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チェリー Sec―5

チェリー Sec―5


季実子、アフタヌーンテータイムが一息ついたところで、

結子に・・・・

「ねぇ・・・・結子さん!」

「来週の土日空いてない?」

 「えぇ・・・・大丈夫ですけど!?」

「なら・・・・頼めない?」


季実子の頼みとは、添乗員の依頼だ!

 「・・・・はい! でも・・・もう一年近く空いて・・・・」

「大丈夫よ! 上高地の1泊だから・・・・」

 「そうですかね!」


上高地方面の1泊、2泊の旅行なら結子、

社員の時、毎年のように添乗員として同行しているので、

それなりの自信があるが・・・・

 接客に1年のブランクがあるのが多少気になる。


それを熟知して、季実子は依頼している。

季実子は北海道に3泊で帰りは土曜日の午後で無理!

穂香は青森日帰りだが添乗員として・・・・・

流石に大河一人で上高地1泊はまだ無理!

同僚の友人に頼んだが、現在のところまだ決まっていない。

そこで、結子に白羽の矢を立てたのだ!


 結子はかなり前向きに考えている。

これまでも、1泊2泊の添乗員で家を開けることは何度もあったが、

その時は、母がいたので家族に迷惑はかからない。

 おそらく、今なら夫や子供のOKは出るだろう。

それに、あの素晴らしい上高地の景色、空気があっという間に蘇った。


「あの・・・・私でよければ!」

「そう! 有難う! それじゃお願い!」

「で・・・もうひとつお願いが・・・・・・」

 「まさか!?」

「そのまさか・・・・・・よ!」

 「・・・・・・私は良いですけど・・・・・」


 この状況を二人以外、3番目に認識したのは穂香だった。

そう・・・・、大河を結子に同行させて研修させるのが目的のようだ。

 「えっ! えっ・・・・・それなら・・・・・私と!」

「それは、無理!・・・・・わかるでしょ!」

 「・・・・・・・・だい・・じょう・・・・」

「大丈夫じゃない!」

「貴方! 一歩も気を抜けないのよ!」

 

「・・・・そうですけど!?」

「これまでの貴方たちの様子、ずっと観察していたけど、無理ね!」

 「・・・あれは・・・お客さんがいなくなって・・・・」

「いいえ、私が2つも3つも電話受けられる!?」

 「・・・・・・なら・・・呼んで・・・・」

「呼べるわけ無いでしょ! 電話中に!」

 

 どうやら、思い当たる節がある様だ!

その話は、結子・・・・聞いていない!

 これは、相当重症だ!

「で! 結子さん! 大河きっちり教育、お願いします!」

 「あっ・・・・・はい!」


これは結子、単純な添乗員の仕事以外にも、

大役が任されている事を実感した。

 もしかすると、そっちのほうがメイン?


 そして、穂香残念がる!

そうだろう・・・・堂々と会社のお金で観光旅行が・・・・、

大河と楽しい、楽しい旅行が出来るはずだったのだから・・・・

 例えどんなに、気をつけるとからと言っても、

間違いなくあの二人なら、お客さんに不愉快な思いをさせてしまう。


 燃えている二人には、周りが見えなくなっている。

それに、初めての添乗業務、そんな簡単な仕事ではない。

 結子も、始めての添乗員として先輩に同行したが、

それは、それは大変だった。

 バスの移動では、トイレの心配、ドライブインで平気で遅れてくる人、

忘れ物があったと・・・だから戻って! この判断も困る。

 他に、旅館ホテルの相部屋でのトラブル!

言えばきりが無い!

 きっと、そんなトラブルがあっても、ベテラン添乗員でさえも、

上手く処理するのは至難の業だ。

 

下手をすると、もう大丈夫と二人でどこかへ消えてしまう事態も、

想像できる。あの二人なら!

 そんな現状を想像して、大河の教育係に結子を指名したのは、

季実子はじめからの構想だろう! きっと!


 そして、些細な事が大事に至る!

すると、この様な小さな田舎で旅行業など、

いっぺんに客が逃げてしまう。


「大河! いいわね! 結子さんにきっちり教育して貰いなさい!」

 「はい! そうします、頑張ります!」

 「結子さん、宜しくお願いいたします!」

あれ・・・・・?意外といい返事の大河に、

季実子、結子は以外・・・って感じ!


 面白くないのは勿論穂香だ!

明らかにふくれっ面の穂香、大河を睨み付ける様に!

 「そうね! 大河! しっかり真面目に教育して貰って!」

「はい! 穂香さん!」

 「いいわね! 余計な課外授業は絶対にダメよ!」

「・・・・・はぁ・・い!」


 これは完全に、穂香、結子に非常線を張っている!

大河にも・・・・・・、そして結子にも!

「大丈夫! 結子は奥さんです!」

と、季実子フォローをするが・・・・・・

 「えっ・・・・季実子さん!」

「今! そんな奥さんが一番危険でしょ!」


「・・・・・・そんな事、無いから!」

と、結子が言葉をかぶせる!

しかし、結子その言葉の中にちょっとしたアバンチュールを、

体感したい気持ちに・・・・

 穂香が、その結子の心を見透かすように、かなりきつい目で睨んだ!



CB&D・Cup  Cap-5 Fin    IKAROS





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