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道

<学校(スクール)>では女子の方が数が圧倒的に多いが、それは結局、男子の場合は、職人に弟子入りしたり、兵士を目指して軍に志願したりという形で、なんだかんだと<道>があったのに対して、女子にはそこまでのものがこれまでなかったからである。


そんな少女達は、


「シェイナ様! シェイナ様!」


そう歓声を上げながらシェイナを取り囲む。レイラやパティリエカのことはそれこそ畏れ多くて近付けないが、元はといえば<賤民>の一人でしかなく、それがわずか一ヶ月で第一王女パティリエカの侍女にまで登用されるくらいになったのだから、まさしく、


<自分達でも手が届くかもしれない等身大の偉人>


であり、憧れの的だった。女子生徒の多くは生まれた時点で臣民だったものの、たとえ臣民でも王族のすぐ傍に仕えられるようになるのはごく一握りなので、出身がどうあれ彼女達よりも明らかに高い地位にいるのだ。しかも、


『能力のある者は元の身分に拘わらず重用される』


のは<ベル・ルデニオーラ>の伝統であり、実際に能力を見せれば蔑まれることもまずないという感覚があった。だからこそシェイナに憧れるものは多い。


当のシェイナも、最初の内は遜り過ぎて卑屈にさえ見え、それをパティリエカに叱責されたりということもあったものの、約一年を経た今では、主人に恥じぬ堂に入った振る舞いもできるようになっていた。が、同年代の少女達に囲まれて照れくさそうに笑顔を浮かべるその姿は、やはり歳相応にも見えるだろうか。


一方、パティリエカについては、シズカとニューティから<学校(スクール)>の現在の運営状況について説明を受けていた。


そして、車椅子に座ったままでそれらの光景を、穏やかに微笑みながら見つめているレイラを、生徒達は遠巻きに羨望のまなざしを向けるだけだった。


約一年前、この世界を滅亡の危機へと陥れていた<魔王>を一人で討伐した大恩人。しかしその戦いの際に受けた<呪い>により今は体を動かすこともままならず、<人としての悦び>さえ奪われた(ということにシズカがした)彼女のことは、それこそ、


<雲の上の存在>


にも思えるのだろう。ただ、ロボットというものを理解できないこの世界の人間達にとっては、むしろその距離感が必要だったのかもしれない。


『自分達とは違う』


という事実を受け止めるにもそういう<言い訳>というかフィルターが望まれているのだろう。ただ、その一方で、復興が進むにしたがって、


<魔王を退けた英雄>


の存在を利用しようという動きも、実は生じ始めていたりもするが。


「実は一番上の兄上を、<帝政バルラシアム>があった地に新しく興す国の王に据えようという動きがあるのですが、その権威付けにレイラ様を利用しようとお父様は考えてらっしゃるようなのです」


パティリエカは、シズカやニューティにそう語る。


そんなあれこれもありつつも、<学校(スクール)>の生徒達は皆、明るい未来を夢見ていたのだった。



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