チェリー Sec―43
チェリー Sec―43
「行って・・・・いいかい!?」
「だいじょう・・・・ぶ!」
「俺・・・・暇なんだ!」
「そう・・・・・・」
その悟との会話の終に、穂香は期待をしていた。
悟が来てくれる事を・・・・
穂香は悟との楽しかった思い出が、波が押し寄せるたびに、
1つ そしてまた1つ と蘇る。
そう、悟は優しかった。
どんな時も・・・・どんな場所にも来てくれた。
そんな悟を・・捨てたのは穂香 私なのに!
悟は穂香が別の人に関心を持つと、
さりげなく身を引いて去って行く!
“俺待っているよ、ずっと!“って・・・
穂香の気持ちを察して・・・
そんなわがままに甘えて、悟の心を捨てて大河に走った!
穂香は無性に寂しかった!
昨夜大河に抱かれたのに!
何故か心は違った・・・・気がした!
傍に・・・、体をぎゅっと抱きついていても何処か違った!
別の大河みたいで・・・・今までの大河より大きくなって!
逞しさは感じた!
でも穂香の手から・・・心から離れて行く様で・・・
距離を感じて・・・でも暖かかった!
人影の無くなった海岸線に、
遠くの太平洋の海に
こんなはずじゃ・・・無いのに!
悟・・・・・さ・と・る ・・・逢いに来て!
ごめんね! こんな風に悟も・・・・・
日が暮れかけて・・・
もうどれ位・・・・
穂香の携帯は鳴らない!
そう、携帯の残量計はゼロ!
数キロ離れた国道で、3時間前に救急車が走り抜けた!
バイクがスピードオーバーで路肩に衝突!
大破されたバイクは撤去された!
ドライバーは瀕死の重傷!
「どうしたのかしら・・・穂香!」
「出たきり帰らない。」
「何処に行ったのですか?」
少してんぽ遅れて大河が・・・・
「営業でしょ!」
季実子は、穂香に言った言葉のきつさに・・・・・
自らのその言葉に戒めるように!
「何処に! 農協・・・・・?」
「大河! 農協に電話して!?」
「いいえ! 行ってきます!」
「だめよ! もう着く頃閉まるわ!」
季実子は自ら電話した!
「そうですか・・・・2時頃来て」
「直ぐに帰った! どうも有り難うございます!」
今度は穂香の携帯に電話するも・・・・・
“あなたのおかけになった・・・・・電波の届かない・・・・”
“あるいは電源が・・・”
もう何度もこればかり!
「大河電話してみて! あなたの携帯から!」
「・・・は! はい!」
大河はいつもと違う雰囲気を察した!
急いで穂香の番号を押す!
やはり・・・・同じ!
“あなたのおかけになった・・・・・電波の届かない・・・・”
もう一度押す!
“あなたのおかけになった・・・・・電波の届かない・・・・”
“あるいは電源が・・・”
「俺・・・探しに行ってきます!」
「何処へ!?」
「・・・・とにかく探しに行きます!」
「ちょっと!・・・・・」
「私も行く!」
「はい!」
季実子と大河は事務所の鍵を閉めて、留守電にセット!
季実子の携帯に転送もセット!
急いで二人は大河の車に乗った!
「あては・・・あるの?」
「・・・・・いいえ!」
「全然・・・ないの!?」
「少しはあります!」
「穂香さん、何かありましたか?」
「・・・・ちょっと言い過ぎたかな!?」
「・・・・どんな?」
「大河、あなたがいきなり数字稼いだから・・・・・」
「えっ!?」
「営業で数字出して・・・・・って!」
「・・・・そうなんですか・・・・」
「でも、そんな事じゃ・・・・・・」
「・・・・ですよね!」
そこで2人の会話は途切れた!
そう、大河にも心当たりが・・・・・
車のデッキにアイポットからケーブルが・・・・
そこから流れる曲はアユの49thシングル“crossroad”
50thシングル“L” 浜崎あゆみの曲が流れる!
そう、“crossroad”はあの小室哲哉作曲による超話題の新曲!
・・・・・何故かむなしく流れる!
CB&D・Cup Cap-43 Fin IKAROS




