、もう何度も申し入れしているのに婚約解消はされていないのが現状だ。今までの方法ではどう考えても無理だろう。


「もうイヴが直接殿下と交渉したらどうだろう?僕や父上が言ってもダメでも、イヴの言葉なら少しは響くかもしれないし。」

「え!私・・・パーティーのエスコートの時以外でほとんど殿下と話したことないんだけど。」

「だからこそだ。何日か粘ってみてダメだったらまた別の作戦を実行しよう。実はいくつか手は考えてあるんだ。」

「でも・・・。」


弱気な私の肩をお兄様ががしりとつかみ、その上からお父様やお母様の手も添えられる。家族の思いが込められている気がした。


「いいかい、イヴ。婚約解消されずに結婚してしまったらお前は処刑されるかもしれないし、僕たち家族もただじゃ済まない。これは僕たちみんなの運命の分岐点だ。頑張るしかないんだ。目指せ、婚約解消!目指せ、脱・悪役令嬢!」


こうして不安いっぱいのなか、私はお兄様の作戦を実行することになった。

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