お別れ......
あっという間に最終章!
別にネタ切れを起こした訳じゃないんだからね!
遊斗たちはフランスのレジスタンスに金貨を託すと森に入っていった。
ツァン「綺麗な森....」
遊斗「そうだね...」
遊斗はツァンと同じ歩幅で歩く。
ツァン「遊斗の夢って何?」
遊斗「俺か?俺は...世界中のお宝や優しい人達に出会って...いや。
その夢はもう叶ってるか。」
遊斗はツァンを見た。
遊斗「俺はツァンという世界一幸せな少女とこうして歩いている。
それだけで幸せだよ。」
ツァン「ボクは...遊斗といて幸せだよ。
最初は飄々としてて気に入らなかった。
でも...本当の遊斗を見て、不思議と好きになってた。」
遊斗「そうか...。」
ツァン「ボクが強くなろう...そう思えたのは遊斗がいたからだよ?
だからボクはジャッカルに自分をぶつけて勝てた。
遊斗は...ボクの全てを変えてくれた。」
遊斗は少し上を見た。
遊斗「俺がもし...いなくなったらツァンは待てるか?」
ツァン「何?いきなり...」
遊斗「もし...俺がツァンと一緒に元の世界に帰れなかったら...ツァンには他の人と幸せな生活を送って欲しい。
俺は泥棒だ。
いつ捕まったりヘマをしてもおかしくない...その覚悟だけはして欲しい。」
ツァン「遊斗...」
遊斗は辛そうな顔をしていた。
*********
しばらく歩いているとボクたちは渦巻く泉を見つけ出した。
遊斗「...」
ツァン「何これ?」
遊斗「......まさかこんなにも早く見つかるとはな...。」
ツァン「?」
遊斗「この泉は...元の世界と直結している。」
ツァン「え...やった!!!
帰れるんだ!!」
ボクは走り出そうとして立ち止まる遊斗を振り返った。
ツァン「早く行こうよ!」
遊斗「....その泉には一日一人しか入れない。
それに次の日に入ったとしても...一ヶ月のラグがかかる。」
ツァン「遊斗が言ってたのって...」
遊斗「そう。
ここが俺たちの旅の終着点だ。」
遊斗は俯いた。
遊斗「今まで楽しかったよ。
俺はきっとどこかで命を落とすと思って正直諦めていた。
俺の願いは...ツァンに元の世界で幸せでいて欲しい...それだけだ。」
ツァン「遊斗...じゃあ約束して!」
ボクは小指を差し出した。
ツァン「遊斗がボクと会った時、ボクが未婚だったらボクを助けに来て。」
遊斗は目を丸くしたが...微笑んで小指を絡めた。
遊斗「ああ。」
ボクは泉に飛び込んだ。
ツァン「さようなら...」
遊斗「じゃあな!!!」
*********
気がつくとツァンはベッドの中で眠っていた。
ツァン「夢...だったのかな...」
いつものように制服に袖を通すと一階に降りた。
一階には父さんと母さんがいた。
いつもの光景だった。
でも雰囲気がいつもと違った。
母「ツァン、あなたももう18になるのね。」
ツァン「...だから?」
母「お見合いの話が来てるのよ。」
ツァン「...は?無理。大体いまどきお見合いなんて―」
父「いや。俺も会ってきたがいい人だったぞ。
いいから行くぞ!」
ツァン「え!?ちょっ!!!」
*********
それからボクはお見合いをした。
相手の人は一流の貿易会社で働く普通の容貌の男の人。
優しくて真面目な人だし「桜城さんの事は絶対に守る」とまで言ってくれた。
なのにボクの頭には遊斗のことでいっぱいだった。
勝手に話は進んでいった。
父さんも母さんも結局は家柄や職業柄ばかり考えてる...。
そして結婚まですることになってしまった...。
式は一ヶ月後。
賭けるなら式ギリギリに遊斗が来てくれること...。
そんなことで頭がいっぱいだった。
家族はみんなして結婚の話ばかりだし、学校に行けば結婚の話で持ち切り。
ぼっちだったのが嘘なくらいだ。
ボクはボーッと頬杖をついて窓から外の景色を眺めた。
タイムリミットまで後三日...。
半ば諦めも来ていた...。
*********
そして、とうとう当日を迎えてしまった。
ボクはウェディングドレスを纏い、ため息をついた。
ツァン「あのバカ....」
母「ツァン!早くしなさい!」
ボクは新郎の男と並んだ。
神父が尋ねた。
神父「―愛を誓いますか?」
男「はい。....どうしたんだい?
ツァン?」
ツァン「....あ!ごめんなさい。
はい。」
言ってしまった。
神父「では誓いのキスを」
相手の顔が近づいていく...。
式に来た人たちが固唾を飲んで見守る。
が、それらは全て覆された。
突如、神父がツァンの顎を掴むと...
ツァン「んっ...」
ボクに口づけしたのだ。
そして、神父は服を脱ぎ捨てた。
??「天下の大泥棒!!!
太陽遊斗!!!
ここに見参!!!」
式場が一瞬にして凍りついた。
遊斗「遅れてすまなかった。
ツァン...」
ツァン「遊斗...」
ボクは少し息を吸うと今まで心に秘めていた言葉を紡ぎ出した。
ツァン「私、桜城ツァンは太陽遊斗と結婚します!!!」
遊斗「よくぞ言った!!!
ってことで!!!」
遊斗はステンドグラスに向かって仕込みフックショットを打ち込んだ。
遊斗「太陽遊斗!
新婦を頂戴するぜ!!!!」
ワイヤーは勢いよく引っ張られる。
遊斗はツァンをしっかりと片手で抱くと頭でステンドグラスを割り、フックショットが絡まった先....ヘリコプターに連れられて式場を後にした...。
ボクは持っていた携帯電話やその他、男からもらったものを全部捨てた。
ツァン「ありがとう....遊斗。」
遊斗「俺こそ...。
ずっと俺を愛してくれてありがとう...。」
遊斗の顔が近づいた。
ボクは躊躇いもせず遊斗と口づけする。
遊斗「さてと、次はどこへ行きたい?」
ツァン「うーん....」
ボクは遊斗に体を預けた。
ツァン「宛てもない...終わりのない旅に行きたいな....」
??「全く、お盛んなお二人ね。」
ヘリコプターを操縦していた女性...最上雪乃は妖艶に微笑んだ。
雪乃「早く私もいい男見つけないと!」
雪乃はヘリコプターをまだ照り付ける太陽に向かって飛ばし、遊斗たちとともに行方をくらましたのであった....。
Fin




