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王子様拾いました。  作者: 苺鈴
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星野王子

「王子様。いえ、あなたは、今日から星野(ほしの)王子(おうじ)君になるのです!」

 星野王子…ほしのおうじ…星の王子って狙いすぎだろ!!馬鹿親がつけたみたいな名前じゃん!

「僕の新しい名前…。」

「てか、ヤマネコさん、何言ってんの?まさか、王子君を俺の養子にするってこと?」

「そうです。養子以外なら何ですか?王子様改め王子君をお嫁さんにしたいんですか?」

「そんなわけないでしょー!!」

 たしかに、王子君は可愛いし、もし…王子君が女の子で、年がもうちょっと離れてなかったら結婚したいけど…って俺何考えてんだよ!!

「でも、養子にするったって、王子君にはこの『セカイ』じゃ戸籍も何にもないし…。」

「心配ご無用です!私がもう星野王子君の戸籍も作りましたし、事実上、王子君は洸の子どもです!」

「ヤマネコさん…いったいどうやったの?」

「私は、世界を旅してきたんです。知り合いは、たくさんいます!こういうデータを改ざんするスペシャリストにお願いしたんです!」

「それって、違法じゃないの?」

「大丈夫です!私には聖帝会という後ろ盾がありますから!日本の裏社会どころか、最近は表社会まで進出する勢いですから…!」

 聖帝会すごすぎー!!

「王子君。これで、あなたはもう王子様でなくなります。そのかわり、あなたが今のペースで年を重ねていけばあなたに眠る『チカラ』は、徐々に消えていきます!あなたは、ただの星野王子という男の子になれるのです!」

「王子君、本当にそれでいいの?空の上には、キモくても一応、君のお兄さんもいるし…。」

「…洸。僕は、もっとこの『セカイ』を見てみたいんだ…。それに今、帰ったら…きっと兄さんに、一生お城の中に閉じ込められてしまうと思うんだ…。僕は、星野王子として、この『セカイ』で生きていきたいんだ…!」

「王子君…。王子君がそれでいいなら、俺はそれでいいよ!」

「決まりですね!良かったですね王子君。それでは、私は、これでお別れです…。」

「ヤマネコさん!どこへ行くの?ヤマネコさんは一緒に暮らせないの?」

「空の上では、私は、王子様の誘拐容疑で指名手配中なのです!だから、私は王子君とは、一緒にいられません。私は、これから世界中を逃げ回らなければならないんです。」

「そんな…!僕のせいだよね…。僕のためにこんなにいろいろしてくれたのに…。僕は何もしてあげられなくて…僕は…!」

「王子君。全て私が勝手にやったことです。私は、あなたが大好きなんです!あなたは、世界一いや、宇宙一可愛い私の王子様です!だから、どうか幸せになってください…。」

「ヤマネコさん…。やっぱり、僕、空へ帰るよ!ヤマネコさんが捕まったらきっと…兄さんに殺されちゃうよ!でも、僕が事情を説明すれば…僕はもう外に出ることはできなくなるけど…ヤマネコさんの命を救うことはできるから…!」

「王子君。それじゃあ、今まで私がしてきたことが全て無駄になってしまいますよ!それにね…王子君。私は、君のお兄さんが大っ嫌いなんだ!だから、アイツが私と君を血眼で探しているのを想像すると愉快で仕方がないんだ!…私はね、美味しいお菓子を独り占めしちゃう奴が一番嫌いなんだよ。まさに君のお兄さんは、こんなに可愛い王子様を独り占めにしてた悪いやつだからね…!」

 ヤマネコさん…しゃべり方が変わってる…しかも、どす黒い感情が出てきちゃってるよ!

「…でも、ヤマネコさん。兄さんを怒らせると…本当に怖いんだよ!」

「心配しないでください!私は、どんな拷問を受けようと王子君のことは絶対に話しません!!てか、アイツと話すための舌を私は持ってません!」

 ヤマネコさん、王子君のお兄さんのこと本当に嫌いなんだね…!

「それと、これを王子君に。」

 ヤマネコさんは、王子君の首に銀色の小さな鈴の付いたペンダントをかけた。

「これは?」

「その鈴は、王子君に危険が及ぶと私だけに聞こえる音で鳴るんです。その音を聞いたら、私は世界中どこにいてもすぐ、王子君の元へ40秒で支度して駆けつけます!!」

「ヤマネコさん…。本当にありがとう…。それしか言葉が見つからないんだけど…。」

「いいえ、どういたしまして!それでは、僕はこれで本当に失礼します。洸、王子君のことよろしくお願いします!王子君、君の名前は?」

「星野王子!」

「そうです!では、ごきげんよう!!」

 ヤマネコさんは、消えてしまった…。


「王子君。本当に良かったの?」

「うん。洸こそ…本当は迷惑じゃない?」

「そんなことないよ!…俺、王子君と家族になれて嬉しいよ!」

「洸、僕もだよ!」

「…王子君。」

「何?」

「俺のこと…お父さんって呼んでもいいんだよ?」

「…洸は…洸だよ!」

「…そっか。そうだよね!」


 こうして、俺、星野洸と星野王子君は、家族になったのです。




苺鈴です。今まで読んでいただきありがとうございます!!

「王子様拾いました。」はこれでお終いですが…。星野先生と王子君のお話はまだ続きます!だって、あの変態ブラコン兄貴が王子君のことを諦めるはずありません(笑)というわけで、続編執筆中です!!お楽しみに。

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