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第20話 敵指揮官の考察 

「他の基地から援護が送られない!?」

交代で下がってライムと合流した時、その話を聞かされた。

「うん。完全に足止め状態みたい。しかも、どの基地も攻撃を受けていない状況でね」


話を聞くとこうだ。

指揮官が搭乗しているとされる大型指揮者と随伴する帝国機の大群。

しかし、敵軍は部隊展開をした後・・・動きが全くないそうだ。

こちらが他の場所に部隊を移動させようと攻撃準備を始めるような動きをする。

それに反応した動きをすると、帝国側の動きは止まり元の位置に戻る。

それの繰り返しで、警戒態勢を解くことができないとのこと。



「なるほど。完全に向こうの作戦勝ちだなこれは」

「・・・いや、それはそうなんだけど。その状況になってるんだけどね私たち」

お手上げ状態ですね。

他の基地は膠着状態を維持、その間に戦力を注ぎ込んで中央防衛拠点を制圧してしまおうと。

無人機を大量に投入して、こちら側の体力を徹底的に削る。

恐らく疲弊した頃合いを見て、搭乗機で編成した部隊を一斉に投入してくるのかな。

そう言うと、一緒にいた騎士部隊隊長が頭を抱えている。

「どう考えても・・・後方部隊に援軍を送るしかないか」

「しかし、その部隊は」

「わかってる。学生諸君の部隊ではない。基地防衛部隊の騎士団のことだ」

「わかりました。何とか派遣してもらえるように伝えに行きます」

そう言って伝令兵が向かう。

間に合うかどうかわからないがな。




「さて・・・おい、そこの君」

「はっ!」

隊長がそう言い、近くにいた兵士を呼ぶ。

「交代に出撃する予定の騎士に連絡。作戦を変更、徐々に後退しつつ前線を下げると」

「はっ・・・えっ?それは」

「わかってる。だが、このまま前線にでている部隊に犠牲者が出ると後の防衛に影響が出る。

敵が無人機というなら、攻撃や動きは単調だろう。学生部隊の彼らでも対応できると思われる。

特に遠距離担当の彼らの力は必要だろうと思われる」

なるほど。

基地への攻撃を許すかもしれない。敵の大攻勢に耐えれる可能性があるかどうかわからない。

それでも被害を減らすためには、そうするのが最善だと思ったんだろうな。

この隊長、優秀だな。

兵士もすぐに意図を掴んだのか、敬礼一つ走り去った。


「しかし・・・敵の指揮官は優秀だな。このような作戦を考え付くとは」

「確かにそうですね。私では思いつかないです」

「ライムさんが思いつかないのなら、私ではまず無理でしょう」

「いや・・・私と父は違いますからね?」

ああ、ライムの父親は偉い立場だからな。この人は知ってるわけね。

「・・・もしかしたら指揮官は、かなり前からこの作戦を計画していたかもしれませんね」

ユフィがそう言うと、みんなの視線があつまる。

「そう思う理由をお聞きしても?」

隊長が聞く。というか・・・気づいてるなこの人。

まあ、こんな最前線の指揮官になる隊長だ。知っててもおかしくなかったか。

「はい。話は先に得た情報も関わるのですが・・・3年前から情報がもしかしたら偽情報だったかもしれないと。その時から、あるいはそれ以前から今回の作戦を立てていたと思えます。さもないと、これだけの数を用意することはできなかったのではないかと」

そう言われて気づいた。

そういえば、そんな報告を聞いていたのを忘れてた。聞くの頼んだの俺なのに。

「なるほど。偽情報を送っていたのは、起動鎧の数を用意しているのを隠すためだったのか」

隊長もそのことに気づいた。

確かに優秀だ。


まるでこの展開を予想していたような・・・?

予想。

・・・まさか。だが、そう考えると無理な話ではない。



本当に積んでないかこれ。



「よし!とりあえず、今できることをしていこう。部隊編成をいそげ!あと、後方部隊からの連絡が来たらすぐに知らせろ!」

そう言って隊長が離れていく。

その姿が遠くに行くのを見送った後、俺は3人を傍に呼ぶ。

「どうかしたの?」

「・・・なにかわかった?」

「わかったというか、予想だ」

「どんな予想でしょうか?」

「敵の指揮官・・・俺と同じかもしれない」

「同じ・・・この場合の同じというのは、君と同じ転生者と言いたいってことでいいのかな?」

ライムの発言に、俺は頷く。

「以前言ったことの追加だが、この最終戦に関してはゲームでも描かれている。また、防衛施設の数はこの世界で調べればわかること」

「そういうことですか。・・・ちなみに、その中で王国の諜報員のことも?」

「ああ。はっきりと。『諜報員からの情報により』ってな」

「・・・なるほど。いるとわかっていたなら調べるなり餌を巻くなりしてというわけか」

ユフィの質問にイエスと返答、リースがそう予想。多分当たってるだろうな。

餌を巻いておびき出したというほうだと思うけど。

「しかし、それがわかったとして・・・この後どうしよ?」

「うむ。今回の作戦を立てたのも恐らくそいつだろうと思うけど・・・もしかしたら、そいつより前にいる転生者の作戦かもしれないってのがわかったくらい」

「つまり?」

「後の祭り。この後の展開がどうなるかわからないままだな」

そう言って俺は、肩をすくめることしかできなかった。

相手のことを予想できたとしても、ここまで動くとなるともう手遅れだ。


もう、この後のこちらがわの騎士団の作戦が上手くいくことを祈るだけだな。



後は俺たちも入れ替わり前線にでて攻撃。

できるだけ敵起動鎧の数を減らして、作戦で決めていた時間で後退開始。

なお、こちら側は間隔を空けて攻撃にまわったので。

『撃つべし!撃つべし!撃つべし!』

俺は周りにいる味方を気にする必要がなくなったので、持ってきていたマナ銃を撃ちまくっていた。

『おい!?撃ちすぎだぞ・・・ってほとんど当たってない!?』

こっちを見る余裕などないだろうが。あと命中率に関しては余計なお世話だ。

『何度見てもすごいよね、ダイスの射撃』

『・・・うん。あれだけ接近してどうして外せるんだろ?』

うるさいよ、味方の援護攻撃は敵に向けてやってください。

と、気づいたら撃てなくなった。

いらないから、せめてものと敵機体に投げつける。

あ!無人機の癖によけやがって!それくらいよけるな!

『いえ・・・ただ外れただけですよ今の』

ユフィまで・・・追い打ちしないで。



そんなことをしていたが、やはり敵の数が多すぎる。

減っているような気があまりしない中・・・後方に防衛拠点が見えてきた。




そして、その時。





その防衛拠点から、一つの光が飛びあがった。





それは・・・決して作られてはいけない物であった。


この攻勢を考えた時、ある程度敵側のことも決まっておりました。

しかし「敵側の準備にどうして諜報員は気づかなかったのか」という部分で悩んだので・・・敵側にも登場していただくことにしました。


ゲーム内での流れを知っているので、それを相手の立場に立って作戦を考えたというところです。


なお、ダイスくんの射撃命中率は、「動いている相手」に関しては「0」です。


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