1話:かつて最強と言われていた陰陽師の話
(入れ替わりTSモノは)初投稿です。よろしくお願いします。
今から100年程前の話。
このヒノモトと言う国に突如として妖怪と呼ばれる化け物が現れ、人々を襲い始めた。
人類もそれに対抗すべく妖怪と戦う存在である陰陽師を育成し、妖怪との戦争が始まった。
これはそんな陰陽師の中でもけた違いの強さを持った少年の話……。
◆
「『九条』さま!あちらから四鬼達がやってきます!いずれも八式以上の強さを持っています!」
人が食事をしていると言うのに街の防衛隊《バカ共》が騒がしく俺のとこに来た。
いや見りゃ分かるわい。今街の壁を壊す為に四匹の鬼がやって来てるんだからな。それもかなり大きい、この街の壁(大体20米)よりも大きいのだからそりゃデカい。
しかもあいつらかなり本気だ、八式って言ったらそれ一体で他の街なら壊滅させられるからな?
しかもそれが四体と来た。まっ、普通なら全滅だろうな実際問題。
「そうか。ザコ共は退いてな!俺が出るぞ!」
だが俺がいるから何も問題は無いんだけどな!
「死ねぇッ陰陽師!!!」
「ハン!そんなチンケな武器が通用するかッ!!」
ひとまず飛び出して目の前にいた赤鬼を殺す!
でけぇ棍棒を振りかぶって来たがその程度なら刀で武器を切断して……。
そして俺の霊力が詰まった爆弾式神札を投げつけておけば爆殺!
「ハイ次ィ!」
この式神札は俺の霊力を込めてるからな、適当に使うだけで七式より下の妖怪は足切り出来ますけど何か?
この街にいるほぼ全員の陰陽師が俺の霊力を込めた武器を持ってるって程だ!
でもぶっちゃけ邪魔なので退いててほしいと言うのが本音。
流れるように青鬼のとこに来たので刀で首を切断。豆腐でも切ってる感覚だぜ。何が起きたのか分かってなさそうな顔だがそのまま死んでくれ。
そのまま首を足場にしてもっかい大跳躍!
反対側にいた黄鬼も式神札で爆殺!!なんという脆い肉体じゃ、このレベルなら前に戦った六式のが強かっただろ。
「次に行くから後始末よろー!」
「もうアイツ一人でいーんじゃねーかな」
あっそんな事実を言っちゃうの?
この街を守るだけなら俺一人で充分なんだよね。正直この『キョウト』で俺より強い陰陽師とかいないんじゃねーかな?近くの『オーサカ』と『ナゴヤ』でも俺より上はいねーよ!
「あと一匹!」
そんで壁を走って黒鬼の所へ来たけど多分コイツはあの鬼共の中でも一番強いな。
一応街にいる陰陽師達も応戦してるけど全然ダメ。ほら適当に振り払われてるだけで壁まで吹っ飛んでるもん、ハッキリ言ってコイツら弱すぎ~。超よぇ~。
全部俺に任せておけばそれでいいのになぁ。
「しょうがねぇなぁ!『霊術:我龍動』!!」
まぁちょっと強そうだし霊術を使ってやるか!
龍のような霊気で黒鬼の身体を貫くっ!
あぁ一撃だ、張り合いが無さ過ぎて退屈ですゥ~。
「で?お前ら大丈夫か~?」
「……ホント強いですねぇ九条さんは」
「まぁな。それよりお前らはさっさと傷を治しに行けよ」
「そうさせていただきますよ……」
同僚達が俺のことをバケモノでも見るような目で見てくる。なんだその目は。俺がいないとこの街を誰が守るんでい!妖怪激戦区でこれだけの敷地の街が平和なのは俺のおかげだぞ!!!
しかしそれも仕方ない事なのかもしれない。だって俺、最強の陰陽師だもんな!
「さて帰って簡易風呂でも浴びるか」
俺は産まれてからずっと天才だ。
霊力の値もそんじょそこらのザコとは比べ物にならないレベルだし、使える霊術もけた違い!そもそも爆破式神札を作って売るだけで一生暮らせるくらいだし~?
まぁ要するにただの事実なんですよ。俺の最強って言う称号は。他称最強なんです!
「いやぁ~それにしても九条様は本当に強い!17歳とは思えませんな!今日の妖怪退治もお見事です!」
シャワーを浴びようと陰陽師の本部にやって来たらすげぇウザいオッサンが話しかけてきた。
コイツはこの京都にいる四代名家の一つ『朝目』家の現当主だが俺はこいつら全員大っ嫌い。
強くねーくせにエラそうにふんぞり返ってるからな!
「おべっかはいらん。それよりも何故無駄に被害が出る配置にした?全部俺に任せればそれで良いだろ?」
「い、一応他の家のメンツと言う物がありますし……」
ハァ……。面子ねぇ。
言っちゃわりーがこのクソ共にメンツなんてモンはねぇだろ。
俺はその辺の適当な家から生まれたのに最強って言われてるんだぜ?その時点でお前らのメンツなんてズタボロだろ。
「まぁいい、俺は見回りしてくるから勝手にやってろよ」
「へ、へぇ……」
……全く。
俺はあぁ言うこびへつらう人間が大嫌いだ。
人間なら、常に狙うは頂点一択だろうが!
色々愚痴りたくなったけど一旦閉口して見回り活動するか。最近じゃホント強い妖怪ばっかりでイヤになってくる。
とにかくキョウト近く、『カンサイ』地方にはもうウジャウジャ強い妖怪が湧いてくるんだ。
俺一人に任せれば大抵の妖怪は倒せるがね!
「さーてと……お?」
鬼が死ぬと野生動物が鬼化するんで見回ってると、なんか遠くの森に挙動不審な妖怪がいる。
あれは狐妖怪……妖狐か。だがしかしこんなに妖力が低い妖怪は初めて見るぞ?
多分一式以下のザコ妖怪だな。弱すぎて俺の霊力探知にも引っかからないとは……
ちょっと話しかけてみるか。
「おいお前」
「ぴえぇ!?ちょ、ちょっと待ってくださいよアタシ弱いんですよ!」
「見りゃ分かるわ」
俺の腰くらいしかない身長、無駄に輝く金髪と狐耳、一本しかない尻尾……。
こいつ妖狐の中でもだいぶ弱い方だな。特にシッポの数。一本とか初めて見たわ。普通は二本くらいあるもんだがな?
「へへ……、あ、アタシを殺しても何にもなりませんよ~?」
「まぁ……。放っておいて良いか」
まっ、こんなに弱ければどのみち適当な妖怪に負けて死ぬだけの存在だろ。
さっさと帰って式神札でも量産するかぁ~
「い、一か八か!食らえっ『狐魂』!!!」
「なんだ?そのくだらない妖術は」
って俺が慈悲をくれてやったってのに、何してんだこいつ死にてーのか?変な技使いやがってからに。そんなもんが俺に通用するかッ!!!俺は常に霊力の壁を持ってるからそんなもん通用せんわッ!!
全く俺は帰るからな!背中に食らった感覚はあるが、お前の攻撃なんて蚊程も……
「って、なっなんだ?!」
「えぇ当たるの?!運良ッ!!!」
「何を言って……!?」
なんだ!?俺の体に何かが入って……く、口から何かが引っ張り出される!ヤバい、コレは外に出たらヤバい何かだ!
だ、だが止められ……ッ
「がぁっ……!」(ズルゥッ……
な……なんだ?!今俺から何が出て来た!?いや違う、俺が俺の身体から出て来たのか……!?ウオォッなんだ吸いこまれるッ!!
「げほっ、カヘッ……!クソッお前何をしやがっ……た?」
なんだ?なんだか身長が低いぞ?そのくせ頭が若干重い……ってか声が上から聞こえてくるな。
それに、なんか声まで変わってる……と、と言うか……今俺の目の前にいるのって……
「へ、へへへ……出来たッ!一生に一度しか使えないこの技を使えたッ!」
……俺?
「な、何が……。何をした?!」
「うっひょ~!こんなに強い人間の身体に入れるなんて超ラッキーじゃん!」
えっまさか……。俺とコイツの魂が入れ替わったって事なのか……!?
今の妖術は俺とヤツの魂を入れ替えるって言う技だったってか!?ふざけんなそんな妖術なんか知らねーぞこの野郎!!
「おいッ返せよ俺の身体!」
「一生に一回しか使えないんで無理で~す(笑)と言うか生意気言ってんじゃねーぞザコが!」
「コイツ……ッうぐっ!」
クソッ!俺の身体を乗っ取った挙句元の体は用済みってか!?
自分の身体をボコボコして楽しいか!あぁクソ痛い……!こんなに痛いのは久しぶりだぞ……!
「気分が良いから殺さないでやるよ!じゃーなクソザコナメクジ。せいぜい楽しめよ残りの人生!あっでもすぐ死ぬだろうし無駄か!ギャハハ!!!」
「クソ……野郎が……!!」
……どれほどの時間が経った?
もう夜中だ、かなり長い間気絶してたみたいだな。
一応頬をつねってみたけどダメだ、現実だ。
「……はぁ」
……少し奢ってたかなぁ、俺。
まぁなっちまったのは仕方が無い話だ、こればっかりは俺が悪い。避ければ良いだけの攻撃をむざむざ食らった俺がな。
じゃこれから何をするか?
「……だったらなってやるよ、この身体で最強にな……!!!」
そして俺の身体を乗っ取ったアイツに一発蹴りぶち込んでやるッ!!!
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