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歴史オタクの俺が偉人に転生した結果、歴史書に書かれていない真実を知った〜世界史の裏側を巡る転生ミステリー〜  作者: ズッキー
第1章 カエサル暗殺編

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5/11

第5話 カエサルは知っていたのか

夜。

ローマの街は静まり返っていた。


俺は宮殿のバルコニーに立ち、灯りの広がる街を眺めていた。


ここが古代ローマ。


そして俺は今、

ガイウス・ユリウス・カエサル

その本人になっている。


三日後。

俺は

ユリウス・カエサル暗殺

で殺される。


それが歴史だ。


だが、今日一日で分かったことがある。


ブルートゥスは迷っている。

カッシウスが暗殺を主導している。


そして——

俺は暗殺を回避できる可能性がある。


「逃げるか……」


俺は小さく呟いた。


逃げるのは簡単だ。

三日後、元老院に行かなければいい。


それだけで歴史は変わる。

だが、その瞬間。


頭の中に、もう一つの疑問が浮かんだ。

なぜカエサルは逃げなかった?


占い師の警告。

妻の夢。

友人の忠告。


それでも彼は元老院へ向かった。


偶然?

それとも——

俺は目を細めた。


もし。

もしカエサルが。

暗殺に気づいていたとしたら?


その時だった。

背後から声がした。


「まだ起きているのか」


振り返る。

そこに立っていたのは、年配の男だった。


細い体。

鋭い目。


俺はすぐに気づいた。

マルクス・トゥッリウス・キケロ。


ローマ屈指の政治家であり、弁論家。

そして歴史的にも、この時代の重要人物だ。


キケロはゆっくり近づいてきた。


「最近、元老院の空気が妙だ」


彼は夜のローマを見ながら言った。


「妙?」


俺が聞く。

キケロは少し笑った。


「カエサルともあろう人間が、それに気づかないはずはない」


俺は黙った。

キケロは続ける。


「元老院の何人かが、あなたを恐れている」

「王になるのではないか、と」


俺は苦笑した。

確かにそれは歴史の背景でもある。


カエサルが権力を握りすぎた。

共和政ローマが終わる。


そう恐れた元老院議員たちが、暗殺を計画した。

キケロは俺をちらりと見た。


「あなたはどうするつもりだ」


「何がだ?」


俺が聞き返す。

キケロは静かに言った。


「この状況を」


その言葉に、俺の胸が少しだけざわついた。

キケロは何かに気づいている。


いや。

もしかすると——

ローマの政治家たちは皆、薄々分かっているのかもしれない。


この国は今、危ういバランスの上に立っている。

そして俺は、その中心だ。


キケロは最後に言った。


「カエサル」


俺を見る。

「あなたほどの人物なら、分かっているはずだ」

「歴史には時に」

「避けられない瞬間がある」


そう言い残し、キケロは去っていった。


俺はその背中を見送りながら思った。

もしかすると。

この暗殺は単なる裏切りではない。


ローマの未来をめぐる——

必然の衝突なのかもしれない。


俺は空を見上げた。

暗殺まで、あと二日。


そして俺は、まだ知らない。


この事件の裏側にある、

本当の真実を。

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