保育園
千夏は保育園に入園することになった。
保育園では、トモくんやアキコちゃん、ユリちゃんなどたくさんの友達が出来た。
千夏は保育園ではひたすら遊んで寝ることにした。
千夏が明久だった時の保育園時代の記憶はほとんど残っていない。
明久はあまり誰とも一緒に遊ばず、一人で遊ぶことが多かった。
その為、生まれ変わって千夏となった今ではとにかく周りの人間と遊んで思い出を作ろうと考えた。
そして、保育園が終わって家に帰ると疲れからか夕食を食べたらすぐに眠りにつくことが多かった。
その一方で、保育園児になった千夏は自分が今どこに住んでいるのかを知りたくなったので、家に届いた郵便物の宛先を見た。
宛先には大阪府の摂津市というところに家があるようである。
保育園に上がるまではあまり自分の家の周りの事は気になっていなかったが、保育園に上がるころには、将来進学する小学校の事などを知りたいと思うようになっていた。
家からは、東海道新幹線の車庫が見えた。
そこには、N700系やドクターイエローなどの車両がよく留置されているのが見えた。
明久は、鉄道マニアであったため家の近くに新幹線の車両基地があることに興奮していた。
保育園が休みの日には、母親同士がママ友であるトモくんの親子と一緒によく新幹線公園まで遊びに行った。
トモくんは、鉄道が好きな男の子でよく話が合って会話をして楽しかった。
トモくんとは、大学卒業まで付き合いがあるとはまだこの時は千夏は知らなかった。
摂津市には、新幹線の他にもJR京都線や阪急電鉄、大阪モノレールなど様々な鉄道路線が走っており、明久改め千夏にはとても興奮する場所であった。
週末になるとよく家の近くにある千夏の父親のトモヒロの実家に家族総出で帰省することが多かった。
実家は、非常に広かった。
実家が広い理由は、千夏の祖父にあたる人物がその地域を基盤とした国会議員であったことや、千夏の叔父が不動産を経営しており潤沢な財産があるからであると後に両親から知らされた。
よく実家にいた際は従妹の茜とおままごとをすることが多かった。
茜は千夏の一つ年上である。
茜は千夏の事をとても気に入っておりよく家に遊びに来る間柄であった。
そんな日々を過ごしていたらあっという間に保育園を卒園した。