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71.なりきり師、鎮静する。

 ホークの新しい奥義。スパイラルストライク


 両手に持った剣を広げジャンプしたと思ったら回転し始めその回転で気流を巻き起こす。

 竜巻ができその中心でホークは回転してるのだろう…。



「はあぁぁぁぁぁ!!!」


 その竜巻が横向きになり森を進み始めた…。



「スゲぇ…」


 糸を切り刻み、リトルデススパイダーを切り刻み、この蜘蛛の巣とモンスター達をもろともせずにホークは進んで行く。



【重戦士の熟練度が2に上がりました】


「あっ、そういえば重戦士のままだったんだ…ってホーク危ない!」


 木がホークの進行方向に立っている。あのままだとぶつかってしまう。



「大丈夫だよ!」


 えっ?その回転中に会話できるの?そんな余裕あるの?三半規管どうなってんだ?


 そんな事を思っている間にホークの周りの竜巻が細くなっていく。



『カッ!……バキ…バサバサ…ドーーン!!!』



 ホークがそのまま木に突っ込み木に大きな穴が空き、自らの重さに耐えられずそのまま折れてしまった。



「んなめちゃくちゃな…」


 なんだよあれ…おれの転生人チートが霞むぞ…とんでもない奥義を覚えたな……


 細くなった竜巻がまた最初の太さへと戻って糸を切り刻みリトルデススパイダーを倒していく。



「どうなってんだあれ?」


 そんな太くなったり細くなったりを繰り返し20メートル程進んだ。



「ユウキ!ここでしょ?鎮静剤を使う場所!」


「あ、うん。そうなんだけど…ホーク大丈夫なのか?目回って無いのか?」


「あ〜そう言うのは大丈夫みたい。ただ初めて使ったから止まった後にどっと疲れが来たよ…。

ユウキ今はそんな事より早く!モンスターが来ちゃうよ!」


「そ、そうだな…ごめん。」


 おれはインベントリからダンジョン鎮静剤を取り出す。プライから受け取った時は綺麗な青色の液体が入った瓶だったが今はその青色の液体がキラキラ光っている。

 それとよく見ると地面の方は赤く光りだしている…。



「うわぁ〜綺麗だね!」


「このアイテムが反応するってそういえばプライが言ってたな…。こう言う事だったのか…よし!ホークいくぞ。」


「うん!」


 マップ内検索を持ってなかったらこれは探すの大変だったな…敵と罠をかいくぐりながら探すなんてとんでもなかったぞ…。

 あの時マッパーをマスターしておいてよかった…。



『ボトボトボト……』



 赤く光っている所に鎮静剤をかける。これでこのダンジョンは元に戻るはずだ!



『シュー……』 



 二つの光が混ざりそして消える…。ダンジョン自体に変化は起こらないがこれで本当に大丈夫なのか?



「ユウキこれで終わりなの?」


「わかんない。でも赤い光は消えたし多分これでいいはずなんだけど……」


 何かわかりやすい変化があればいいのにそれもない…。ただ赤い光が消えただけだ。

 活性剤を使われた事もプライに聞かなきゃわかんなかったし鎮静剤を使っても反応が無い…。

 考えてみれば始まりから終わりまで結構不親切だったな…



「もしかしたら時間がかかるのかもしれないな…ほら活性剤の時も時間が経つことでレベルアップしていってたし。」


「そういえばそうだったね…。」


「だからおれたちができるのはここまでだな。もし使い方なんかがあったんなら教えてくれなかったプライが悪い!」


「ユウキ…神様にそんな事言っちゃ罰が当たっちゃうよ…?」


「大丈夫だよ!見た目は子供だけどおれたちよりずっと長く生きてるんだからこんな事で怒らないよ!

とにかくおれたちの目的はこれで完了だ。戻ってギルマス達の援護をしようぜ!」


 ダンジョンの鎮静はあっけなく終わった。すぐに効果が確認できないが今はまだ他にもやることがある。

 確認するのはデススパイダーを倒してからだ!



「あっ、ユウキその前にMP回復してもらってもいい?スパイラルストライクって40も一気に使っちゃうんだよね…」


「いいよ!あれだけの大技だもんな。それ位使っても少ない位だよ。どれくらいいるんだ?」


「う〜んと、93でマックスまで回復するよ!」


「わかった。マジックディバイド93!」


 ホークに手を向けマジックディバイドを使う。ホークに白い光が入るとMPの受け渡しは終了だ。


「ありがとうユウキ。」


「どういたしまして。おれも今の内に回復しとくよ。ハイヒール!」


 最初のヒールを覚えた時は80程度しか回復しなかったが今ではステータスが上がってヒールでも200近く回復する。


 このハイヒールはその倍の400程を1回で回復できる。

 その分MP消費の効率はヒール連発の方が少ないが新しく覚えたスキルなので1回使ってみたかった。


 まぁこれはHPだけの話で酷い怪我とかならハイヒールを使った方がいいんだけどね…。

 それに普通は詠唱が必要だから少しコストが高くても詠唱するのならおれでもハイヒールを使うかな。


 ってか今更だけどHPってステータスに必要か?HPが残ってたって大怪我したりしたら死ぬ時は死ぬだろ…



「ヒール、ヒール、ヒール。よしこれでHPは全回復っと!あとはマジックポーションを飲まないとな…」


 MP回復のスキルって無いかな?それかファンタジーの定番のMP回復のアクセサリーとかでもいいんだけど…。

 MPが増えるに連れてマジックポーションを飲むのが辛くなってきたんだよな…


 中級のマジックポーションを1本だけ飲み干し準備はこれで完了にする。



「よし行こうか!ホーク!」


「うん!」


 さぁ戻ろう!と言うときに前から凄い突風が吹いてきた。



「うわっ!なんだこの風…ビッグシールド!」


 ビッグシールドを使い盾を地面に刺しホークと共に直接風を受けないようにする。


 しばらく吹いていた風が止みビッグシールドを解除する。



「ビックリしたぁ…ホーク大丈夫か?」


「ケホッケホッ…苦しい…」


「苦しい?あっ、もしかして…ホーク、ステータスを確認してみて!」


「ステータス……猛毒ってなってる…」


 なるほどね、それであの風か…多分デススパイダーの毒をギルマス達が吹き飛ばしたんだろう…。

 解毒できるおれがいたからいいけど吹き飛ばす方向位考えてくれよ……



「すぐ治してやるからな!アンチポイズン。」


 ホークから毒が消えていく。



「あ〜苦しかった…さっき言ってた毒ってこれだったんだ…ユウキこんな状態でよく動けたね…。」


「吹き飛ばさないと全員死ぬかもしれなかったからな。必死だったんだよ。」


「やっぱりユウキは凄いね。おれあんなに苦しかったら動けないもん。クッソー、なんか毒にされて腹が立ってきたぞ!」


「ハハハ、じゃあ尚更急いで戻らないとな!ギルマス達にデススパイダー倒されちゃうぞ!」


「あ!ダメダメ!ユウキ早く行こう!」


「そうだな!」


 今度こそギルマス達の援護に出発する。今回のダンジョン探索の最終決戦だ!

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