52 カレー
どうも、ヤタヌスヲノヌスです!
今回は紫帆、μちゃん、恵鷹が初めて顔を合わせる回です!
それでは、 52 カレー です!
「おはよー。」
紫帆はμちゃんと一緒に眠そうにして上から降りてきた。
時計はpm10時を過ぎていた。
朝と勘違いしているのだろうか。
紫帆はいつもと比べてむくれているような気がする。
ま、さ、か、俺と恵鷹を見て妬いてんのか?
紫帆ならあり得る話だ。
いや、普通あり得るか。
(というか、俺と恵鷹ってカレカノ関係にあったよーな。)
「紫帆、さっきから機嫌悪そうだな。
一体どうしたんだ?」
一応事実を確認するため鈍さを演出した。
「いや、あのねー…、色々気にかかって。
大したことじゃないから気にしないで。」
これって半分確定じゃね?
さっきから聞きたいことがあるっていってた時点で疑ってはいたがな。
それなら嫌な展開だけは避けたい。
何としても四人仲良く布団に入るんだ。
ん?我ながら今のはエグい発想だったな。
言葉選びも慎重にいこう。
一つのミスが大きくなる局面だからな。
「んじゃ、夕飯にすっぞ。
テーブルの上準備しといてくれ…って。」
早速紫帆が恵鷹を凝視していた。
恵鷹も視線を気にしてか縮こまっていた。
「紫ー帆ー、テーブル準備頼んだぞー。」
紫帆は俺に話しかけられていると気づくと瞬間的に我に帰った。
「あぁ~、うん。
わかった~。」
恵鷹には来客用セットが家には備わっているのでそれを用意した。
その後に予め盛り付けておいたカレーを運んだ。
料理を運ぶ先に女の子しかいないことに驚きと感銘を受けつつ言った。
「ほい。
This is curry.」
決して俺の言葉に反応した訳ではなく皆が一斉におぉ!と手を合わせた。
「これが楠木家のカレーだよ。
カレーにコーヒーを入れることでコクが増えてるぜ、多分。
よし、いただきます。」
適当に話を切って食べ始めた。
なんつーか、あんなに純粋に食べ物に目を輝せている女の子達を見るとどうしても話など出来ないのだ。
あ、ずるいーという素振りを見せて俺のカレー(これ大切)を食べた恵鷹は予想通りの反応を見せた。
「美味しいっ!」
μちゃんは恵鷹に続いて言った。
「ですねぇ。」
紫帆はまじまじと恵鷹を見つめてカレーを頬張った。
俺はそんな紫帆に話しかけた。
「なんで紫帆はさっきっから恵鷹を見つめてるんだ?」
紫帆はこちらを向き平然と、でもどこか本気で答えた。
「この人には私に無いものがいっぱいあるの。
それに…。」
μちゃんはそこからしばらく詰まってしまった紫帆に聞き返す。
「それに?」
紫帆は苦し紛れに言った。
「悔しいけど、私よりお兄ちゃんに気にされてそう。」
俺と恵鷹の背筋が凍った。
熱々のカレーが氷に感じた。
「そ、そうか?」
実質紫帆の行動の方に目が行ってた気がするが、そうでもなかったみたいだ。
しばらく冷たくもさりげない沈黙になった。
それを破ったのは俺だった。
「俺、は皆に平等に接しているつもりでいたが?」
μちゃんも頷いてくれていた。
紫帆は眉根を寄せた。
「そこ、じゃないのよね~。
なんか、行動に格差が出てたわけではないけどね。」
紫帆は肘をつき両手で顔を覆ってうなった。
俺はここでようやく助言をした。
「わかった。
お前恵鷹に嫉妬してんだろ?」
紫帆はあぁ~、と納得した。
「なんであぁ~なのかしら。」
恵鷹は限りなく小さい小声で言った。
基本的に楠木という系列はどんなに後ろめたいことでも軽く処理してしまうらしい。
この家にいたらこの子もそのうち純粋じゃなくな…。
恵鷹がμちゃんの方を見ると彼女は俺のこういうところがスキと言わんばかりの笑顔を見せた。
…そんなわけないか。
ライバルしかいない食卓なんて……ね。
恵鷹は何かに納得した。
確かに私も十騎君のこういうところが好きだし、何より優しそうなところが良いのよね。
見た目もタイプだし。
一緒にいて安心感があるっていう感覚が。
「ごちそうさまでした~。」
俺は一番乗りで食器を下げた。
刹那、俺の頭にイマジネーションが広がった。
(もし、もしアクチノールとの闘いが激化したならば俺らは間違いなくこのような平和な生活は送れまい。
同時に俺の手で守らなければならないものも、沢山。)
「そっか。
守る、のか。
種をまいちまったからには俺がきっちり皆を。」
俺は手のひらを細い目で見つめた。
深いことを考えるのはやめようと紫帆に話しかけた。
「紫帆、嫌ならいいが今日は4人で寝たいんだ。
大丈夫か?」
こんなときにこんな性的欲求しかできないなんてな。
紫帆は俺の言葉のトーンから何かを悟り頷いてくれていた。
「良いよ。」
俺は誰にでも優しくしてるのが普通なんだ。
だから、俺は皆と仲が…
恵鷹は後ろから俺の背中を軽くを叩いた。
「なっ?」
「バーカ、なに真面目になってんのよ。
あと、厨二病発動してたでしょ。」
……、救うべきものは優しかったってか?
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