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神外と刀と鍛冶の神

 長き休みが今、終わる……………


 イヤだぁ!!行きたくないぃぃ!

~神の声~


 朝。まだ日も出ていない時間に、あるはずのない人影が一つ、騎士団の訓練所で動いていた。その動きは速く、力強く、そして美しい動きだった。


 「……………ッ!」


 無言で木刀を振っていたのは暁久じゃった……どうやら、体が鈍らないよう、いつもこの一ヶ月間・・・・ずっと続けていたようじゃな。


 ……む?あぁ、そうじゃそうじゃ。暁久達と国王の謁見からもうすでに一ヶ月たったんじゃよ。

 あの謁見のあと、残った暁久達は質問をしたり、言われたり、男四人馬鹿な話をして王女に呆れられたりしたようじゃ。まとめると、



 ・霧夜がヴィネティアとの婚約するのを認めた。

 

 ・国王は鑑定スキルを持っていて事前に霧夜のステータスを知っていた。


 ・剛鬼が王に自分達の武器はどうするのか聞いたところ、自分の武器がないものは貸してくれるらしい。


 ・王が暁久のステータスを見て、せめてもの詫びの印に出来る範囲で権利を与える。


 ・暁久が後日、城下町に自由に出れる権利、宝物庫の武器を一つ貰える権利をもらった。


 ・国王と友達になった。(霧夜は義息子だが。)


 

 などがあったのう。

 また、冒険者ギルドで登録をした際、絡んできたやつと少しお話(物理的)をして仲良くなったこともあったぞい。


 やはり暁久の狙い通り、天樹やその取り巻きが暁久に目をつけたらしい。謁見での鬱憤を晴らすように、暴言を吐いたり、見下したり、殴ったり、蹴ったりなど、見ている方が痛そうだったのぅ。

 が、やはりそこも神外。ダメージはいくら殴ってもゼロ。逆に痛がるマネをすることを面倒だと暁久は思ってきているのぅ。



 ……さて、そろそろ時間じゃ。アマテラスに次の勇者が来たから来いとよばれておったんじゃ。

 早く行かないとアマテラスにあばら骨を折られてしまう。

 ………あれはすごく痛いからのぅ……………頑張るのじゃ、暁久。フォッフォッフォッフォッ!!
















~主人公視点~


 「………ん?」


 今、誰かに見られていたのか?………周囲に張っておいた気配察知結界にも反応はないし……………ううん、分からん。


 「体が軽いな………異世界補整とはすごいな。

 そろそろ、夜が明けるな。今のうちにシャワーを浴びて部屋に戻るか。


 





 『カポーン』


 「ふぃ~」


 やっぱり風呂は良い。体の中まで温まるし、リラックスできる。


 「にしても、デカイな。ここの風呂。」


 いやだってね?王宮の風呂だからって言うのは分かるんだけどさ、規模が桁違い過ぎるんだよね~

 ほら、よくある銭湯や温泉の十倍か、それぐらいあるんだぞ?もうなんかね、落ち着けないんだ。すごく。


 「…………もう出るか。」


 風呂から上がったあと、服を着替え、部屋に歩いて戻った。部屋にある時計を見ると朝の5時すぎだった。朝食までまだ時間もあるし、適当に暇でも潰すか。

















 「あれ?訓練所の照明は消したと思ったんだけど……」


 結局、部屋だと暇を潰すことはできなかった俺は、王宮を散歩することにした。歩いていると、訓練所に明かりがついているのを見て、ふとそんなことを口にした。


 「フッ!……フッ!……フッ!…………」


 見ると霧夜が剣道のように、木刀を振っているのが目に入った。


 「ヘェ、かなり様になってるな。」


 そう、それはたった数日では真似できない、長年やり続けていたような素振りだった。剣術スキルがいくら高くても、こんなもすぐにできるような動きではなかった。

 確かに、剣術スキルがサポートしてくれると言えど、そんなものは微々たるものだ。

 初めて素振りをするものが、剣術スキルを持っていると初心者よりかは上手くなる程度。

 ……………あれは確実に剣道か何かをやっているな。霧夜が剣道をやっているとは聞いたことないが。俺と同じように隠れてやっていたのか、それとも今はやっていなくて昔やっていたのか………


 しかし、一ヶ月もずっと朝の素振りをしていたのに気付かなかったな。今まで良いタイミングですれ違っていたのか。


 「………ハァ……ハァ…フゥ。」 


 ちょうど一区切りついたところで、霧夜に向けて拍手した。


 『パチパチパチパチパチ』


 「……ッ!?……………なんだ、暁久か。」


 「なんだとはなんだ、失礼な。それともなんだ?俺じゃなくてヴィネティアさんがよかったってか?」


 「いや、別にそういうわけじゃないけど……」


 苦笑しながら言う霧夜に俺は、


 『ブンッ』

 

 「危なっ!!」


 グーパンチをしたけど避けられた。クソッ!!


 「おうおう、お熱いですねぇ?えぇ?霧夜さん。剛鬼もお前もそうだけどよぉ、なんでお前らが彼女いて、俺が誰一人いないんだよ!!ふざけんなよ!!羨ましい!!!」


 「知らないよ!!そんなこと!!」

 

 「そんなことだと?俺にとっちゃあ一番大事なことなんだよ!!!」


 ボソッ「だいたい、暁久にはあの三人がいるじゃないか………」


 「なんだって?聞こえないぞ?」


 「ハァ……………なんでもないよ。」


 なにぼそぼそ言ってるんだ?アイツ。まぁそれよりも、


 「いいから一発殴らせろ!!!」


 「いやいや!!だからなんでそうなるの!!」


 「うるせぇ!!爆発しやがれ!リア充!!」


 この追いかけっこは朝飯の時間になるまで続いた。

















 「よし、今日も訓練を始める……前に全員の武器ができたので、取りに行くぞ。アマギやナカザキも、普段用の武器ができている。お前達もついてこい。」


 朝食を食べ終えると訓練をするため、すぐに訓練所へ集合した。異世界に来た翌日から訓練があった。しかし、借りている武器はすぐに壊れやすく、専用の武器を作るしかなかった。

 国宝である名剣や名槍ぐらいなら壊れないが、流石に国宝の武器を出すわけにもいかない。それに、数も少ないしな。

 そして霧夜や天樹は聖剣をいちいち出していると余計な魔力を使うから、普段使う用の武器は用意しておいた方がいいだろう、と言う判断で武器を打ってもらった。


 ちなみに、この一ヶ月で身に付いた知識を言うと武器にはランクがある。上から、


 《世界ワールドクラス》

 《神話ゴッドクラス》

 《幻想ファンタジークラス》

 《伝説レジェンドクラス》

 《兵器ウェポンクラス》

 《上位グレートクラス》

 《下位ノーマルクラス》

 《最弱ワーストクラス》


 の八段階あって、一般人や下位の冒険者は《下位クラス》《最弱クラス》、騎士団や上位の冒険者は《伝説クラス》《兵器クラス》《上位クラス》が使われる。

 人類の中で最も強いと言われる四人、【四強皇】は《幻想クラス》を使うらしい。

 あとの二つのランクは発見されていない。国宝とされるのは《兵器クラス》から上のものが多い。

 俺達勇者が使っても壊れない武器は、《兵器クラス》より上でなければいけないと言うことだ。


 ちょうど、王都に《鍛冶の神》と名高い職人がいたので、俺を除く、三十人分を打ってもらったらしい。

 その人は《兵器クラス》を量産化させることに成功し、さらにその人自身は特別なスキルを持ってるので、一般的な鍛冶職人よりも速く作ることができると聞いたのだが………………それでも一ヶ月で全員分作れるって………。


 『オオオオ!』


 『イヨッ!待ってました!』


 『スゲェ!自分だけの武器!』


 『よっしゃあ!』


 まあ、分かるよ?男の子なら一度は憧れる自分の武器だからね。興奮するのは仕方ない。

 俺は国宝の中から選べるから、どんな刀があるか見てみた結果、刃渡り72㎝の鎬造りで作られている、『打刀』と言う日本刀と同じような形状を選んだ。

 名は《暁紅刀:真打》。自分と似た名前だと思って選んだ。もちろん、名前だけでなく、性能も良いことも理由だが。

 聞けば、《不壊》・《炎纒》・《全ステータス50%UP》のスキルが付与されているらしい。シンプルな性能だが、自分の技術と組み合わせて戦えば負けることはないだろう。

 なにより、《全ステータス50%UP》がすごい。俺のステータスは全部『error』だから関係はないが、他の人にとってはそれこそ国宝指定されるだろう。良いものを貰った。





 考えながら歩いていると、どうやら王宮の鍛冶場に着いたようだ。

 一応、クロムから国宝をもらったことは霧夜と剛鬼以外は知らないので、秘密にするように言われている。皆のと一緒に渡すと聞いたが、どうするのだろうか。


 すると、一人のオッサンが騎士団長の横に立っていた。


 「この方が今回、我々の武器を作ってくれた、《鍛冶の神》ゴルドフ ゼルキニアス殿だ。」


 「よう、ガキども!元気してっか?先に言われてしまったが、俺はゴルドフ ゼルキニアスって言うんだ!これからもよろしく頼むぜ!」


 オッサンだと思ったのは顔だが、背は自分達よりも低い。よく物語に出てくるドワーフみたいな見た目だ。


 「ドワーフ、なのか?」


 同じことを思ったのだろう。俺が聞く前に剛鬼がゴルドフに聞いていた。


 「ん?あぁ、俺は確かに小人族ドワーフだか、知ってんのかい、坊主?」

 

 「よく小説に出てくるからな。空想の世界だけど。」


 「なんだ、いないのか?そっちの世界に小人族は。」


 「こっちには人族しかいないよ。」


 「ほ~、おもしろそうな世界だな!」


 ガハハハハッと笑い終わると、ゴルドフは武器を並べた台車を引いてきた。


 「んじゃあ、さっさと並べ!一人一人渡して行くぞ!まずはタケウチ!」


 『はい!』





 一人目の男子が声を上げて武器を受け取ってから、俺に順番が回ってくるのはそう遅くはなかった。


 「次は………イザヨイ!!取りに来い!」


 「はいよ!」


 俺がゴルドフの目の前に立つと、彼は一本の刀を前に出し、こう言った。


 「お前がイザヨイか……なるほど。なかなかに強いな、お前。なにより覚悟が他の連中とは違う。あの王女様に告白したっていう野郎もそうだが、かなりの武人だな?」


 言われてハッとなり、周りを見るが聞こえてないようで、ほっと一息吐くとゴルドフに聞いた。


 「なぜ、分かるんだ?どうやら騎士団長にはバレてないようだが。」


 「アホ言え、俺ゃあ《鍛冶の神》だぜ?武器も見るが、それを扱うやつもしっかり見る。

 だが、お前が強いと分かるのは【四強皇】か、魔王ぐらいでもギリギリじゃねぇか?それほどにまで自分の強さの気配、いやオーラが一般人に化けてやがる。

 俺がこんなに早く気付いたのは単に、鍛冶屋としての勘もあったお陰かもな。」


 「………頼むが、このことは秘密にしてくれ。」


 「おうよ。なにが理由かは知らねぇが、俺ゃ約束はきっちり守るさ。

 さぁ、行きな。お前ならこの刀を使いこなせれるだろう。」


 「あぁ、ありがとう。これからもよろしく頼むぜ、ゴルドフのおっちゃん!」


 「おめぇも死ぬんじゃねぇぞ!イザヨイの坊主!」


 渡された刀は僅かに重く、紅い輝きを放ったように見えた。

武器のランクなどを決めて書きました。分かりにくい方は感想に書いてください!!

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