43.5 「先ほどのあなた様のお話には、おかしな部分がございました」
(九章 前回までのあらすじ)
ノヴェルたち、勇者を追う者らの必死の警告は裏目に出てしまった。
スティグマ率いる残る勇者が、式典に集まる子供たちの魔力を狙っていることに気付いた彼らはブリタシア女王に警告したが、女王はこれを拒否し、箝口令を出す。
征東戦争の捕虜の虐殺に関わっていることが明るみでるのを恐れた女王は、スティグマたち勇者を見限ることを決定する。
だが女王の先制した核攻撃は失敗し、スティグマを呼び込む結果に終わった。
子供たちを逃そうとしたノヴェルたちは、最後の勇者ホワイトローズと接触し、バリィを負傷させつつもこれを撃退する。
一方、女神を追ってロンディアへ向かったスティグマは、女神を殺し、都市を破壊しながら最下層を目指していた。
ロンディアでノートンとインターフェイスを救出したノヴェルたちは、スティグマの出す完全防御の蔦の仕組みに気付き、インターフェイスを利用してスティグマを倒す方法を導き出す。
同刻、パルマでは皇女ミハエラと転生を果たした大賢者マーリーンがスティグマの正体に迫りつつあった。
最下層に降下し、スティグマと対決するノヴェル。
そのスティグマがインターフェイスを乗っ取って会話に応じたとき、ミラが認識阻害でスティグマを乗っ取り返す。
彼らは遂に、スティグマに銃弾を当てることができたが――。
ジャックが人類で初めて魔人スティグマに一発の銃弾を叩き込んだとき――ミラの意識はスティグマの深層世界にあった。
彼女は、内側からスティグマの抵抗力を奪うべく、彼の大切な工房を端から端まで破壊してゆく。
そしてついに、ガラスの円筒形の水槽に手をかけた。
水槽内には真っ黒な胎児が浮遊していた。
(なんだぁ、こりゃあ)
彼女は知らないが、自分では呼吸もできないその胎児こそがヴォイドの神である。
それを叩きつけようとしたとき、アレスタ・クロウドがこちらを向いた。
だがアレスタ・クロウドは――今まさにそれを破壊せんとするミラには気付かないかのようだった。
彼は幼いスティグマに向けてヴォイドの神を褒めたたえる。
「これこそが人類の希望だ」
アレスタ・クロウドはうっとりと水槽を眺める。
「神とは機械に置き換えられる。これは人の魔力を捧げることで、我々のあらゆる願いを叶えてくれる。――は何を願う?」
名前は聞き取れなかった。
「宇宙旅行!」
幼いスティグマはそう答え、「お安い御用だ」とアレスタ・クロウドは自信たっぷりに言った。
――さっきまで泣いてたんじゃないか。
急に無視され――ミラは混乱した。
見れば破壊したはずのボードやフラスコが、また元に戻っている。
時間の流れがおかしい。
それぞれのカットは断絶し組み替えられているのに、風景が全く同じだから気付かないのだ。
二人にはミラが見えていないようだった。
(この水槽の中のちっこい赤ん坊が――ヴォイドの神――?)
思わず彼女も、抱えたそれを見てしまった。
次の瞬間、また背後から泣き声が聞こえた。
幼いスティグマが泣いている。
少年の傍にアレスタ・クロウドが――今度は床に倒れていた。
「あ――あたいは、こいつには、まだ何もしてないぞ――」
体は八つ裂きにされ、真っ黒い血を流し続けている。
それだけではない。
水槽が割れて中身が飛び散り――胎児を中心に例の黒い蔦が蜘蛛の巣のように床を這っていた。
まだ息はあった。
男は、口から呪詛を垂れ流していた。
「ぉおのれ、アリシア。おぉのれ、マーリーン。おのれぇ、チ、チャンバーレイン……。ゃ奴らは、こうなることを知っていて私に全てをぉ教えなかった――」
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
バン! と銃声がして幼いスティグマの左足が吹き飛ぶ。
そこに、流れ出た父の赤黒い血が這うようにして入り込む。
「――ぉおまえも、来るのだ。こちら側へ。そしてむこうぅ側へ」
いやだ、とスティグマは泣いた。
「か管理者になるのだ。人など、か、家畜に過ぎん。お前は牧場主となり、せ、世界を」
「僕は勇者になる! 大英雄みたいな勇者に!」
死の淵で、アレスタ・クロウドは弱弱しく笑った。
「――なにをいう。ぉお前は、勇者になど、な、なれん。絶対にだ。う、う、うははは――」
これは――なんだ、とミラは目を疑った。
これがスティグマの深層? そんなはずはない。
これではまるで――。
「普通だと言いたいのかね?」
すぐ横に、ソウィユノが立っていた。
「普通だとは思わねえが――なんていうか、肩透かしだ」
「まぁ、これがあのお方の深層などとは片腹痛いよ。我々はまだその入り口に立ったに過ぎんのだろう」
見たまえ、とソウィユノが指さした先を見る。
そこには即席の衝立のようなものがあった。
白いカーテンが仕切りになっている。
カーテンには四人の人影が映り――絶えず血飛沫が上がっている。
白いカーテンは見る間に赤黒い鮮血に染め上げられてゆく。
音は何もしない。
「危ないぞ。まず私が覗いてみようではないか」
そう言ってソウィユノは、アレスタ・クロウドの死体を跨いでカーテンの方へ行く。
「ちょっと、待ちやがれ――」
ミラを無視し、衝立の向こうを覗いたソウィユノは、指を立てて『来るな』とこちらに合図した。
「ミランダ。帰るのだ。来るべきではない。これを君が見たら、もう戻れない」
「あぁ!? ここまで来て何を言っていやがる。退け」
ソウィユノは、こちらを向く。
「判りやすく有体に言おう。これは、あのお方の罠だ」
「だったらなんだ。あたいはそんなの覚悟の上だ」
そういうことではない、とソウィユノは言う。
「この世界ではどのような拷問も永久にできよう。あのお方は君を待っている。この世界に捕らえて、逆に君から聞き出すつもりだ。他の女神の居所や、チャンバーレインの所在、パルマの皇女――勿論殺すためにだ」
ベリルの庁舎らしきその建物がカタカタと揺れ始めた。
「この風景だって、どれが事実でどれが虚構なのか判ったものではない。このままここに留まれば、君の認識はきれいに上書きされ、残らず全てを喪うことになる」
「だからって――引き下がれるかよ! せっかくのチャンスなんだぞ!」
「チャンス? そのチャンスをどれほど待った? ここは百五十年だ。百五十年ぶんの、壮絶な怨念がこの庁舎の外には渦巻いている。常人に耐えられるはずもないのだ」
だから、とソウィユノは諭すように言い含める。
「ここから先は私一人で行こう。何、案ずることはない。私はただのソウィユノ。もう七勇者ではない。この世界を破壊する」
ソウィユノは、ミラの返事を待たずに背中を向けた。
「今日は素晴らしい日だった。君と共に沢山の子供たちを助けることができた――礼を言おう」
「ソウィユノ!! てめえに何ができるっていうんだこの腰抜け!!」
ミラはその背中を追う。
だがソウィユノは振り向きざま、黒い腕を出した。
「私はあっちの私ではない。しかし――どうやら、ここではこれが使えるようだ」
黒い腕でミラを掴み――。
「さらばだ」
「ソウィユノ!! てめえ!! ふざけんな、この――」
――遠くへ放り投げた。
ソウィユノの黒い腕は、現実のものと同じく途方もない強さを持っていた。
工房の天窓に激突し、突き破った外側にもまた同じ工房がある。外側の工房の天窓をも突き破って、また更に外側の工房。
幾重にも重なる工房の、その壁や窓を何度も何度も突き破って――。
ミラは、意識を取り戻した。
***
「ソウィユノ!!」
ミラは叫んで飛び起きた。
そこは暗い、ロンディアの最下層である。
強制排出。
彼女は、彼女に潜んでいたソウィユノによって救出されたのだ。
――スティグマは。
慌てて空を見上げると、そこには頭を抱え、苦悶に身を捩る魔人の姿があった。
「ミラ!! 無事か! どうして自分で戻って来られたんだ!」
「あ、ああ……。自分じゃねえ。ソウィユノだ。あいつが――。いや、スティグマはどうなった!?」
「足と肩、腹。もう五発以上銃撃した。まだ死にやがらない。さっきからあの調子だ」
スティグマは声も出さずに苦しそうに藻掻き、ぐるぐると縦横に回転を続ける。
蔦を出し、辺りを切り裂くが――その狙いは定まらない。
まるで見えない何かと戦っているように、バラックを、天井を次々破壊してゆく。
「危ない――少し離れるぞ」
銃を構えたジャックをしんがりに、降りてきたノートン、インターフェイスを抱えたミラとノヴェルが物陰へと避難する。
やがて――スティグマは天地を違えるように落下した。
バラックが吹き飛ぶほどの勢いで魔人は地面に激突し、数度バウンドして家屋の内部へ転がった。
ノヴェル達は顔を見合わせ――暫し物音がしなくなったことを確認する。
異様な静けさに耐えきれなくなった。
「――行ってみよう」
彼らは連れだって、慎重にバラックの陰に隠れながら落下地点を目指す。
半壊した家屋を、粗末な窓から覗き込むと――スティグマが倒れている。
「いたぞ。奴だ。倒れてる」
「行くぞ」
「ああ。ただしインターフェイスはここに寝かせておく」
ジャック、ノヴェル、ノートン、ミラ。
四人は室内に侵入した。
そこに屋根はない。
上層からの光に照らされ、スティグマは倒れていた。
床に突っ伏し、四肢を伸ばしている。
「――死んだのか?」
「まさか」
ジャックはナイフを取り出し、ノヴェルにも渡した。
「念のため四方から近寄って止めを刺す。終わらせるぞ」
四人は大振りのナイフを構えて、スティグマを中心に四方に展開した。
皆、じりじりと倒れているスティグマに近寄っていく。
この世界に生まれ落ちた邪悪の第一位。
――もうすぐ終わる。
この異常な復讐が。
第一位を殺し、自己修復の力を奪い、ホワイトローズも殺す。
――トリーシャ。フィル。そして生まれて来なかった俺の子。
――爺さん、リン、バリィさん。もうオレたちは、安全だ。イグズス、ファンゲリヲン――。
――クソ親父。オフィーレア。
そのとき。
ミラは気付いた。
対面、ジャックの背後に――場違いなほど白いカーテンがある。
そこは半壊した民家の中だ。その部屋の仕切りだろうか――白いカーテンが揺れている。
「待てジャック」
ミラが呼び止める。
彼女を含め、ここには四人。白いカーテン。
最前、スティグマの深層世界で見たものと同じだ。
(偶然か――?)
それとも何かの暗示か?
パタパタと足音がした気がして、ミラは飛び退いた。
足音は二つ。
「大丈夫か、ミラ」
「あ、ああ――」
額の汗で目がかすむ。
――こっち側が、深層世界に侵食されているのか?
ミラは汗を拭って、殺すべきターゲットに集中する。
目の前の魔人は、化物だ。
体の右半分をヴォイドに捧げた半神。
そしてミラの家族を滅茶苦茶にした勇者の指導者。
あの嵐の晩に出会ってから、こうなることは決まっていたのだ。
馬車を降り、雷光に照らされるその呪われた横顔を――彼女は思い出す。
彼女は、オーシュの深層でそれを見た。いや、見せられた。
スティグマはそうして、ミラの父ヘイムワース卿に人の道を踏み誤らせた。
それからノヴェルと会って自分の道を見つけるまでに――どれほどの非道を重ねたのか知るのが怖いほどだ。
今ははっきりと思い出せる。そこでスティグマを見ていたのだ。
「――やるぞ」
ジャックは、充分スティグマを刺せる距離にいた。
ナイフを握りしめ、ひと思いに――。
「やめろ! 違う!」
ミラは叫んでいた。
ソウィユノはそれを『罠』と言った。
だが――彼女は気付いた。
根本的な違いに。
あの嵐の晩、雷に照らされて見たあの男の横顔――。
馬車は彼女から見て右側にあり、男は左の玄関へ向かっていた。
彼女に向いているのは男の左側だった。
真っ黒に染まっていたのは、体の左側だ。
だが目の前で倒れているスティグマは――違う。
「右側だ!! こいつは違う! よく見ろ! 違うんだ!」
ジャックは「何を言ってる」と、まるで理解できない様子だった。
「空を歩いて女神を殺す。そんな偽物がいるわけないだろう」
ノヴェルも気付いた。
「ジャック! ミラの言う通りだ! こいつは――」
「しっかりしろ、お前ら! この――」
ジャックはナイフを握りなおし、スティグマに飛び掛かろうとした。
その瞬間だ。
スティグマの体の周囲から、黒い蔦が勢いよく伸びあがった。
それはジャックの体を切り裂き、長く長く伸びあがる。
その見上げた先に――スティグマがいた。
上層からの光。
それに導かれるよう、ゆっくりと降りてくるもう一人の魔人。
二人の魔人はそっくり同じ顔、同じ格好をしているが――違うところがある。
上から現れた魔人は、その体の左半分に真っ黒な聖痕を刻んでいた。
***
「先ほどのあなた様のお話には、おかしな部分がございました」
「おかしな部分――? あったかのぅ――はて。どこに」
ミハエラは毅然と答える。
「アレスタ様の、研究成果を破棄された件です」
「はっきり覚えておるよ。そして覚えている通りに話した。お姫さんに嘘を吐く理由などなかろう」
「嘘とは申しませんが――おかしいではありませんか。まず四人で多数決を取り、票が別れてしまったのですよね?」
「さよう。内訳も覚えておる」
「そこで、プリシラ――私のご先祖と、アレスタ様のご子息を加えて決を採りなおした――と」
「さよう」
「そこになぜ、ご先祖がいらっしゃるのです。彼女は何も知らなかったのではありませんか」
「知らなかったよ。説明するのに苦労したわい」
「おかしいではありませんか。大英雄は四人。偶数で票が割れるのは判ります。ですがなぜそこに二人加えて、わざわざまた偶数にされたのです? それも、無関係な者をわざわざ――理に適いません」
「――」
大賢者は絶句した。
「確かに。確かになぜあのとき、ワシらはわざわざアリシアの子を呼んだのだろうか――思い出せん」
「その記憶が消去されたということは」
「馬鹿な。百五十年ももつ記憶操作など、無理じゃわい。ワシが耄碌したか、でなければよっぽど自然な改竄――」
ミハエラは「ごく自然な改竄――だったのでしょうね」と頷いた。
「私には判ります。それは――アレスタ様のご子息が、二人以上の偶数だったからです」
「――」
「兄弟なら、長兄だけに投票権を渡すなどしたでしょう。ですが、あなた様はそうしなかった。なぜなら――その兄弟はそっくり同じ、歳も、背格好も、知識も。どちらかだけに投票を許すのは不自然だった」
「――思い出せん。あのとき、あの子は――」
記憶から消された誰かが、もう一人そこにいた。
それは――。
「考えられる可能性はひとつです。アムスタ様のご子息は――双子だったのです」
***
「ジャック!!」
オレは倒れたジャックに飛びついた。
「ジャック!! 大丈夫か!?」
「か……掠っただけだ」
掠っただけなものか。
出血量を見れば動脈をやられていてもおかしくない。
ミラとノートンはその場を飛び退いて、無事に蔦を躱したようだ。
蔦は高く伸び、檻のようになった。彼らを守る檻だ。
上から来た左スティグマは、地面に倒れたままの右スティグマの傍に降り立った。
倒れた右スティグマを抱え上げ、いたわるように撫でている。
鉄格子のような蔦に阻まれ、オレたちはもう近づくことはできない。
オレはジャックを引きずり、後ずさりしながら叫ぶ。
「クソ!! 撤退だ! 逃げるぞ!!」
そこから全力で逃げだした。
半壊した家屋を出て、ミラはインターフェイスを抱える。
オレとノートンはジャックを支え――奥へ奥へと最下層を走る。
「奴は……ど、どうなった」
「どうにもならない!! 奴は二人いた!! 双子だったんだ!!」
後ろを振り返ると、真っ黒い蔦の通路を通って光に吸い込まれるように――奴は第一層へ浮上してゆく。
右スティグマを両腕に抱えてだ。
「それでか……それで――奴は、あの晩、野次馬に囲まれた庁舎から、お前らの列車に行けたのか……。二人居たとはな――」
「喋るな! 後にしろ!」
「へへへ……全部判っちまった。まったく、クソったれな密室トリックだぜ」
力なくジャックは笑った。
そうだ。
奴は二人居た。
最初、写真で見たスティグマが、アレン=ドナで謁見したスティグマと違うように見えた。
でも、カメラ・オブスキュラの像は鏡像――鏡に映った像だと判って考え直した。さっきイレザーヘッドから双眼鏡で連絡橋を見たとき、写真の中の橋とは左右反対だと気づいたからだ。
左右逆に見える鏡の世界。
でもその疑いを持った時点で、オレはこれまで遭ったスティグマの、右と左のどちらに聖痕があったのか、急に気になり始めた。
そうしてある仮説に至った。
スティグマが自分の写真を病的に嫌う理由は――彼が二人いるからなのではないか。
記憶は操作できても写真は操作できない。
右スティグマは、左スティグマの痕跡を消し続けていたのではないか。
「クソ親父に接触したのは左のほうだった。あの写真、なんだか妙に見えたがいくら見ても気づかなかったぜ」
そう、ミラもきっと不思議に思ったんだ。
あの写真はカメラ・オブスキュラの鏡像だ。
過去、唯一左スティグマを目撃したミラは――今日まで一度も右スティグマに遭遇していないのだ。
「そ、そこだ――その茶色いレンガの建物に入れ」
ジャックの指示に従い、建物のドアの前でオレたちは止まった。
入り口の色褪せた黄色い『立ち入り禁止・ロンディア市警』と書かれたテープを剥がし、封鎖を壊してその建物に入る。
その建物は内部で第一層に繋がっているらしい。
「ダリア……ホワイトローズの実家だぞ」
長い間廃屋のままのようで、酷く埃っぽかった。
でもかつては仕立て屋だったとすぐに判るほどに家財がそのまま残されている。
棚にはカーブした縫い針が沢山見つかった。
ノートンはライターでそれを炙って、ミラに渡す。
オレたちはそこでジャックを応急処置した。
「これまでだ。あとは医者に見せなきゃどうしようもねえ」
「ノートン――ベリルに報告を頼む」
「え? あっ、あ、そうだな。そうしよう」
ノートンは心配そうにジャックを看ていたが、虚を突かれたように慌てて通信機のスイッチを入れた。
オレはどっかりと座ると、何も考えられなくなった。
頭が空っぽだ。
街の破壊は、止まっていた。
オレたちは辛くもスティグマの撃退に成功したが――それは別の絶望を呼び込むことになってしまった。
この世の邪悪第一位と第二位は――どちらも最強の魔人だったのだ。
明日は更新をお休みして、次回は土曜日を予定しております。
では次回、
「Episode.44 パージ」
でお会いしましょう。