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転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。  作者: 二十口山椒


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22/45

22:ジャンクフード

「ちょっとこっち来て」

「は、はい」


 エイルはリリスに呼ばれて俺と距離があるところで会話を始めた。


 このチートな箱庭の主である俺は聞こうと思えば聞くことはできるが、そんな野暮な真似はしない。


 遠くから二人をチラチラと見ていればあちらもこちらをチラチラと見ていた。


 そしてしばらくしてからエイルとリリスが戻ってきた。


「交渉の結果、あたしは優斗の愛人になりましたー」


 リリスのその発言に何とも言えない表情をしているエイルがいる。


「エイルも納得しているのか?」

「……はい。境遇も境遇なので、仕方がないと判断しました。ですが! 優斗が納得したらの話です! まだ優斗が了承していない限りは愛人ではありません!」


 どんな話をしていたのかが気になるがまあとりあえずリリスを見る。


「ねぇ優斗」


 少し甘えたような声色でリリスが話しかけてくる。


「あたしはこの体質でいつも男からは気持ち悪い目で見られていた。だけどこの空間限定とはいえ、そういう目で見てこない優斗と出会った。これから先あたしを見てくれる男は優斗しかいないよ」

「……そんなことはないだろ」

「そんなことはある。だって冷静沈着で国のことを考えていたアダムがあんな豹変してクーデターを起こすくらいだよ?」

「えっ、まじか」

「大まじ」


 最初からあんな性格だと思っていたが……まさに傾国の美女、サキュバスというわけか。


「だから断言してる。優斗が認めてくれないとあたしは一人寂しく生きていくことになるんだよなー」


 その言葉に何とも言えない。


 おそらくリリスは自分からここを出るつもりはないのだろう。それほどリリスの体質が厄介なものになっている。


 だから俺が拒否すれば寂しく生きていくことになる、という一種の脅しをしているわけか。


「しかもあたしはサキュバスで、精液を食べないといけないしー。その好みが今のところ優斗にしか出せないんだよねー」


 俺に言い訳を与えるかのようにリリスはそう言ってくる。


 たぶんだが、エイルもこういう言い回しをされて折れたんだろうな。エイルは魔族だとしてもそういうところは優しい女の子だ。


「……分かった」

「優斗ならそう言ってくれると思った」


 別にリリスの体が魅力的とかそういうのではない。


 リリスがこちらの優しさに漬け込んでいるだけだ。


「ごめんね、エイル」

「いえ、優斗は悪くありません。……ただ魔族に屈してしまっただけです」


 なんかエイルがそういうと聖女が快楽落ちしたみたいに聞こえるな。だがそういうネタは抜けないからそういう状況を見かけたらぶっ壊す予定だ。外に出る予定はないけど。


「ほらほら、エイルに似合うのを見繕ってあげるー」

「はい……」


 あぁ、そういうところも交換条件としてやっていたのか。


「こ、これですか!?」

「絶対に優斗は喜んで精液を溜める」

「……はい」


 俺の見えないところでコソコソとエイルの下着を選んでいる二人。


「はいはい、優斗は後ろを向いててねー」

「あぁ」


 二人のやりたいようにやらせればいいと思って後ろを向いて待つこと数分。


「ゆ、優斗……」


 エイルに呼ばれたことで振り返れば下着姿のエイルが恥ずかしそうにそこにいた。


 白を基調にして緑の装飾がなされている透け透けのセクシー下着をエイルは着ていた。


 それはとてもエイルの可愛らしさを際立たせているし、エロさもあった。


「ど、どうですか……?」

「めっちゃいいよ。めっちゃ可愛い」

「あ、ありがとうございます……」


 俺が素直にそう言えばエイルは恥ずかしそうに、嬉しそうにして笑う。


「エイル、優斗が言っていることはホント。溜まっていく音が聞こえてくるから」

「もっと他に言い方がないのかよ……」


 俺が興奮していることを知ったエイルは顔を真っ赤にしてうつむく。


 ていうか普通に痛いくらいにたってるし。


 聖女で昨日まで純真無垢だったエイルがこんなことをしているんだぞ? 興奮しないわけがない。


「あー……匂いがすごい」

「えっ、何がだ?」

「精液」

「もっと他の言い方があるだろ!」

「でもそこで誤魔化しても仕方がないじゃんかー」


 くっ、サキュバスの倫理観は本当にやばいな。


 ただリリスの言っていることは本当だから厳しく言えないんだよな……。


「その、優斗」

「は、はい」


 エイルから何を言われるのかと身構える。


 だけどエイルは何かを言おうとするが言い淀んでいる様子だった。


 それに助け舟を出したのはリリスで、リリスはエイルの耳元で何かをささやいた。


 エイルはそのことでより一層顔を真っ赤にするがようやく口を開いた。


「その……する?」


 ☆


「お腹空いたなー。何か食べるか」

「そうですね」

「あたしは満足しているけど、何か食べたい」


 お昼前だがお腹が空いたためランジェリーショップから出てファストフードとかがある方向に向かう。


 エイルが来る前はファストフードをそれなりの頻度で食べていた。カップ麺も同一だ。


 まあ自炊はしていたが半分ほどだ。普通に考えれば体に悪い日常を送っていたが半分半分だからギリセーフだと思ってい生きていた。


「おー、いいにおいがするね」


 ここには人がいない。だからこのにおいは俺がにおいだけを作り出しているに過ぎない。


 だがそのにおいで何を食べたいかを考えることができる。


「リリスが決めていいぞ」

「そうだなー……」


 俺の言葉にどのにおいにするか決めているリリス。


 やっぱりサキュバスは精液の匂いをキャッチするために嗅覚が発達しているのだろうか、とも思ったけど絶対に精液限定だと思った。


 溜まる音とか言っているから耳もいいわけではなくそういう音をキャッチできているだけだな。さすがサキュバス。男の俺にとっては丸裸にされているわけだけどね。


「ここがいい」


 リリスが選んだのはハンバーガーのメニューが豊富にあるファストフードだった。


「分かった。じゃあ――」

「リリスさん、念のために言っておきますよ」


 エイルがリリスに注意するように言う。


「ここの食べ物はあまり食べ過ぎてはだめです。ファストフードはあまり体によくありません」

「えっ、まじ?」

「そうだぞ。元の世界だと速さやうまさとかを重視しているだけでまあ毎日食べ続けるものではない」


 俺の能力でそうならないようはできるがそうはしていない。やっぱりそこのリスクがあるからこそのものだからな。


 こう言っておけばファストフード店通いなんてことにはならないだろ。


 ちなみにエイルにこのファストフードのことを説明した後、俺がちょくちょくファストフードを食べに行っていることを知られてしまい優しく注意された。


「へー、なんだか魔族にふさわしい食べ物だね」


 あれ、逆効果だったか?


 とりあえずファストフード店に入ってカウンターに向かう。


 本来のお店なら従業員がいるようになっているがもちろんいない。


 最初は人型ロボットを置こうかと思ったがまだいいかと思った結果、カウンターはタッチパネルを設置した。


「ここから食べ物を選択できる。こうしてタッチして――」


 リリスにタッチパネルの使い方を教える。


 リリスは現代技術にまだ全く触れていないから興味深く聞いている。


「どれにしよっかなー」


 一通り説明を終えてリリスはどのメニューにするか悩んでいる様子だ。


 一応エイルが来た時に分かるようにはしているから文字は分かっている。だがそれ自体を知らないと文字が分かったところで分からないだろうな。


「うーん」


 悩んでいる風に見せているが……まあ分かっていないように見えるな。


「普通のハンバーガーでいいんじゃないか?」

「うん、それにするよ」


 たぶん俺が何か言うまでそのフリを続けるつもりだったな。


「飲み物って、優斗のエイルに欲情した精液とかある?」

「そんな特殊捕獲食材があるわけないだろ。コーラでいいだろ」

「そうするー」


 何とかリリスのメニューを決め、エイルに順番を譲られたことで俺はテリヤキバーガーとナゲットを選んだ。


 最後のエイルはコーンにサラダと渋いところを選んでいた。


 そして全員の注文を頼んで決定を押せば奥の厨房が動き始める。


 このチートな箱庭ではパッと出すことだって可能だ。だけどそれだと面白くないから無人の厨房が勝手に動き始めるという設計にした。


 色々と短縮化できはするがこの長い人生の中、このチートな箱庭があるのだから効率を求めるのはナンセンスだ。


「席に座っておくぞ」

「おー?」


 俺とエイルが席に移動する時、リリスは不思議そうにしていたが黙ってついてくる。


 四人席の座席に俺たち三人は座る。俺の隣はもちろんエイルで、俺の正面がリリスだ。


 速くできるようにしてあるからすぐに三つのトレイがひとりでにこちらに向かって飛んできた。


 ハンバーガーとコーラが置かれているトレイ、テリヤキバーガーとナゲットが置かれているトレイ、コーンとサラダと紅茶が置かれているトレイの三つが、それぞれの目の前に来た。


「おー! すごいねこれ。こういうのが異世界にあるんだ」

「いや違うぞ。俺がいた世界は魔法がない科学が発達した世界だ。こんな魔法的なことはできないし俺がアレンジしているだけだ」

「へー、魔法がないんだ」


 この世界の住人からすれば魔法は当たり前のものだから魔法がない世界というものはあまり考えれないらしい。


「これ、どうやって食べるの?」


 紙に包まれているハンバーガーを手に取りながら俺に聞いてくるリリス。


 だから俺が最初にテリヤキバーガーを食べて見せる。


「こういう感じで食べるんだ」

「ふーん、なるほどねー。こうか」


 リリスは俺の真似をしてハンバーガーを口にする。


 リリスの感想を待っていれば、リリスのハンバーガーを口に運ぶ速度は速くなりあっという間にハンバーガーが一つなくなった。


「……おいしい。これおいしい!」

「それはよかった」


 本当に美味しかった顔をしているリリスを見ながら俺は自分のハンバーガーを食べる。


「もう一つ食べたいなー……」


 リリスは俺のを狙っているわけではなくもう一つ頼みたい顔だ。


「それなら頼めばいい」

「いいの?」

「あぁ、いいぞ」

「それは――」

「やりー!」


 エイルの言葉の前にさっさと動くリリス。


「優斗、あまり甘やかしてはダメだと思いますよ」

「今はやりたいようにやらせておけばいいだろ」


 リリスに傷心の気持ちがあるのかは分からないが、今は好きにやらせて紛らわせていた方がいい。


 ……尤も、それでリリスがダメサキュバスになる未来があり得そうで怖いけど。


 その時はその時で最後まで責任をもって飼うとしよう。

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