牛丼屋
パーティを楽しんだ綾女と千夏は上機嫌で大学を出た。
大学に行く際に歩いた商店街は日没後はライトが点灯して景色が変わっていた。
昼間はやっていなかった居酒屋や定食屋などにぎやかになっていた。
千夏と綾女は夕食を某牛丼チェーン店で注文することにした。
綾女は千夏に
「今日はあたしのおごりだから、食べたいもん食べな。」
と言われた。
千夏はお言葉に甘えて牛焼肉W定食を注文した。
綾女は驚いて
「まじか、そんなに食べれるの?」
と聞いた。
千夏はおなかが減っていたため、
「全然大丈夫」
と答えた。
しばらく二人で談笑していると定食が運ばれてきた。
W定食なので肉が二倍で山盛りだったが千夏にはおなかが減りすぎて少なく感じるほどであった。
それに対し、綾女は女子大生らしく豚生姜焼き定食をおいしそうに食べていた。
綾女は先ほどまでとは違い静かにきれいに食べていた。
その様子を見て千夏は可愛いなと感じた。
千夏は卓上にあるぽん酢やカルビソース、バーベキューソースなどを駆使して牛焼肉W定食をぺろりと食べた。
千夏のおなかはとても膨れていた。
二人が食べ終わって帰る際に、綾女が千夏の口元に米粒が付いていることに気が付いて紙ナプキンでとった。
千夏は何げない綾女の気遣いに感謝するのであった。
牛丼屋を出ると人がどんどん増えていた。
帰宅ラッシュなのであろう。
綾女はこの時間になると近鉄の電車はものすごく混むという事を知っていたので帰りはJRを使って帰ろうと千夏に提案した。
千夏は首を縦に振った。
しばらく歩くとJR長瀬駅が見えてきた。
JR長瀬駅はおおさか東線の駅である。
改札を通り、電車を待っていると電車がゆっくりと通過しているのが見えた。
「あやねえ、あの電車はどこへ行くの?」
と聞いた。
すると、綾女は
「新大阪だよ。でもあの電車はこの駅には止まらないよ。」
と言った。
千夏は驚いた。
千夏が明久だったころはあの電車はJR神戸線の普通電車のイメージしかなかったからである。また、明久だったころはまだおおさか東線が開業していなかったので駅も綺麗で驚いていた千夏であった。




