王子君の名前
今日は、日曜日。俺の体は、昨日の鬼ごっこのせいで全身筋肉痛に襲われていた…!だって、やっぱり中学生に負けるなんて悔しいじゃん…なんとか15分間、死ぬ気で走って逃げ切ったよ俺!加藤さんのあの悔しそうな顔…!まあ、結局、小野先生への口止め料として王子君の画像(女装以外)あげたんだけどね…。
「洸…。大丈夫?」
「ああ、王子君。大丈夫だよ!ちょっと…いや、かなり体中が痛いけど…。待ってね、今、起きて朝ご飯作るから…。あああー痛い!」
体を動かすたびに…全身に痛みが…。
「本当に大丈夫?」
朝ご飯をすませた俺と王子君。あれ!王子君、また銀髪になってる!
「王子君、髪の色が変わってるよ!」
「洸、話があるんだ。」
「ああ。なんか、昨日言いかけてたことがあったよね!どうしたの?」
「昨日、用具室で…変な人に会ったんだ。」
俺は、王子君から、王子君をこの『セカイ』に連れてきたという人の話を聞いた…。
「へえ…。じゃあ、やっぱり『王子』って名前じゃなくて身分だったんだね…。」
「どうしても思い出せないんだ…。自分の名前なのに…。」
「うーん…。ああ!じゃあさ…お兄さんの名前は思い出せないかな?」
一緒にお風呂に入ってたくらいだから…かなり身近にいた人だから思い出しやすいんじゃないかな?お兄さんの名前思い出せば、自分の名前も思い出すかもしれないし。
「あのキモい…僕の兄さん…。」
名前より『キモい』って単語が先に出るって…王子君のお兄さん、王子君にお風呂以外で何してたんだろ?一緒にお風呂入るだけでもかなりキモいのに…。
「…ダメだ。いつも『兄さん』って呼んでたから…。名前は思い出せないや…。」
「じゃあ!王子君は、お兄さんには何て呼ばれてたの?」
「僕の名前だけど…それが思い出せないんだ!あんなに…キモいくらい呼ばれたのに…!!」
「…そうなんだ。一文字でも思い出せない?」
「…ダメだ…思い出せない。」
「そういえば、王子君のお兄さんっていくつ?」
「たしか、僕と10歳離れてるから…24歳だね。」
「結構、年離れてるんだね!まあ…無理に思い出そうとしても、ダメみたいだしい…。お兄さんのことも、お風呂に入っていて偶然思い出したんだから、そのうち自然に思い出すんじゃない?」
「そうかな…。」
「ほら、王子君。元気出して!今日はプ●キュアがある日だよ!」
「洸…。いい年して…プ●キュア見てるの!?」
「え?王子君…プ●キュア見ないの!?」
「だって、僕もう14歳だよ…!プ●キュアなんて、女の子が見るものだし…。僕の兄さんは、見てるけど…。洸…僕の兄さんより年上なのに…。」
王子君がお兄さんの話をする時と同じ目で、俺のことを見ている…!?俺、キモいと思われてる…!?
「王子君…!そんな目で俺のことを見ないで…!!それに、今期のプ●キュアは、本当に神回だらけだから!…俺、今までの全話録画してあるから、あとで一緒に見よう!」
「…兄さんも同じこと言ってた。洸が兄さんと同レベルだったなんて…!!」
「だから、王子君!そんな目で俺を見ないでえええー!!」




