17話 存在、独立、証明、神
現代日本では、
自ら命を絶つ人が、増え続けている。
――うつ病。
――双極性障害。
そうしたものに、押し潰されていく人たち。
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そして今日もまた、
その果てに、
ひとつの命が、失われる、、、
はずだった。
はずだったんです、人が人である以上、本当の意味で人を救える人はいないのかもしれません、ですが まあ 人をならざる者の力 あるいは 人を超越した力の持ち主なら、本当の意味で人を救えるのかもしれません、人が神にすがる理由がそれなのかもしれません。
もし仮に運命というものをねじ曲げる 存在からいるとしたらそれは案外すごく 適当でいい加減なやつなのかもしれない。幸か不幸か今 頂上の力はこいつが持っている。
「ちょっと出かけてくる」
そう言って、タカシは消えた。
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「……お姉さん」
「えっ、あ……はい」
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〜話しかける少し前〜
ロブスターを知っているか。
あのエビだ。
あいつらには、寿命がないらしい。
老衰では死なない。
じゃあ、何で死ぬのか。
ほとんどは、事故だ。
脱皮の途中で動けなくなったり、餌が取れなくなったり。
あるいは、食われる。
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自然界には、似たような話がいくらでもある。
成長しすぎて、自分の角で脳を貫く生き物もいる。
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不完全だと思った。
だが、よく考えれば。
人間も、同じだ。
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心。
こいつは地球上で人を人たらしめているものでもあると思う、人類の進化 人類の発展にはおそらく 心がなければならなかった、その結果が地上で最も繁栄した理由 なのかもしれない。
だが同時に、それは厄介だ。
傷つく。
壊れる。
いっそ、なければいいと。
そう思ったことくらいは、ある。
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だから、分かっている。
助けるという行為が、どれだけ無責任か。
一時の 救済が、どれだけの自己満足か。
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それでも。
どうやら俺が目の前の 壊れかけている女性に話しかけない理由にはならないらしい。
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その先が、破滅だとしても。
構わない。
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俺は、間違っていない。
間違っているのは、この世の中だ。
世界が社会が人を救わないというのなら、俺が救う。




