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新世界の神に俺はなる!  作者: レイモンド
第四部
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爆誕!ステ極振り魔法少女いっきまーすミ☆ その16

 

 おじさんに教えてもらったように道を行くと、言われた通りにすぐ”町役場”とポップが出てる建物が見えた。

 他の建物よりも規模が大きくて、門が閉ざされてない。まるで昔の小学校みたいな感じ。個人宅には見えないから、ポップ無くてもここかな?って雰囲気はある。


 とりあえず入って色々尋ねないと……。

 特に今お金の手持ちゼロだからそれについても何かご指導してもらいたいなぁ。

 入ってすぐ、室内カウンターが広がってる。”税務課”、”商工課”、”農林畜産課”などなど窓口から出てるポップがいっぱいだ。”安全対策課”なんてのもあるぞ。何はともあれ”受付”で相談だ。


シル【あのー、すみません。この町に初めてきたんですけど】

マツ【いらっしゃいませー。お引越しですか?ご商売のお取引ですか?】

シル【あ、いえ。そのー、何ていうか。定住って事じゃないんですが、当面何かして身を立てないといけなくて相談したいんです】

マツ【そうでしたか。そうですねー・・・お仕事の斡旋と言う事でしたら事業窓口でお伺いするとよろしいかと】


 お礼を言って手で指し示された先のカウンターへ向かう。再び同じ質問をする。


ウォ【そうですね。お客様のご希望はありますか?】

シル【うーん。今お金もないですし、日当でいただけるようなのが助かるんですけどー。ホント贅沢を聞いてもらえれば泊まる所も一緒に見つけられたらなー、と。あっ体力仕事系はちょっと・・・】

ウォ【そーですねー・・・失礼ですがおいくつです?】

シル【二十九・・・じゃなくて十五ですっ】

アル【た、大変だ!キメラタイガーが!!】


 そんなやりとりをしてると、急に役場の中が騒然とし始めた。

 隣の”安全対策課”に男の人が大慌てで駆け込んできたからだ。


アル【キメラタイガーがやられた!もっとヤバい魔物が来たのかもしれん!】

ジュ【なんだって!?二頭ともやられてたのか?】

アル【いや、一頭だけだ。もし新手だとしたら魔獣避けで追い払える相手かもわからない・・・】


 なんだなんだ。物騒な話だなぁ。安全対策課全体がすごく緊迫感に包まれてる。

 でも勘違いしてるっぽいぞ。


シル【あのー、そのキメラタイガーだったらあたしがやっつけた奴だと思うんですけど】

ウォ【お、お客様?】

アル【うん?なんだい、このお嬢さんは】

ウォ【ごめんなさい、つい先ほどこの町に来た方のようで】

シル【はじめましてー。で、そのキメラタイガーって南東の休耕地の道で倒れてた奴ですか?】

アル【そのとおりだが・・・】

シル【頭が焦げて、体に切り傷がある?】

アル【ああ、何でそんな事を知ってるんだ?】

シル【だからあたしが魔法でやっつけたんですって】


 周りの全員があたしを怪訝そうな顔で見てる。あれ? あんまり言わない方が良かった?


アル【ウォルリア、このお嬢さんを少し借りてもいいか?】

ウォ【え、ええ。お客様がそれでよろしければ・・・】


 と、言う事であたしは半ば強制的に連れ出された。

 出かけてる間に本日の宿と食事を手配してくれるらしい。それなら断る事もできないよね。

 アルバと言う男の人をはじめ、安全対策課の人が五人武装して一緒に向かう。


 えっ 徒歩? やばい、現場まで二十分くらい歩くよね?

 ちょっと覚悟がいる。できればHPエイド使いたくないよ?


 かと言って、何か乗り物使わせて、と初対面のうちからわがままを言う事も出来ず、仕方なしに歩いていく事にした。

 うう、この辺会社勤めの影響かなぁ……。ゲームのはずなのに、やたらリアルすぎてそう感じないもん。


 息を少しだけ切らしながら現場に到着。

 道には被害者がその身を横たえたまま放置されていた。

 倒された時のままの姿だ。

 なんてむごい…… って犯人はあたしか。


……完全に死んでるよね、これ。

 後ろから一本矢が飛んできて、キメラタイガーの亡骸の背中に突き刺さった。

 うわっ ひどい!

 あれ? でもあんまり深く刺さってないね。


ツァ【うん、死んでるみたいです】

アル【ああ。しかしそれでいてこの硬度か・・・。でシルフィーさん、だっけか。この化け物をどうやって倒したんだ?】

シル【あーっと、そうですね。簡単な魔法なんですけどー】


 そう言ってあさっての方向にファイアーボールを撃つのを実演した。

 さらにアイスエッジで正面でぼうぼうに伸び放題になってる草を刈って見せる。

 サンダーストームは対象がいないと発動しないから止めといた。


シル【こんな感じです】

アル【信じられん・・・】


 でしょうねぇ。


ツァ【でも、本当だったら大変ですよ。このキメラタイガーはつがいですから】

シル【何かまずいんですか?】

アル【キメラタイガーはつがいのオスがさらに危ないんだ。これはメス。町の人間にやられたと知れば怒り狂って町を襲うだろう。魔獣避けをさらに濃く使わないと・・・】

オー【しかし魔獣避けを仕入れに行った商工課の連中はまだ帰ってないぞ】

アル【だな・・・。手練れのハンターも駐留してないし、騎士団の援助を依頼してもこちらに手を回してくれるかどうか・・・】


 みんな頭抱えちゃってる。

 うーん、あたしのせいか? ……だろうなぁ。


シル【えっと、それじゃああたしがオスもやっつけますから。それにやっつけたら信じてもらえるんですよね?】

アル【シルフィーさんが?はっはっは、止めとけ止めとけ。アンタのまぐれ当たりで油断してたメスを倒せたとしても、怒ったオスはそんなもんじゃないぞ。間違いなくランクA以上だからな】

シル【だいじょーぶですって!その騎士団?ってのを呼ぶよりもその方が早いでしょ!】


 強引に話を進めてキメラタイガー(♂)の討伐を受ける事にした。

 そんなに強いモンスターなら経験値もがっぽりでしょ! さっさとレベル上げしないと難ある体力が際立つだけだし。


 信頼信用も得られてあたしのレベルも上がる。一石二鳥はゲーム攻略の鉄則よ!



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