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お笑いヤンキー  作者: oga
俺は向日葵
9/25

天然

「で、話は進んでんのかよ?」


 俺は野バラ、ワル2人と麻雀の卓を囲んでいた。

野バラが案外協力的だったのと、3人じゃ麻雀できねぇからと、俺が空席に座すことになった。


「元部長が昨日ネタ持ってきたよ。 ほら」


 野バラがポケットから几帳面に畳まれた用紙を俺に渡してくる。

それを受け取り、広げるとカッコ書きでボケ、ツッコミのセリフが交互に記されていた。

題目は「修学旅行」で、俺はそのネタを一読すると野バラに聞いた。


「……これ、面白ぇのか?」


「は? これから漫才やろーって奴がネタの善し悪しも分かんねーのかよ。 それポン」


 俺が捨てた牌を拾う野バラ。

ちなみに、麻雀とかルールよく知らねーから適当に捨ててる。

今捨てたのは「東」の牌で、横のワルが毒づく。


「てめえ、やる気あんのかよ……」


 知るか。

今捨てたのは結構いい牌ってことか?

もう一人のワルが野バラに聞く。


「そういえば、Mー1で優勝したミルクボーイ、結構テレビ出てますね」


(ミルクボーイ? ヤクルトレディの亜種か?)


 野バラが相槌を打つ。

俺は気になって確認した。


「何だよ、それ」


「……は、ミルクボーイしらねーの?」


「……テレビとか見ねんだよ、昔っから」


「おまっ、マジか。 Mー1も見ねー、バラエティも見ねーで良くお笑いやりてーとか言えんな。 やっぱり天然かよ、お前」


 ……何か、腹立つな。

天然とか、俺はバリバリの養殖だっつの。

色々バカにされんのもシャクだから、俺はもう一度ネタを読み、自分なりの見解を述べることにした。


「あー、このネタだけどよ。 ツッコミのセリフがなげーよ。 何でやねん! の一言でいいじゃねぇか、なァ?」


「それのどこがおも……」


 右側のワルが何か言おうとするのを野バラが止める。


「……分かった。 元部長呼びつけて直させとく。 私はこれから校長に部の名前変更と、お前が新しく部長になる旨を伝えに行ってくる」


 立ち上がると同時に、野バラは牌を倒す。


「役満だ」

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