第四十八話 ドキドキ侵入編④
「ぬかりはないよな」
マゴは紅茶を啜りながら落ち着いた表情をしている。
「大丈夫あと10分だよね…」
二人は時間が空いたのでカフェに移っていた。カフェの窓から差し込む夕日の光が今にも落ちそうである。
「アイちゃんの目には気をつけろよ」
「確か眼が青色の時は人の心を読む。眼が緑色の時は人の未来を視る。そして…」
「眼が黄色の時は人の過去を視る」
最後は二人そろえて声を合わせて言った。
「握手会に行った時は青色に目が変わった。この行動は読まれていないはずだ」
マゴは遠くを見るように推理探偵のような目つきで言う。
「あとは何か見つければいいけどね…」
ショーは不安と緊張を隠せない。
「そうだよな。行って何も見つからなかったら振り出しに戻るからな。まぁ、その時はそのときだよな」
マゴはにこっと笑いそう言う。以前はスタ☆アイとの接触後は一時期頼りなかったが今では頼もしい存在になっている。本当に友達になって良かったとショーは改めて思った。
「時間だ…行くぞ!!」
マゴとショーは立ち上がり、トイレへと向かった。
「ムーブ・ザ・ベンチ!! 行先はスター☆アイの場所へ!!」
二人はスター☆アイの部屋へと瞬間移動をした。
「ここがスター☆アイが使っているトイレか…」
マゴはトイレの中を見回す。きれいなホテルなのであらゆる所まで清掃が行き届いている。
「他のトイレと変わらないけどね。それよりも重いんだけど…」
「あっ、ごめん…」
ショーの膝から立ち上がり、マゴはそれとなしに衣服のほこりを手で払った。まるで下水道を通って瞬間移動したいみたいに思われるのはショーにとっては不服だった。
「では、行こうか。」
マゴは人の気をしないで、平然とトイレのドアを開けた。