ドライブ①
ある休日、千夏はいつも通り祖父母の家に遊びに行った。
祖父母の家に着くと、見慣れない車が駐車していた。
千夏は誰の車だろうと思ったが、そのまま玄関を開けて祖父母の家に上がった。
今には綾女と紗理奈が居た。
千夏は綾女に、
「あの車はもしかしてあやねえの?」
と聞いた。
綾女は
「そうだよ、中古で買ったんだ。」
と答えた。
千夏は驚いた。
てっきり千夏は、綾女のバイクはかっこいいバイクなので車もスポーツカーみたいなものを買うのかなと思っていたが、綾女の車は量産型の軽自動車だった。
千夏は、
「そういえば、どうして今日はバイクじゃなくて車で来たの?」
と聞いた。
すると、綾女は
「今日は奈良に行こうかなと思っていて、もし千夏が来るのであればと思って車で来た。」
と答えた。
綾女の答えに千夏は自分が来ることを予想していたことに驚いた。
しばらくすると綾女と紗理奈は出かける準備を始めた。
千夏も自分の荷物をまとめた。
全員が準備できたら車に乗ることになった。
千夏は後部座席に座った。
綾女は運転席、紗理奈は助手席に座った。
全員がシートベルトを着用したのを確認して綾女は車を発進させた。
千夏の祖父母は綾女が運転する車を見送ってくれた。
時間が経つとどんどん祖父母の姿が小さくなり見えなくなった。
しばらく走ると高速の入り口が見えてきた。
高速の入り口では綾女はECTのレーンを通っていた。
千夏は時代だなと思った。
千夏が明久だったころはまだECTが普及し始めたときであったため、まだ通行券をもらっていたからだ。
千夏の乗る車は、本線と合流する直前に一気にスピードを上げた。
千夏はこの感覚が好きだった。
明久だったころは、高速の合流が大好きで一区間だけでも高速に乗ったくらいだ。
しばらく走ると奈良が近づいてきた。
千夏はとてもワクワクしていた。
明久だったころは、実は奈良に行ったことが無かったからだ。
(つづく)




