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ゴミ箱は魔女の宝物 ~ゴミばかり集めてたら最強魔女っ娘になってました~  作者: 嬉々ゆう


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(28)ギルマス、規格外に頭を抱える

「第28話 ギルマス、規格外に頭を抱える」

もう字面だけで情景が浮かびます。

ナズオールの胃がキリキリしてる音まで聞こえるやつです。

・⋯━☞ギルド長室☜━⋯・



 ルーナとサミは、ギルマスに捕まり、

 ギルド長室に連行され、ソファーに座る。

 そして向かいに、ギルマスとペニーが座った。



「まずは、自己紹介させてくれ。

 もうご存知のとおりだが、

 俺はこのハンドール公爵領の冒険者ギルドの

 ギルドマスターを任されている、

 ナズオールってもんだ。

 その前は、ラピスラズリクラスの

 冒険者をやっていた」


「ああ、ソーデスカー」

 (興味なしのルーナ)


「さて、話してもらおうか?」


「ええと、ナンノコトカナァ~~~?」

 (棒読みカタコトのルーナ)



 性懲りも無く、知らんぷりをするルーナ。

 そこへ、ギルマスはルーナが作った、

「トイレスライムが2匹入れば勝手に蓋が閉まる壺」

 を、テーブルの上に出してきた。

 それは、日本では人気の大ヒット食品、

 ”ご飯のお共の佃煮の瓶”

 て程度の、本当に小さな小壺である。



「この、トイレスライムを捕獲する壺

 ……つったか?」


「ああ。サヨーデゴザイマスワネェ~~~」


「ふん これは、お前が作ったのか?」


「あはぁ? ドウダッタカナァ~~~」


「ううむ……」



 今回も、思いがけず”やらかした感”のルーナ。

 しかし、なぜ、なにを、やらかしたのか、

 ルーナ本人は、まったく理解できない。

 とにかく、シラを切るしかないと思っていた。


 そこへ、ペニーが……



「あのね、ルーナさん?」


「なに?」


「私たち、別に怒ってるんじゃないのよ?」


「ヘェーソーデスカー」


「お願いだから、真面目に聞いて?」

 (真剣な眼差し)


「!……はい」



 少し強めにペニーに促され、

 ルーナは姿勢を正して座り直す。



「これ、ルーナさん、貴女が使ったのよね?」


「……はい、そうです」


「「やっぱり!」」

 (ハモるペニーとギルマス)


「!!……」

 (ビクッ!と、ビクつくルーナ)


「ゔゔゔゔ~~~」

 (まだ精神不安定なサミ)



 見ると、ペニーは膝の上で両手を組んでモミモミしてる。

 ギルマスは、頭を抱えて唸っていた。

 そんな2人を見るだけでも、”やらかした感”がハンパない。



「なあ、お嬢ちゃんよ?」


「”お嬢ちゃん”って、言わないで!」


「!……ああ、気に触ったか?

 それは、すまなかったな……」


「ふん!」


「なあ、ルーナ」


「……なに?」


「誤解するな。俺たちは怒ってるわけじゃない。

 だがな、“知らなかった”で済ませられない話なんだ」


「……」


「この壺だ。

 お前さんは、便利だから作った。

 それだけだろう?」


「……まあ、はい」


「だがな、世の中には

 “便利だから”って理由だけで、

 命運がひっくり返るもんが山ほどある」


「!」


「もし、これが国の耳に入ったらどうなる?

 貴族が嗅ぎつけたら?

 商人が価値に気づいたら?」


「……」


「誰が作った?

 どこにいる?

 今すぐ連れて来い、となる」


「……うぐ」


「その先にあるのは、

 感謝でも自由でもない。

 囲われて、逃げ場を失って、

 作れと言われ続ける未来だ」


「……」


「俺は、そういう連中を

 嫌ってほど見てきた」


「……」


「だからな、ルーナ。

 これは命令じゃない。

 取引でもない」


「?」


「“相談”だ」


「……相談?」


「お前さんが何か作った。

 あるいは使った。

 その時は、まずギルドに知らせてくれ」


「……それだけ?」


「それだけだ。

 世に出すかどうかは、

 基本的にお前さんが決めていい」


「!」


「ギルドはな、

 前に立って矢を受ける盾にはなれる。

 だが、知らなければ盾にすらなれん」


「……」



 自由を奪われるのは嫌。

 でも、守ってくれると言われると心が揺れる。



「だから、俺たちに預けろ。

 お前さんの“規格外”を」


「……ふぅん」


「無茶な制限はしない。

 倫理的に一線を越えるもん以外は、

 作るなとも言わん」


「倫理的、ねぇ?」


「そこは……まあ、

 話し合いだな」


「……」


「お前さんが自由に生きるために、

 俺たちが必要だと思ってくれるなら、

 それでいい」


「へぇ……そうですかぁ」


「ルーナさん、お願い!

 私達、本当に貴女を心配して言ってるの!」


「ううむ……」



 日本でいうところの、“著作権”だろうか?

 ルーナとしては、それでも構わないとは思った。

 でも、自由に動けない、または、

 自由に作れないとなれば話は別である。



「でも、私はただ……

 便利だと思ったから、楽になるからって、

 思いつきで作っただけであって、

 別に国や貴族や商業界にも、

 そしてギルドにも、喧嘩を売る

 つもりなんてないんです」


「それは、ペニーからも聞いているから、

 わかってるからな! 安心してくれ」


「どう?

 ギルマスと私、信じてくれないかな?」


「ううう~~~ん……」



 ルーナは、しばらく目を瞑って考えた。

 さて、どうしたものか……

 正直、著作権のような制度で守ってくれるのは

 有り難いとは、思う。

 でも、あれもダメ、これもダメとか、

 作る数に制限でもかけられちゃあ、

 たまったもんじゃない!



「でもぉ、あれこれ制限されるのは嫌だなぁ

 それに、勝手に審査されたりして、

 こんなの作ってはダメとか言われるのも

 嫌なのよねぇ~」


「そんなことなんて、しないさ

 ただ、ギルドにさえ通してくれさえすれば、

 倫理的にダメな物以外なら、

 どんどん作ってくれて構わない」


「倫理的って言いますけど、倫理観なんて、

 人それぞれ違うでしょ!」


「まあ、そりゃそうなんだがなぁ……」


「あはは……ルーナさん(汗)」


「どうするよペニー?

 このお嬢ちゃん、思ったよりも手強いぞ?」


「ああっ! また、お嬢ちゃんって言った!」


「悪かった! 悪かったって(汗)」


「だから言ったじゃないですか?

 私たちの価値観なんて通じないんですから」


「なにそれ、失礼だな……

 なんか酷くない?」


「いやいや、すまない(汗)」


「ごめんなさいね(汗)」


「ふぅん……」



 ルーナは、このままでは埒が明かないと、

 仕方なく、ギルマスの提案に乗ることにした。

 万が一、自分の行動に支障があるのなら、

 この国を出てやる!

 


「わかりました」


「おおおっ! 承知してくれるか!」


「まあ、はい……(汗)」


「ありがとう! ありがとうね!」


「ゔゔゔゔ~~~」



 こうして、今後ルーナが魔導具を作った時は、

 使ったり人に見せたり世に出す前に、

 まずハンドールのギルドに通すことを約束した。



「でも、よくこんなに沢山、

 トイレスライムを捕まえましたね?」


「えへへ……ちと、やり過ぎたかな?

 でも、トイレスライムってば、

 一生に一度しか分裂しないでしょ?」


「確かに……でもそれが、どうかしたの?」


「あのね? トイレスライムだからって、

 ウンコばかり食べさせなくてもいいのよ?」


「ウンコって……(汗)

 でも、それはどういう意味なの?」


「だから、ウンコスライムは……じゃなかった!

 トイレスライムは、ウンコばかり食べてると、

 浄化にすんごいエネルギーを使うってことなのよ!」


「へえ~~~!

 でも、ウンコって……

 あんまり連呼しないで(汗)」


「そう? じゃぁ……ウンチ?」


「貴女、わざと言ってるでしょ!」


「ひっひっひ……」

『はい、わざとですw』



 ずっとお堅苦しい話だったので、

 少し茶目ってみたのだが、逆効果だったか。


 ところが、ギルマスが目の色を変えたのを、

 ルーナは見逃さなかった。



「それより、汚物ばかり食べると、

 浄化にエネルギーだか何だかを

 使うってのは、どういう意味なんだ?」


「あ、うん だから、

 トイレスライムは食べた物を、

 体の中で浄化させるらしいんだけど」


「ふむ……そうだな。 それで?」


「それが、”汚物”の場合、普通の食べ物よりも、

 浄化するときにエネルギーを、

 すん~ごく消費するんです!」


「ほほぉ?……それは、つまり?」

 (食い付いてくるナズオール)


「うん なので、トイレスライムは、

 汚物ばかり食べ続けさえしなければ、

 それだけエネルギー消費も抑えられて、

 特に虹のキノコを食べさせたら長生きするし、

 分裂する回数も増えるってこと!」


「なんだとぉ?!」

「なんですって?!」


「えっ?!……なに?

 なんなのよ、そんなに興奮して?」



 なんなのだろうか?

 突然、何かに驚いた様子のギルドの2人。

 ルーナは、そんな2人にオロオロする。



「なに? なんなのよ?」


「その、トイレスライムに、汚物以外の食べ物も

 与えることで長生きをするようになり、

 更に、分裂する回数も増えるですって!?

 その情報、世界的な大発見ですよ!!」


「ふぁい!?」


 ガタァン!

 ギルマスが椅子から立ち上がった!


「やらかしたなぁ! お嬢ちゃん!!」


「はあいっ?!」


「ああもお……まったくお前さんは……(汗)」


「なに?! なに?! どーして?!」


「ゔゔゔゔ………」



 またまた、やらかしたルーナでした。

28話は「世界にルーナという存在が正式に認識された回」になりました。

あとから読み返したとき、確実に節目扱いされる回です。

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