王子君のお母さん?
「今日は、豊臣秀吉さんについて勉強していきます。みんな、豊臣さんは何をした人か知ってる?」
「天下統一!」
「文禄の役!」
「刀狩り!」
「サル顔!」
「みんな、よく知ってるね。そうだね、織田さんが成しえなかった天下統一を果たした人だよね。しかも、この人は農民の出だから、戦国時代でも一番の出世大名だよね。先生は、個人的には豊臣さんがした政策で一番良かったと思うのは、刀狩だね。これは、農民に武装をさせないために始めたことだけど、これのおかげで日本は欧米のように銃社会にならずにすんだんだよ。」
どっかの馬鹿は、白昼堂々、銃を乱射してたけど…。今朝は、とりあえずヤクザに会わなかったし、もうあきらめたのかな…?
王子君は、校長先生に許可をいただいたけれど…来週までには、保育園か幼稚園に入れるようにって言われちゃった…。見かけは幼稚園児だけど、中身は中学生だから、この中学に通わせちゃだめかな?
4限の授業が終わり、俺は、王子君を保健室へ迎えに行く。結局、南先生に預けている…。
「王子君。お昼だよー。」
「Z…。」
王子君は、保健室のベットの上で寝ている。
「王子君、朝からずっと、寝てますよ!昨日は、何時に寝かせたんですか?」
南先生は、なぜか不機嫌だ…。
「いや、9時前には、すやすや寝てましたけど…。」
「王子君が起きてなくちゃ、お着替えができないじゃないですか!今日も可愛いお洋服いっぱい持ってきたのに…!」
それが、不機嫌のわけですか…!でも、寝ている王子君をお着替えさせない理性は残ってるんですね。
「王子君。今日の給食は、ご飯だよ!」
「…ご飯!」
よし、起きた!
―2年2組の教室―
「洸、このご飯は、無洗米だね…。粘っこいし…お米の味がしない…。」
「まあ、学校給食だから仕方ないよね…。」
「王子君、無洗米なんて良く知ってるね!」
「ああ、王子君は、ご飯を食べただけで、お米の銘柄と産地がわかるから!」
「すごいですね…!王子君、お米好きなの?」
「うん。大好きさ。」
「私もパンよりご飯派なんだ!」
へえ…意外。加藤さんハーフだからパン食だと思ってた…。
「そういえば、先生。王子君は、保育園か幼稚園に通わせないんですか?私は王子君が教室に来るの大歓迎なんですけど!」
「そうだよね…。でも、都内って待機児童でいっぱいなんでしょう?今から入れてくれるとこあるかな?」
「だったら、私の妹が通ってる幼稚園、紹介しましょうか?」
「え、いいの!」
「はい。まだ定員に余裕があったと思います。今日、帰ったらお母さんに聞いてみます。」
「ありがとう、加藤さん!助かるよ…。」
「洸。僕はこう見えても14歳だよ…。」
中身は14歳でも、見かけは幼稚園児じゃん!
その時、教室の電話が鳴った。誰だろ?電話に向かう俺。
「王子君。私の妹は5歳なんだけど、王子君と同い年くらいだから同じ組に入れるといいね!」
「だから…僕は14歳だよ。」
「あはは、そうだったね!私の妹の名前は、姫っていうの。お父さんと、お母さんが生まれてきた妹がお姫様みたいに可愛かったから姫って名前にしたんだって。私と姫って9歳も離れてるでしょう。それだけ次の子どもができなかったから、姫が生まれたことがよっぽどうれしかったんだね…。あ!先生、誰から電話だったんですか?」
「なんか、俺に用がある人が来てるって。これから、面会室に会いに行くんだ。誰かの保護者かな?」
「そうですか。じゃあ、私が王子君を保健室に送りますね!」
「ありがとう、加藤さん。」
面会室に向かう俺。誰だろう…?女の人って言ってたから…ヤクザじゃないよね…。
「失礼します。お待たせしました。2年2組の担任の星野洸ですが…。あなたは…!?」
面会室にいたのは…。艶やかな長い黒髪に、青い瞳をした…黒のスーツ姿の美しい女性だった…!!
「はじめまして…星野先生。私が…王子の母親です。」




