怒ってる表情は心配の裏返し?
リッキ−は若干足取り重く入口付近まで歩いていくと
そこには顔を膨らませた美少女リリスがいた。
「なんでいきなり転移魔術で飛ばしたりするの!?」
ぷりぷり怒ってるリリスもかわいいのですが、しかしなんでこんなに怒ってるのかさっぱり分からず、思わず声に出して聞いてしまった。
「なんでそんなに怒ってるんですか?」
それを聞いたリリスはいきなり泣き出して
「なんでって心配したからに決まってるでしょ! そもそもどうやってあそこから出れたの!?転移魔術は自分にはかけれないし。」
涙目で叫ぶ。
リッキ−は悩む。
どう説明しましょうか。
モンスター全部あの世に送ったとは言えませんし。
私が攻撃魔術や古代魔術が使えることは秘密ですし、ばれたら平穏な日々がなお遠のきそうですし。
そういえばアレがありましたね。
「実は閃光玉で目を焼いてやりました。
何せ特製なので慣れない人間が見ると確実に1日中目が開けれませんから。」
ポケットから黒い玉を取りだし見せる。なにせリリスには回復、補助魔術と発明アイテムで戦うしか出来ないと伝えてるし見せていないのでごまかすしかない。
「だからって突然転移させることはないでしょ!!」
どうやら勝手に転移させたことにお冠のようですね。 ならば
「すいません。でもリリスには傷付いてほしくなくて咄嗟に転移させてしまいました。気分を害されたのなら謝罪します。」
私はいかにも申し訳なそうに謝るとリリスは顔を赤らめ
「もういいわ!許します。でも次は一緒に逃げたり戦うからね! 」
どうやら機嫌は治ったらしい。
「ではギルドに調査報告にいきますか。」
今回の目的は遺跡の調査依頼だったので報告に行くと促すと
「わかったわ。」
二人は遺跡を後にした。
リリス視点
ホントにこの人は心配ばかりかけて!
でも傷付いてほしくないと言われたときは嬉しかった。戦う力がほとんどないのに守ることに躊躇がなくて助けてくれる。
でももう少し頼って欲しい。だって私勇者ですし。ま、いいです。次こそはリッキ−と一緒に戦います。そして私だって戦えるところを見せてあげます。
リリスは妙に張り切った感じでリッキ−の隣に並んで街に向かった。